2014年9月4日木曜日

ラ 裸 螺(3)

 全国20校の学校で運営される女子だけの部活動、修道部は
元々 武道家であり教師でもあった女性の発案で創設された
その淑やかさが漂う部名とは裏腹に 入部した女子たちは互いに競い合うことを通して逞しさを身に着け
3年間を終える




 緑風高校 修道部ではこの春、入学したミハルたちが初めての合宿に臨もうとしていた
緑風高校修道部ではこの数年間 初年クラス 上級クラス含めて 優勝者はおろか
上位入賞者すら出ていない
〝個〟と〝個〟の対決を重んじ 団体戦の存在しない競技とはいえ
そのことを苦々しく思う空気が部にはあった


そして この夏休み
緑風高校修道部は毎年恒例の合宿に臨んだ
部の上級生たちが話し合ってメニューがかなり強化された


そして Aクラス Bクラスという振り分けが始められるということも決められた
部員40人を擁する修道部では 修道室は練習場所に狭すぎるので


1軍2軍に分かれて活動しようという試みだ
そしてAとBは月1回入れ替え戦を行うことにより
まんねりを打開しなおかつ 部員同士の競争意識を鼓舞しようという試みだ


東堂ミハルは1年生の中で言うと真ん中ぐらいでAかBか微妙な位置だ


一緒に入部した赤羽メグミとは特に仲がいいが
それ故に1番負けたくない相手でもあった
メグミも番付的にはミハルとおなじくAかBか微妙な位置であった
また 同じ学年には 学年内番付1位のナナエをはじめ
秋の新人戦で上位入賞が期待される同級生も何人かいた


この7日間の合宿では
試合の結果だけでなく遠泳やビーチフラッグダッシュ等
あらゆるメニューの優劣でもポイントが付き
試合の結果と合わせて振り分けが行われることになっている


ミハルは着替えや相撲のまわしなど必要なものをおおきな鞄に詰め
明日からの合宿に思いをはせた


40人の部員を乗せたバスは海沿いのホテルに泊まった
部屋は全員に個室があてがわれ
いかにも個を大事にする部活という感じだった


初日は部屋で支度を済ませると
そろいのTシャツと短パンで明日からの戦いの場となる
砂浜まで軽く走っておわった
その砂浜は学校が買い上げた関係者以外入れないゲートと高い壁で区切られた場所になっていた




 
 

2014年6月9日月曜日

女子大生比べ

みひろは都内の大学に通う大学2年生だ
今年の春からアルバイト感覚でAV女優の仕事もしている
胸もそれほど大きくなく
自分としては身体にそれほど特徴がないと思っていたが
高校時代まで
それほど強豪でないレスリング部に所属して鍛えたそこそこスリムな日本女性としての身体もまた彼女のAV女優としての持ち味だった
普段の飲食店でのアルバイトの傍らAV女優としては月2〜3本撮影をこなし
合間に趣味の格闘技観戦に出かける
これが彼女のおきまりのパターンだった

今日もまたいつものように監督面接にマネージャーときた
そこで
「きみ、いかにも日本女性って感じだけど今まで習い事はどんなことをやってきたの」
と聞かれ
「保育園と小学校のとき
お花と書道と格闘技好きだった両親の影響でお相撲とレスリングをやってました
レスリングは高校までやってました」

戸惑いながらも思い出して答えると
「じゃあまわしのしめ方わかるね」
「はい、小学校卒業まで毎週やってたので」
「わかった、じゃあよろしくね」
こうして
話は日程の話に進み

こうして打ち合わせで決めた日
都内のあるスタジオにみひろと担当マネージャーの姿があった

スタジオには洋室、和室そしてマットの部屋の3つに分かれていた

楽屋に入ると欧米人風の少女の姿があった
みひろは楽屋を間違えたと思い
「あ、ごめんなさい入る部屋を間違えたみたいで」
と謝ると
「いえいえ私も最初間違えましたから」
と流暢な日本語で返ってきた
「あなた日本語お上手ね」
「はい、去年からこの近くの○○大学にアメリカから留学生できてるので」
「てことはあなたが今日の共演者のマルシアさんね」
「そうです よろしくねみひろさん」
「こちらこそお手柔わによろしくね」
「ダメですよ今日は欧米人とアジア人をバトルするのがコンセプトなんで全力で行きますよ」
「そうね 私も負けないわ」

