2014年9月4日木曜日

ラ 裸 螺(3)

 全国20校の学校で運営される女子だけの部活動、修道部は
元々 武道家であり教師でもあった女性の発案で創設された
その淑やかさが漂う部名とは裏腹に 入部した女子たちは互いに競い合うことを通して逞しさを身に着け
3年間を終える




 緑風高校 修道部ではこの春、入学したミハルたちが初めての合宿に臨もうとしていた
緑風高校修道部ではこの数年間 初年クラス 上級クラス含めて 優勝者はおろか
上位入賞者すら出ていない
〝個〟と〝個〟の対決を重んじ 団体戦の存在しない競技とはいえ
そのことを苦々しく思う空気が部にはあった


そして この夏休み
緑風高校修道部は毎年恒例の合宿に臨んだ
部の上級生たちが話し合ってメニューがかなり強化された


そして Aクラス Bクラスという振り分けが始められるということも決められた
部員40人を擁する修道部では 修道室は練習場所に狭すぎるので


1軍2軍に分かれて活動しようという試みだ
そしてAとBは月1回入れ替え戦を行うことにより
まんねりを打開しなおかつ 部員同士の競争意識を鼓舞しようという試みだ


東堂ミハルは1年生の中で言うと真ん中ぐらいでAかBか微妙な位置だ


一緒に入部した赤羽メグミとは特に仲がいいが
それ故に1番負けたくない相手でもあった
メグミも番付的にはミハルとおなじくAかBか微妙な位置であった
また 同じ学年には 学年内番付1位のナナエをはじめ
秋の新人戦で上位入賞が期待される同級生も何人かいた


この7日間の合宿では
試合の結果だけでなく遠泳やビーチフラッグダッシュ等
あらゆるメニューの優劣でもポイントが付き
試合の結果と合わせて振り分けが行われることになっている


ミハルは着替えや相撲のまわしなど必要なものをおおきな鞄に詰め
明日からの合宿に思いをはせた


40人の部員を乗せたバスは海沿いのホテルに泊まった
部屋は全員に個室があてがわれ
いかにも個を大事にする部活という感じだった


初日は部屋で支度を済ませると
そろいのTシャツと短パンで明日からの戦いの場となる
砂浜まで軽く走っておわった
その砂浜は学校が買い上げた関係者以外入れないゲートと高い壁で区切られた場所になっていた