2022年12月31日土曜日

澤田リカコ34歳 子供3人

リカコは国の専業主婦を対象とした給付金政策で
仕事を辞め
専業主婦になった

そして
ある日

裸にまわし1枚の女たちが
取っ組み合って相撲をとり
 
勝った女が
賞金の封筒をわが子に手渡し
子供と喜び合う

ママさん相撲のプロモーション動画が
YouTubeが目に止まった

さらには
その日
入賞した女性たちが
その日賞金としてもらったお金を
自慢げに
扇のように広げてはためかせるシーンなどが映っていた
 



特に相撲が好きとかでは
無かったのだが

その他にも

ママさん相撲の選手に密着した
動画なども見て

なんとなくママさん相撲をやりたいと思った

学生時代に打ち込んだバスケットボールで

ボールの奪い合いに強く

相手をボールの奪い合い最中になぎ倒したことも何度もあったので


フィジカル面の強さにはどことなく自信があった 


車で30分ほどのとこに練習場がある 
山城クラブが
新入部員募集しているということなので
ホームページから応募した

応募したからと言って入部ではなく

入部テストを経ての入部となるということのようだ



りかこは
通っているジムのエクササイズの
相撲の講座を受講し始めた

講座は平日の昼間だったので
主婦ばかりの講座だった

男性の講師が指導し
普段トレーニングで着用している
Tシャツに短パンなどの上から
ママさん相撲専用のまわしを着用し


まず最初に相撲健康体操を行い
そのあと四股を踏み

すり足を行ない

希望者のみ
取り組みの時間に入る

取り組みの時間
様々な女性と
組合ながらかけひきをし 
様々な技をかわし

また
自分も掛けてみて
という時間は
りかこには非常に刺激的で
りかこは相撲の奥深さに魅了されて行った

何人かは
りかこと同じく
ママさん相撲クラブの
入部テストを受けるという人も居た

ジムの関係者や男性講師に
専用の講座を作ってもらうように

掛け合った

ママさん相撲ということで
女性が裸にまわしで相撲を取るということで

最初は男性講師などから渋られたが

りかこたちの熱意にほだされ

次第に
熱の篭った指導をしてくれるようになった

この講座が始まる前からも
りかこは夫に頼み込んで
練習相手になってもらったりしているが

女性同士で直に肌を合わせて相撲をとると
組み合った時に肌の温度を通して伝わってくる
互いの気持ちの昂りや緊張感など

裸の女性同士ならでは強い感じ方をする


そしてそれが
子宮と子宮から発せられる闘争心をぶつけあう
女同士の勝負を楽しむ感じ

着衣の相撲とはまた違った熱いものに感じられ

りかこを相撲に対してさらに惹きこんでいった


このジムでの特別な練習を通して
若草クラブへの入部を目指す稲森さゆり

梅小路クラブに加入を目指す岩橋まさこ

夫の転勤により宮津クラブへの入部を志望する
石毛みつこ
とはその後も連絡を取り合う仲になっていった








そして
山城クラブの入部テストの日を迎えた

「澤田リカコ 27歳  学生時代はバスケットボールをやってました。
フィジカルコンタクトには自信があります」

「山本レオナ 27歳  2年前までキックボクシングやってました
首相撲に自信があるので
次はお相撲をやってみたいと思い
今回、挑戦させていただきました。
よろしくお願いいたします。」