偶然の顔合わせを終え
みひろは今日の撮影内容を思い出した
今日は本番は余り長くない代わりにレスリングや相撲など体を動かす内容が多くある撮影だったのだ

今日は衣装替えが何回もあり
衣装が浴衣 まわし スパッツのパンツ部分のみのもの ボクシンググローブ そして化粧まわし
いつもとちがってかなり豊富に揃っていた

「それではまずはジャケットの撮影でーす」
スタッフの声が響き
指定されてた化粧まわしのまわしだけつけた姿になり
撮影場所にいった
ボクシング姿で現れたマルシアが並んでのジャケット撮影が終わり
次は浴衣を着ての撮影に入った

花道のシーンや書道のシーンを徐々に浴衣をはだけさせながら撮り
バナナなどを使ってフェラチオの模擬演技のシーンを撮り
そして男優さんとの絡みのシーン
見学に来ていたマルシアに見せつけるかのように演技を終え
控え室で
次の撮影のため
浴衣を脱ぎ
全裸になり

撮影場所の和室から撮影を見ていると
マルシアもまたそのグラマラスでしまりのある肉体をアピールして
私を意識しているようだった

そしてしばらくすると
マルシアも全裸になり現れた
金髪の背中近くまで伸びた髪の中から見えるその肉体は
胸やお尻などはしっかり大きいのに
腰などはしっかりクビレがあり
みひろが憧れる大人の女性の体つきだった

それから
柔軟性対決はみひろが
勝ったが
腕相撲、尻相撲、指相撲ではマルシアが勝ち
みひろはマルシアへの対抗心を抱き始めていた

次の相撲の撮影では
みひろがマルシアのまわしを締め方を教えるシーンのなかで
みひろはわざとマルシアが痛がるぐらいまわしをきつく締め付け
スタッフに聞いて直してもらうなどし
みひろとマルシアの間には確執とそれから来る対立ムードが徐々に強まっていた

取り組みでは
相撲に不慣れなマルシアをよそに
みひろが3番とも圧倒した

次のミルクボクシング対決では
マルシアが台本にはない正規のパンチをみひろの顔面にあて
みひろの顔の頬には軽く痣ができていた

二人の対立ムードをさらに推し進めた
二人とも経験のある
レスリング対決では
互角の対決を見せるも

時々反則的な技が飛び交い
辛うじて競り勝ったマルシアもイライラを募らせていった

まひろもマルシアも
対決を望む気持ちを強め
とうとう
最後のレズシーンも総合格闘技のシーンにかえさせてしまった

レズシーンのセットで
まひろが平手をうちマルシアも返し

膝だちで正面から体を密着させて組合
組み勝ったまひろがまず上になりマルシアが上を奪い返し
またまひろが奪い返す

2014年6月7日土曜日

とある裸の仕事

※ この記事はAV女優様について書いてみようと試みてはおりますが 
毎度のようにUP主の妄想で書いてます  
あとAV女優というお仕事は社会から性犯罪にを防止してくれる大切な仕事だとUP主は考えております
参考文献 中村敦彦 『職業としてのAV女優』 株式会社幻冬舎


数年前読んだだけであまり参考にできていてないかもしれませんが 著書としてはおもしろかったので 社会勉強の意味も含めてお勧めの本の一つです


コナカヒロコ 32歳 主婦 子供 2人(8歳の女の子と5歳の男の子)
今日はヒロコにとって新しい仕事の初めての仕事日


先月 面接に行ったAV女優のプロダクションの仕事だ


生活は旦那の働きもありそれといって困窮するわけでもなく
かといってそんなに裕福でもなく
ただ 旦那の稼ぎのおかげで平穏に暮らせていた
それでも もう10年近く続く退屈な暮らしにヒロコは退屈を感じていた


