○寄りきり
●浴びせ倒し
○押し出し
で
5勝1敗
場内の母親たちもかなりヒートアップしてきており
隣に座る者同士で親睦を深める者もいれば
亀裂を深める者もいた
のりこは掲示板に次の自分の取り組みを確かめに行った
次の取り組みは
村役場の妊婦への講習会で初めて会って以来
会う度に
反りが会わないと感じていた
宮内ともことだった
役場での集まりのこと
のりこはともこにこう聞かれた
「孝雄は元気してる?」
と
聞かれたのりこは自分の夫の下の名前を呼び捨てで呼ばれたことに驚き
「元気よ、
あなたうちの主人とお知り合いかなにか?」と思わず聞き返すと
「私、彼と昔付き合ってたの
今も彼が好きよ」
と
返された
それ以来のりこはともこに対して相容れないものを感じるようになった
次の取り組みは
そんな二人の因縁に決着をつけるための一番なのだ
かくして行事の女性から
「西、田澤のりこさん、東、宮内ともこさん土俵に」
と呼び出され
二人は
この因縁に決着をつけるべく土俵に上がった
「ここであなたとお相撲がとれて嬉しいわ」
「私もよ」
二人の女がそんな会話を交わす土俵では
凍てつくように張り詰めた空気で満たされていた
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