日を同じくして入部テストを受ける
山本レオナと初めて顔を合わせた。

さすがに元々キックボクシングをしていた
だけあって
細身ながらも筋肉ののった体つきをしていて

バストもしっかりつきだしている体つきをしていた



クラブのエース格の戸坂さとみの指導をうけながら
四股や股割りやすり足などの練習をこなし

鉄砲で張り手の練習などをしながら先輩たちの申し合いを見学した


そして
テストも大詰めで
レオナとりかこの
取り組みになった

まわし姿で向こうの仕切り線に居る
レオナ

さっきまでは
和気藹々と談笑しながら
練習メニューを、共にこなして来たが
恐らく勝った方が
このクラブへの入部の権利を勝ち取るのだろう

そう感じて
りかこは燃えた

立ち会い

審判役のさとみの合図とともに

りかこはレオナに組み付いた

レオナの張り手を封じたかった狙いもあったが
組み合った時の力比べに自信のあるりかこは
レオナと力を競いたいと思い
りかこはレオナの懐に飛び込み互いにまわしを掴み合い組み合った
組み合った時に
レオナの筋肉質な割にしっかりと突き出た
お尻や胸の感触を感じ
こんなモデル体型の女には
相撲で負けたくないと
りかこはレオナの廻しの
両腰の当たりを掴み

レオナもそれに答えて
りかこの廻しをしっかり掴み
力比べを受けてたった

3分程にも及ぶ力比べは
りかこが意地でレオナを押し出して

大一番を制した

ふと
りかこが安堵したのも束の間
「さあ、次よ
トーナメントは何番もお相撲をとるし
団体戦は勝つと矢継ぎ早に次の1番なのよ
さとみの激とともに
次の1番を促された

次の1番は

組みつこうと下ところ

突っ張り1つで間合いを外され

突っ張りを何発も繰り出し会う
始まりになり

最後は手押し相撲のように

バランスを崩したりかこが地面に転がされる形となって
レオナに軍配が上がった

さとみはまた次の1番を促してきた

次の1番はしばらく張り合いつつ
組合に持ち込み

わずかのスキをついて
りかこが大外でレオナを投げ飛ばし
りかこが勝った

また
さとみが次の1番を
促し

今度は最初組み合っていたところを
レオナがりかこの右足を掴みあげ
りかこの踏ん張りも虚しく
りかこを地面に転がした

こうして
10番ほど続けて
りかことレオナは
一進一退で
対戦し続け

ようやく
さとみから

この三番稽古の終わりが告げられた

そして
監督の平野レミから
「2人とも合格よ
この段階で何番もお相撲とれるスタミナがまず素晴らしいわ 
手数の豊富さも感動したわ 」
労いの言葉と共に合格を告げられた
そして
「でも、来週の団体戦に出てみたい人にこれから特別の練習あるんだけど
2人ともどう?」

と尋ねられた

りかことレオナは
高揚感のまま
その練習を志願した

すると
廻しを脱いで
全裸になり
手渡された下着のパンツ1枚の姿になることを指示された

「うちのクラブではたまに練習にMMAを取り入れているの
闘争心を養うというのもあるんだけど
女子相撲もそうだけど
女同士のお相撲って
男性のお相撲よりいろんな技がでてく るから
いろんな闘い方に柔軟に対応できるようにって
意味を込めたの」
そうさとみから説明された