そこでなにか新しい刺激を求めて女性専用求人誌で応募してみたのがはじまりだった


ヒロコはマネージャーのナカヤと待ち合わせ場所の駅で合流し
車で撮影場所まで向かった


車で大体のだいたいの説明は受けた


今日は本番や絡みなどはなく
まるでAVの撮影になれるための研修のような内容であることに
ヒロコは感銘をうけた


ただ 今日 共演する 同じ新人女優で年齢や主婦であることなど
大体共通する点が多いサヤマアキコがどんな女なのか気になっていた


これから業界でやっていくうえでライバルになるであろう女性で
今日の仕事の内容もまた それを強く意識させる内容になっていたからである


ともするうちに 資料などに目を通すヒロコを乗せた車はのどかな田舎の道をひた走り
10台近く止められる駐車場が隣接した和風の平屋建ての庭付きの屋敷にとまった


ヒロコはナカヤと中に入った
自分と共通する特徴を多く持つライバルと競い合いながら生き抜くAV業界
ヒロコはこの状況にワクワクした
共演するアキコの部屋に挨拶に行こうとしたが
マネージャーのナカヤから止められていたのを思い出し
衣装として渡されていた
浴衣に着替えるために
裸になった
Cカップぐらいしかないバストなど大して特徴のない体をみて
衣装と一緒に来たパンツに履き替え
浴衣姿になった
黒くて長い大きな布は撮影中に衣装さんがつけてくれるとのことで
開封して中身を確認する程度にしておいた


お相撲なんて子供のころ以来私勝てるかしら でも相手 体重だけは私より重そうだし
とか
考えてるうちに時間が来た


台本には やわらかい言葉でやり取りしつつ たまに 相手をそれとなくけなすように
と書いてあった


ヒロコはマネージャーのナカヤの連れられ撮影のセットが周りに組まれた部屋に入った
最初は浴衣姿でトークを交えながら
すごろくで対決するという撮影だ
薄赤い浴衣で部屋に入ったヒロコを
薄青色の浴衣姿のアキコとカッターシャツに赤い蝶ネクタイ姿の司会役のAV男優らしき男性が先に座って待っていた
こうしてスタッフの合図が入り撮影が始まった
司会「今回は御両名とも初出演ということでデビューおめでとうございます それでは御両名ともまずは自己紹介をおねがいします」
男は慣れた手つきで進行をはじめ
ヒロコ「コナカヒロコです 32歳です 5歳と8歳の子供のいる主婦です
今回がデビュー作ですのでがんばります」
と緊張しながらもれとなく自己紹介すると
アキコ「サヤマアキコです 33歳です わたしも5歳と8歳の子供のいる主婦です
私も今日が初めてなので今日はヒロコさんに負けないように頑張ります」
とヒロコに目線を少しやりながら自己紹介からまくし立ててきた


こうしてまず手始めのすごろくをしながらのトークを終え
目隠しをしての福笑いを経て


かるた対決にうつっていた
ちりばめられたかるたはひらがな、漢字含めて
100枚近くばらまかれていた


初夏の日差しの中でのほとんど屋外のような部屋での撮影で
ヒロコはだんだんと汗ばんでいくのを感じた


司会「そろそろ汗ばんできたかと思いますが
ここで御両名とも浴衣を脱いでいただきたいと思います」
そう促されて
いよいよかと思い
ヒロコとアキコは初めての裸に恥じらいながらもお互いを意識しながら浴衣を脱ぎ始めた


そして脱ぎ終え
お互いパンツ1枚の姿になったところで司会が
「初めてのAVの撮影での初めのヌード、感想はいかがですか」
と問いかけ
「恥ずかしいですが気持ちいいです」
とヒロコが答えると
アキコは「やっぱりヒロコさんよりわたしのほうがバストもヒップも立派だと思います」
とまくし立て
ヒロコも
「AV女優はテクニックも大事だと社長から聞きました それにアキコさんどちらかというとデブだと思います」
と返した


こうした応酬が撮影の中でたびたび繰り返された
2人ともただただ台本の指示通りにやっているだけなのだが
お互いがお互いの発言にいらだち
それが撮影中の行動などに現れ
徐々に撮影が熱を帯びていった


こうして
そのまま撮影は腕相撲をおえた
ここまでの撮影で2人はいつしかライバルとしてお互いを意識し合い
その負けん気も司会者に乗せられるままに相まってゲームに夢中になっていた
ゲームの勝敗はというと
かるた対決だけヒロコが勝ち
腕相撲と福笑いはアキコに敗れていた


場所を黒土の土俵が設けられた外庭に映し
相撲の撮影が始まった
子供のころ以来のまわしにヒロコはワクワクした
また なんとかヒロコに勝ちたいと思った


司会者「さあ つぎはいよいよ 体と体のぶつかり合い 女相撲3番勝負ですが
お二方とも意気込みをお願いします」
アキコ「さっき腕相撲でそんなに強くなかったので
次のお相撲でも勝ちたいと思います」
と優越感をみせる
ヒロコもアキコに目をやり
「子供のころ以来のお相撲なので楽しみにしてます
昔やってたのでライバルだと思ってるアキコさんには勝っておきたいと思います」
と返すと
司会者も
「女相撲に優勝してその後のお仕事につなげた女優さんも過去に居られますね」
と煽り立てると
アキコ「毎週2~3階ジムに行ってるので力にも自信があります
さっき腕相撲でも勝ちましたし」
とチクリとアキコに目をやると
ヒロコも「お相撲は腕だけじゃなくて全身の力がものを言います
私負けるつもりはありませんから」
と返し
さらに熱を帯びていった


 
 ヒロコとアキコは土俵中央を挟んで向かい合った
軍配を持った司会の男の合図とともに
立ち合い 気迫いっぱいにぶつかり合った
ヒロコはアキコの大きな体を土まみれにしてやろうと
投げをうちにかかったが
アキコの予想以上のパワーに押し出される形で
1つ目の取組の土俵を割った


アキコ「あら お相撲やってたんじゃなかったの」
この言葉に触発され
二つ目の取り組みでは
ヒロコとユキコはがっぷり四つで組合ったのち


得意の送り出しで
アキコの身体を黒土まみれにした


ヒロコ「さっきは油断しちゃいました 体は重いけど力そんなたいしたことないですね」


そして1勝1敗で迎えた3番勝負最後の取り組みも
またヒロコがアキコを投げ飛ばし


撮影は風呂場へと移っていった
体を洗うところまで撮られるのはさすがに初仕事のヒロコは恥じらい表に出たが
一方のアキコはそれを表にも出さずに体を洗っている
そして撮影は湯船でのトークの撮影に移った
司会「ここまで撮影おつかれさまでした」
ヒロコ アキコ「おつかれさまでした」
司会「ヒロコさん さっきは見事なお相撲でしたね」
ヒロコ「アキコさんを砂まみれにしてあげたくて必死でした」
司会「さて アキコさん 経験者のヒロコさんから初戦を取りましたね見事でした」
アキコ「私は3回とも負けるかと思ったんですが 1回勝ててよかったです」
司会「さてお二方はこれまで格闘技やケンカのご経験は」
ヒロコ「わたしは小学生の頃お相撲大会で優勝して以来ありません」
アキコ「たまに夫ともやりますし ちょくちょくムカつく女と出会うとやってます」
司会「美人人妻AV女優が同時期に2人デビューするということで企画されたこの企画 実は次のゲームも格闘技なんです お二方意気込みをおねがいします」
ヒロコ「ケンカの経験はありませんが お相撲は習ってたので基本はできてるとおもうので
次のやつも勝って同期のアキコさんに差をつけて帰りたいと思います」
アキコ「年齢もわたしが1つお姉さんですが その分、人生経験も勝ってると思いますので
そこを生かして私が勝ちたいと思います
それにさっきも1番だけ経験者のヒロコさんに勝っちゃいましたし
ヒロコさんにお相撲以外ケンカしたことないんですよね」