「もちろん、これに勝った方が
来週の団体戦のメンバーよ
MMAとは言うけど打撃はビンタだけにしてね
その渡したパンツを脱がした方が勝ちよ」


と  
ルール説明のもと
レオナとりかこの取っ組み合いのような特別練習が始まった

りかことレオナは互いに頬をビンタしあい
闘い始めた

そして
組かかろうとするりかこの手を
レオナが強く叩いて
止め
 懐に潜り込んで片足を取りに来るレオナを組み止め

得意の組合に持ち込み
レオナを押し倒して
レオナの上に乗り


上から怒涛のビンタで体力を消耗させて
パンツを取ろうと考えていると
すかさず
レオナは上下入れ替えてきて

レオナとりかこは転がりながら
上に下にと
体制を入れ替えながら組み合い

最後は
一瞬の隙をついたレオナが
りかこのパンツをぬがし

来週の団体戦メンバーを勝ち取った


下の子とお風呂に入ると
子供には
なんでお母さんの体
そんなに赤いん?
驚かれた

それでも個人戦で当たった時
この雪辱晴らそうと
りかこは心に近い
自宅でのトレーニングや
ジムでの練習に熱が入るのだった


そして
迎えた初めての大会

個人戦では
相手の気迫に圧倒され
1回戦で敗れ

団体戦は最初
メンバーの負傷などに備えて
廻しはつけつつ
サポートについた

レオナは
先方として起用され

いきなり
最初の試合で2勝をあげ
クラブの勝利に貢献した

そして

次の試合の若草クラブ戦では

中堅に入ったメンバーを温存するため
りかこが次鋒で起用された

まさかこんなにも早くと
正直
困惑している自分もいた

この若草クラブ戦では
メンバー構成が変更され
れおなは副将の位置で起用されていた

そして
りかこの初めての
団体戦の土俵を務める時がやってきた
向かい側からは
共にジムで練習する稲森さゆりが
入ってきた

若草のゼッケン入った廻しをつけた
さゆりを見て

言わば同期同士なのでより負けたくない気持ちが強くなった


さゆりとのこの対戦では

何発か張り手を
肩や頬や胸に当て合い
互いに踏み込みながらバランスを崩し合い
そして組み合い

一時は拮抗し
互いに負けたくない意地をぶつけ合い
膠着した状態に入ったが

寸での差で
さゆりが
りかこを土俵際で押し出した

りかこは負けた悔しさで涙した


そして
それから、しばらく
りかことレオナは
団体戦の前などは
ほぼ必ず三番稽古で対戦するようになった


たまにりかこが、勝って

メンバーに入ったりはするも
れおなの活躍は輝かしく

個人戦などでは

頻繁に全国大会に顔を出したり
するようなり

京都府のママさん相撲の若手の有望株として
名を上げて言った

りかこは
レオナが貰った優勝商品の真新しい車をみて
悔しさで唇を噛み締めるなど

そんなライバルの存在に刺激を貰いつつ
強く嫉妬心を抱きながら
りかこも実力をつけ

常に団体戦メンバーに入るまでになっていった

それでも
個人戦では勝ちきれず

あと1歩のところでれおなと個人戦で対戦し
全国大会を逃すということもあった

それでもいつかはと
強い気持ちを持ちつつ練習した

そして
りかこは新たに
子供を身ごもり出産し

その年を子供を産んだ母親達だけのママさん相撲の大会では
無類の強さを魅せて優勝を飾った

それでも

府内屈指の実力を身につけたレオナにはなかなか歯が立たない日々が続いていた

それから
監督としてもチームの役割をこなしていたさとみの引退が決まり
レオナがその後任に決まった

そこでもやはりレオナなのか
という悔しさで
頭をもたげたが

久しぶりのクラブとしての団体戦の全国大会前のメンバー選考で
れおなに勝利し大将の座を勝ち取り


また
この、大会で
団体戦としても久々に
全国で上まで勝ち上がり

自信をつけ

ここから
りかこの大ブレークが始まり

京都府大会での決勝などでの
れおなとの同門対決に勝つことも増え

りかこの名は
京都が誇る
遅咲きの大横綱として
全国に知れ渡るようになった



2022年12月8日木曜日

山本レオナ 34歳 子供2人

レオナは参加するママさん相撲クラブの監督である戸坂さとみに連れられて京都府庁を表敬訪問した

山城クラブの団体戦メンバー5人と個人戦で山城クラブのレオナとあやめを除いてベスト4入りした2人と監督のさとみという、面々で
相撲競技:家庭婦人の部:国体京都府代表チームとしての訪問だった。


「さっきの女子相撲の皆さんはレオタードにまわし姿だったんですが、
山本さんたち同じ女性の相撲なのに裸にまわしなんですね
時折、新聞で見るけどやっぱりインパクトありますね」
「元々、美容目的で始まったエクササイズがスポーツになって国体種目にまでなってしまったので、こんな格好なんです。
素肌でお相撲やる方が美容にいいとかで」
「それにしても、映像の取り組みは張り手やぶちかましが多くて激しいですがお怪我とかは大丈夫ですか?」
「取り組みのあとは身体が真っ赤に腫れたりすることはよくあります。
あと口の中はよく切れてます。
でも
骨折とかはあまり聞きませんね
みんな
子育てのための養育費とかの足しにしたくて
必死でお相撲しちゃうので
アドレナリンで怪我しないのかもしれません」
「ははは、それは、逞しいお母さんたちで
お子さんは頼もしいでしょうな」
「だといいのですが
家での鬱憤が土俵で出ちゃうんですかね。
私たちも土俵で対峙したり
まわりで見てて。
お母さんの強さ逞しさに元気づけられることもよくあるんです。
子供の前でいいとこ見せたいのも力になりますし」
「お母さんが元気なのはいい事です
ぜひ、国体でも健やかなご活躍を祈ってます。」

知事たちと地元テレビ局がニュース番組のコーナー用にまとめた映像をバックに談話し
記念撮影を終えてから
支援金の目録を受け取った
お金自体は
相撲連盟の京都支部に振り込まれ
国体の旅費や宿泊費にあてられたり
個人、団体それぞれの選手のクラブで
経費に宛てられたりする

レオナが
府知事などからの質問等などに答える

前回に国体に出た7年前は
この役まわりをさとみがやっていた。

そしてレオナはようやく団体戦メンバーに名を連ね始めたころで
わけもわからず
その時の監督やさとみに連れられ
府知事に表敬していた。

それから
数度
個人として国体に出た際は
山城クラブは団体としては京都府予選で敗退していたので
別のクラブの人達と一緒に
この表敬に来ていたので久々に
自分のクラブと表敬に来れて
レオナは今までより落ち着いた気持ちで
訪問を終えられた。

そして
他の相撲クラブの2人と別れ
そのまま
山城クラブがいつも使う相撲場のある運動公園の映像ルームで
今回の全国大会に出てくるクラブなどの
映像をさとみと観て
作戦を話し合った

それにしても

ママさん相撲は
打撃系の格闘技かと見紛うほど激しい
取り組みが増えた

給付金加算対象になり
自治体主催大会などでは
1取り組み毎に大相撲の懸賞金のような目録給付金が着くようになり

昨今の某素人参加型格闘技番組の流行も相俟って
張り手かちこみやぶちかましなどが多用されるようになった

いまの広島大会の決勝戦の大将同士の取り組みも
片方のエルボーのようなかち上げで始まり
1度組んだかと思えば
相手からの張り手が頬に命中し
それに怒ったかのように胸に強い張り手をあて