そして舞台を夕日の差し込む和室に移し
ヒロコとアキコは最初の浴衣姿で向かい合って座り
ちいさな鉢を持ち健闘を誓い合う乾杯を交わし
鉢にすすがれた日本酒を飲み干し
二杯目のお酒をお互いに掛け合い
少し浴衣から体が透けた状態で
組み合い
最後の戦いが始まった
立った状態での組合から始まり
体を密着させて組み合い
アキコが上になり
ヒロコが上を取り
転がりまわり
浴衣が脱げ
上半身裸の胸があらわな姿で
膝立ち姿での力比べに移行し
また転がりまわり
ヒロコとアキコは息を荒げながら転げまわった


この勝負は経験の差から
アキコに軍配が上がった


 お互いをライバルとして意識し合う二人は対決企画で頻繁にお互いを指名し合い
正面からぶつかり合っていくのだった


 

2014年4月23日水曜日

ラ 裸 螺(2)

日進女学院にこの春入学した千春はキャリアウーマンに憧れて、この学校にすすんだ
多くキャリアウーマンが所属した部活動と聞いて
千春もまた修道部の体験入部に行ってみた
最初 部の名称から 茶道とかお稽古事や作法の練習でもやるのかと思っていた千春だったが、その予想は大きくくつがえされた
先輩たちが部室に入ってきて
着替えたら
生まれたままの裸の姿で出てきて
思い思いに準備運動を始め

そして武道場の至る所で
取っ組み合いをはじめていったり
真っ裸で綱上りやバーベルなど筋トレに精を出す先輩もいる

そんな衝撃の中終えた体験入部初日だったが
千春はなにか不思議な好奇心のような気持ちに従い、二日目も参加してみることにした
二日目は前日60人ほどいた1年生が、衝撃的な活動風景にどうようしてか20人ほどにまで減っていた
二日目は千春たち体験入部の1年生もはだかになることを求められた

1年生たちはまだ自分のかごがないので用意された段ボールばこに衣服を入れ
恥じらいながらも生まれたままの姿になった

このあと1年生みんなで体操をした

最初は恥ずかしがってた千春たちも
慣れてきて徐々にはだかの解放感を感じ始めていた

そして案内担当の先輩が
大きな箱と紙を持ってきた
「これから1年生の大会種目 お相撲を体験してもらいます
今から一列に並んで渡す紙に名前を書いてください」


千春は
全員なにも身に着けずに裸という特殊な光景に
高揚感と違和感を覚えつつも
なんだか不思議な高揚感を感じながら同級生の列に並んだ


千春は自信を持ってた胸の大きさを見比べたり
いろんな体系のこがいるなと感じながら
あたりを見回しながら列に並んだ


見回してると
白人特有の透き通るような白い肌の女の子と
目があった
外国人は胸が大きいものと思い続けていたが
その子のものは千春より少し小さいというか
日本人の中でも小ぶりな部類に入るバストサイズだった
 


その子が番を終え布を受け取ると
自然と千春と目があい
千春は笑ってごまかして会釈した


この列の中の同級生と
これから競い合って
もうすぐ誰が一番か決まるのだ


千春の他の同級生も緊張の面持ちで細長い紙に自分の名前を書いて
引換に
少し古びた黒くて長い布を受け取っていた
千春も自分の番が来て
やるからには勝ちたいな〜
と考えながらマジックで紙に名前を書き、先輩に渡して
長い布を受け取った
長い布には
半分ぐらいの長さがあるマジックテープが縫い付けられており
これでどんな激しい取り組みにも耐えられそうにできていた