頬や肩や胸に激しく
張り手を張り合う壮絶な一番だった
最後は
ぶちかましを受けた方が
上手投げで相手を投げ飛ばして終わった

レオナはこの大将同士の鬼気迫る1番を見て
改めて全国の団体戦を戦うことの覚悟を思うのだった。

そして
予選でメンバー外だった
かよことめぐみの大会での成長を
肌身で感じた
さとみの方針により

団体戦メンバーはまた
クラブ内で
総当たり戦などをして決め直すことになった。
個人戦でめぐみと対戦したレオナも大いに納得した。

しかし
よく聞くと
このクラブのムードが高まってるのを機に
チームの底上げをはかるねらいがあるのだという

おもえば
さとみが監督に就いて7年
いい時も悪い時もチームに寄り添って
作戦を練ってきた

団体戦のメンバーを1回戦と2回戦で
ゴロっとかえたり
たまにグラウンドで陸上短距離の練習をする日があったり

ボクシングやMMAを習いに
格闘技ジムに通った時期もあった


さまざまなことを試したりしてきた

よかったものも、そうでなかったものもあったが


今回もさとみには何か考えがあるのかも知れないと思った



山城クラブは表敬訪問の日から10日間の休養期間を設けた


休養に充てる者

様々なトレーニングに励む者

別の府県などの大会に参加し
技を磨く者など

思い思いに過ごし
久々の山城クラブとしての練習に集まった


クラブ内の総当たり戦をしてメンバーを決めるということは
予め
クラブのLINEグループで通達されていた。

そして思い思いに廻しを締め込み
ウォーミングアップを終え
取り組みが始まった


選手としては最後の大会に賭けるさとみと
レオナが期待をかけて育ててきたかよの一番から始まった


低く潜り込んできたかよとそれを組止めて受け止めるさとみ
かよに下から振り回されながらも
最後は意地で投げを打ち
かよを地面に転がし
さとみが貫禄を魅せた


そして続くめぐみとの対戦は
正面から組み合う格好になり

右から左から投げをタイミングを探り合い
最後は
さとみが隙を着いてめぐみを投げ飛ばし

さとみにとっては
こないだの個人戦の雪辱となる
かよことの対戦になった

冒頭にかよこからの激しいぶちかましをくらい
バランスを崩したところで

何発も浴びせてきた張り手に
さとみも応戦し
張り手のうちあいになり
最後はまわしを掴みあって
投げの打ち合いにもちこみ
力づくでさとみがかよこを投げ飛ばして
雪辱を果たした。

そして

きみかとは
正面から組み合って
力比べの末
さとみが意地を魅せ

そしてりかことの対戦では
さとみのスタミナの消耗をみた、りかこから
激しく張り手を浴びせられ
さとみもこれに張り手で答え
たがいに頬に  溝落に
胸に張り手を張り合い
そして
組み合い
互いに投げに持ち込んだところをりかこが競り勝ち
さとみを地面に転がした。
レオナとあやねの陰に隠れていたりかこが意地を見せた1番となった
りかこは鬼気迫る張り手で
あやねを土俵に沈め

レオナとの対戦も

ぶちかましからの
張り手応酬で圧倒し

勝利し

りかこは全ての取り組みで勝利を納めるという圧巻の内容で

団体戦の大将の座を勝ち取った


かよとめぐみの
ライバル対決も
白熱した
序盤から激しくビンタを押収し合うような
張り手を浴びせ合い

激しく
組み付き合い

最後は
めぐみがかよに組み勝ち
投げ飛ばして
こないだの雪辱を果たした。

ママさん相撲が
ビンタ相撲とあだ名される所以を体現するかのような
激しい1番だった

そして
それから数回

クラブで
全国大会に向けて
調整を重ね

最後に
団体戦のメンバーが発表された

今回は
りかこの急成長や
チーム全体の底上げを図る狙いもあり

個人戦に出る
レオナとあやねは

メンバーから外れた

そして
かよも
残念ながら
メンバーから
外れた

それから
みんなで
広島大会の団体戦の決勝や
神奈川大会の決勝などを全員でみて
その日の練習は終わった。

ボクシングか何か打撃系の格闘技と見間違えそうなような激しい取り組みが多く
何度観ても
この相撲が
子を持つ母親同士が
裸にまわし1枚の姿で
繰り広げていることに

同じ子を持つ母親でありながら

母の強さというものを
感じずには
居られない気持ちにレオナはなった

そして
この全国大会が終わると
自分がそんな母親たちを束ねる立場になるのだと
レオナは気持ちを新たにした。


さとみの団体戦での采配は
初戦を勝つと
メンバーの疲労やコンディションを考慮して
次戦で大きくメンバーを入れ替えることもある
采配なので

かよもレオナもあやねも

団体戦の準備は抜かりなく
行った



レオナとあやねは
個人戦が行われるので先ノリで新幹線に乗り込み
今回の国体の開催地の千葉県に向かった

前日の夕食会で 競技説明と対戦相手を決める抽選が行われた。

初戦は
高知県の 稲代ふみことの対戦が決まった

そのまま 対戦相手のふみこと
レオナとふみこの子供たちと一緒に写真撮影を
行う
対戦相手とだけでなく
その子供たちとまで
記念撮影が行われるのは

国体ならではで

この撮影をやる度に
複雑な気分になる

そして
翌朝
レオナは
子供たちを連れてタクシーに乗り込み
指定の会場に向かった
予選は4会場に別れて行われ
あやねや他のふたりとはそれぞれ別会場になった


そして
迎えた初戦の土俵

紫の布に黒く京都ととプリントされたゼッケンをつけたまわしを締め込み
2人の子供たちを抱きしめてから
上った土俵で

高知のゼッケンの回し姿のくみこと
相見える

その後ろには
くみこの子供たちが見守る

昨日和気あいあいと写真に納まった
家族連れの子供たちに見守られながら
その家族の母親と相対する

ママさん相撲の
厳しさを感じる瞬間である


それにしても

きのうのスーツ姿から
裸にまわしすがたになると


相変わらず身体の印象が変わる
今日のくみこの場合だと
昨日スーツを着ていた時は
小太りの印象を受けていたのに

マワシすがたになると
スリムで

胸が大きく

体のクビレなどもしっかりある
整った体つきをしている。


  
