今日の1年生トーナメントの組み合わせは
少し特別な形にできていた


トーナメント表が3重になっていた


よこに二つ書かれたトーナメント表のを見ると
○○の敗者-○▽の敗者
とかかれ
横のトーナメント表にも同様のことが書かれていた


つまり1回戦で負けても
2回は戦えるチャンスがあるのだ


これは先輩や顧問の先生が
体験入部の部員の実力や特徴を見れるようにというシステムだった


つまり千春は一番取組数が少ない1戦目に勝って2戦目に負けたとしても最低2人と戦うことになるのだ






今日は3年生の先輩たちは
普段部活以外で学校にいる時のような制服姿で
見守っている


裸で1年生部員たちの世話を焼いているのは
2年生の先輩たち8人だ


メガネをかけた先輩による事前の説明が始まった
昨日はかけてなかったが
今日は自分たちはれんしゅうしないということで
メガネ姿に裸の先輩が備え付けの白板を前に話し始めた
だが説明は
簡単なあいさつと
ルールと大会説明
そして
長い布の着用方法の実演だけだった


そして
「この部では
創造の意思をはぐくむことを大切にしているので
技術や細かいことは教えません
だから、実戦の中で考えながら勝ち方を覚えていってください」
とのことだった
名前は知らないけど
細くて小さいメガネのあの人なら勝てるかなと思った


くじを引き終えた1年生たちは
3面用意された
マットに紐で円を敷いた土俵を
くじ引き通りに東西に分かれて座った


千春は西の5番のくじを引き
西に座った
東側に目をやり
誰が出てくるのかを
気になりながらも
ほかの同級生の取り組みを見守った


上昇志向が強い女子の集まりと言える
この部を志す1年生だけあって
目にした数番はどれも
激しい組付き合いばかりだった


そして千春の番が来た
<西がた緒方千春さん 東方 山田マーサさん>
呼び出しの先輩に読み上げられ
土俵の円の中に入ってみると
向こうに立っていたのはさっきの白人の女の子だった


女の子は
顔は笑顔を浮かべつつも負けん気の強さを目から讃えながら
寸分先に入って千春を待ち構えていた


千春は緊張の面持ちで土俵に入り
マーサとまなざしを交錯させ
土俵正面で出先輩に促され
例をして土俵中央に入った


そうして土俵中央で
もろ手をつきマーサとにらみ合った


『はっけよい のこった』


審判役の先輩の合図とともに


 マーサがものすごい勢いで組みついてきた
千春もなんとか組み止めたものの
勢いに押され
千春は土俵中央に仰向けに寝かされかたちで
勝負がついた


マーサは金色の長い髪をなびかせながらしたり顔で勝ち名乗りを受け


千春はあまりにも不様な負けに
赤面しながら体を起こし
次の取り組みにむけ体を起こし
隣の土俵に移っていった

2014年4月3日木曜日

ラ 羅 裸(1)

陽が落ち夕日が差し込み始めた
春の夕暮れの放課後
階段を地下まで下り
地下の闇の中で
煌々と灯りの灯る一室

入口のガラスのショーケースに
飾られた
盾の最下に自分の名前が刻まれてるのを確かめ
木下未久はこの鍛え合の間に
いつものように入っていった

ここは白鵬女学園
近年、政財界等の中心を担う女性を多く輩出する名門女学園である

この学校の校訓
追究
鍛練
競合

この3つの教訓を具現化した部活動として
この学校の志ある入学者から近年
人気を集める部活動として
修道部は存在する

修道部とは
女性武道家
小野龍華が考案した
格闘技の体験を通して
女性の自律心と向上心
創意工夫の心を育てる意図ではじまった
武道教育カリキュラムである
特徴としては
第一に
活動は女子の五感感覚の研磨のために
競技時は初学年が腰に布を巻く以外は裸であること

初学年は相撲形式
それ以降はレスリング形式
というように学年で種目が変わること
そして何より
安全のため
打撃技は禁止
など
安全のための数種類のルール以外は
ルールはほとんどないこと
だから
相撲は倒すか押し出したら勝ちで
レスリングは
相手を10秒以上地面に押さえ込んだら勝ちなのである
ビジネス界でも多数、この部の出身者が活躍している
この学校のこの部の出身者である
女性政治家
大河原国枝に憧れ
未久もこの部活動を選び
先週行われた
全国大会で初めての優勝を手にした
大会といっても
この部を置く学校は
全国でも日進女学院と白鶴女子
の3校のみである
また
個々の自律心と競争意識を育むという意図もあり
大会はすべて個人戦で行われ
団体戦は行われない

つまり
他校の部員のほかに
この部屋にいる
女子全員がライバル同士でもあるのだ

未久は玄関口の表札に手をかけた

大関 木下未久

優勝一回では変わらない位置だ

そして未久の表札の上には
横綱 横山ゆり

普段は未久とは親友のような関係であるが
この時間では
強く意識し合うライバル同士だ

実際未久とゆりは
同じ学校同士でありながら

各大会で
壮絶に火花を散らしあい
死闘を繰り広げてきた間柄だ
それでも
いつも僅差でゆりに勝利を持っていかれていた

だが 先週は初めて
未久がゆりに勝ったのだ

鍛え合いの間に入り
服を脱ぐと
ふたりは
あまり口を聞かなくなる

2年生までは先輩たちの壁をこえようと 二人で練習していたが
今では大会の度にどこかであたるので
部活動の時間はお互い
距離をおくようになってしまったのだ

2014年1月1日水曜日

オンナの習い事(2)

あけましておめでとうございます
昨年はどういう形であれ、私の拙いブログを見ていただきありがとうございます
今年も拙いながら気が向いたときにまた書いていきたいと思います
また気が向いたら読みに来てくれた幸いです

それにしても文章表現、上手になるには
どんな小説が参考になるかな

数週間たち
ようやくトレーニングの成果が出て
右の部屋での取り組みで勝もつきはじめ
一時期一番下にあったサトコの番付も
徐々に上に上にとあがりはじめていた

『第35代横綱 山岡ミエコ』

好調を維持し続けるミエコも
いよいよ3か月間番付最上位を守り続け
横綱と認定され
化粧まわし姿の写真が壁に貼られ始めていた
美しい裸体を湛えつつ化粧まわしを凛々しく巻いた
友の姿に刺激を受け

サトコもいずれは自分がと思いながら今日も
講座に臨んでいた

入れ替え戦の挑戦権のある
部屋内上位3人まであと少しというところまで
巻き返しているサトコと周りの講習生たちは
普段はにこやかに和気あいあいとやり
取り組みの時間も笑顔で臨むものの
お互いにライバルとして強く意識し合い
取り組みともなると
負けたくない気持ちを前面に押し出し
激しい張りの打ち合いや技の応酬が見られるようになっていた
激しさ余って講座後しばらくは顔を合わせても
お互い気まずくなって話もできないということもしばしばであった

サトコも今日最後の取り組みで
互いにライバルとして意識し合う中になっていた
猪田さきとの一番に臨んでいた

さとことサキは立ち合い
さっきまでの談笑はうそのようににらみ合い
合図とともにまっすぐに互いの身体に突進し 組付き合い

バチッと
激しい音をたてて取り組みが始まっていた

来週の入れ替え戦に臨むべく負けられない両者の
意地と意地が交錯する音

そして
互いに立ち合いでバランスを崩されることなくマワシを持ち合い
右にグイ
左にグイと

主導権を奪い合い

わずかに有利な体制になったサトコが
そのまま先の身体を地面叩きつけ
この一番の軍配はサトコに上がった

サトコが手を指し出しサキを引き起こすと
「サトコさん、来週、負けちゃだめよ」
とサキが声をかけ

サトコも「ええ負けないわよ 次は隣の部屋でやりましょ」
と返し
挑戦権を得た入れ替え戦への思いを新たにしていた