  仕切り線に手を付き
くみこと視線を交し
レオナの初戦が始まった

挨拶程度に二~三発

頬や肩などを
張り合い

レオナとくみこは
組み合った

レオナの左手とくみこの右手が
互いにまわしを掴んだ状態で組み合った




もう片方の手の主導権を
対戦相手の栗色の髪の若い母親と奪い合ったが

経験の差で辛うじて
レオナが
制して

くみこを地面に叩きつけた

そして

戦いが終わると
栗色の髪のおんなが突っ伏していいるのを見遣りながら


勝ち名乗りを受け

懸賞金の入った封筒を受け取った。

そして
何番か
勝ち進み

迎えた
今日最後の取り組み

土俵の正面には

神奈川と刺繍された廻しの女性が
娘となにか話してから

土俵に上がってきた

レオナも子供たちを抱きしめてから
土俵に入った

対戦相手は
湘南クラブの岩田ゆりこ

二色浜相撲クラブの石黒富子と幾多の名勝負を繰り広げ
共に
長年、神奈川県のママさん相撲をリードし続ける存在

そんな女性と久々に土俵上で相対した

試合は序盤から

激しい張り手の応酬で始まった

張り手は
鼻先や頬や 肩などに乾いた音を立てて炸裂し

廻しをつかみ合わない組合に
移行するも

どちらかが優位になると

頬に強い張り手が入り

またどちらかが優位に立とうとする
頬に張り込まれ

そして
勝負は
正面から廻しを両手で掴みあっての組合に持ち込まれ

上手く誘い込んだレオナが
ゆりこを土俵に沈めて勝利を収めて

翌日の準決勝に駒を進めた。

そして
準決勝の土俵にいたのも
神奈川のゼッケンの女


今日の対戦相手は
川本こはる
二色浜相撲クラブで
石黒富子の直弟子として
頭角を現し

こないだの神奈川県の決勝戦では
その石黒富子と容赦ない張り手合戦の末
失神させ
土俵に沈めた
そういう苛烈な相撲スタイルの
赤髪ショートヘアの女性

何度か二色浜相撲クラブのYouTubeに登場している

レオナと年がひとつしか変わらない女性


レオナは俄然燃えた
レオナとこはるは
互いにぶちかましをぶつけあいながら
取り組みに入り

その後

張り手をかいくぐって
組合に持ち込んだ

強豪 二色浜相撲クラブと古豪の京都山城クラブ
の次期監督を託された2人の体の強さを競う形に持ち込まれた
この対決は

身体をがっぷりと密着させた状態で
組合

気持ちの強さの差で
レオナが勝利を収め

決勝戦は
鹿児島の選手と対決し
さっきの対決で
精魂つきたレオナが 
押し出され
この国体はレオナは
準優勝で終えた

翌日からの団体戦は
個人戦の疲労もあり
レオナは出場せずに見守った

最後の大会となったさとみも

最後に
長年のライバルの石黒富子と対決できて
満足そうだった


そして
監督と選手の2足の草鞋にもすっかり
板についたとき

若い選手の力を把握するために参加した
奈良県の大会で
自分も調整のためにエントリーし
何個か勝ち上がって
土俵にあがると

対戦相手は
さとみの娘の直子が上がってきた


なおこの鍛え上げられた美しいまわし姿の肉体を見て
レオナは時の流れに感じ入るのだった。

2022年11月3日木曜日

日本拳法女子

めっちゃいい 


https://www.youtube.com/watch?v=Cx489gfelNk

2022年11月2日水曜日

倉野直子 27歳 子供1人

「はっけよい のこった」
審判の女性の合図で直子は仕切り線を蹴りだし
土俵で対峙する女にぶちかましを浴びせ
相手の女と何発か張り手を打ち合ったあとに
まわしを掴みあって
組み合った

敵として対峙した女の
殺しに来んばかりの圧力と執念感じる
そして
相手の女の息子も
女に声援を送る

だが

土俵のそばでは
愛娘のさやかが見守る
負けられないと思った。

同じように子を持つ母親同士が
裸にまわしのみ身につけた姿で同じ土俵で
相対する。
そしてすぐ傍らに、守るべき我が子が見守る
緊迫感
この重圧で全身の血潮が沸き立つ感じを求めて、直子はかつて自分の母が居た土俵に帰ってきた
直子は相手と組み合いながらそう感じた。

相手の女と必死に組み合いながら
右に左に身体を揺さぶり

互いに
自分の得意の形へ
持っていこうと
探り合った

そして
また
直子は相手と両肩を合わせて
こんどは身体を前後に揺らし

かつて、母親のさとみが得意とした
誘い込みで
相手の女の間合いを外しを土俵に沈めた

負けた女の息子は涙を流しながら土俵を見つめる中

直子は勝ち名乗りを受け

白い服の審判の女性から
懸賞金の封筒を受け取り

土俵を降り、封筒を手に娘を連れて
自動販売機に向かった

封筒をビリッと破って
娘の大好きなりんごジュースを買ってやると
勝った快感、そして
守るべきものを守り抜いている充実感に
心が躍るのを感じた。

そして
娘をみて小学生のころの自分を思い出し
また、母との幼き日の思い出にひたるのであった。

直子は子を持つ母親にしか許されない土俵の最初の一番を務め終えた。

自分の母、戸坂さとみも
勝ち名乗りを受けたあとはこんな感じだったのだろうか

そして
今日の参加者8人との総当り戦形式の
7番の相撲を取り終え

3勝4敗で初めてのママさん相撲の大会を終えた。

初めてママさん相撲の大会に参加して
負け越した悔しさはあるが
ものすごく心の底から充実した
ものを久々に感じる自分を
直子は感じた。

そして娘と観客席で黄昏ていると
「直ちゃん、お相撲はじめるん?
うち入って欲しいわ。
取り口があんたのお母さんとそっくりで
審判しながら見てて
なんか嬉しかったわ」
と声がした
取り組みで白い服を着て審判を務めていた女性が
私服に着替えて
最初の対戦相手の女と立っていた
相撲に夢中で気が付かなかったがその白い服の女は直子の母親仲間の
吉村さおりだった
子供の子供会つながりで
参観日や保護者も集まりでたまに話す程度だったが
まさかママさん相撲にも参加していて
母のさとみの知り合いでもあったとは
世間は狭いと直子は思った。
「うちの母をご存知だったんですか?」
「ご存知もなにも
すごい有名な人やからな
今までもそっとしとこ思って
知ってたけど言わへんかってん。
あんたのお母さんの引退相撲もお相撲とってへんけど
うちの前の監督に着いて行ってたし
それまでも2回、お母さんと対戦したこともあったんよ
引退しはる間際で盛りすぎてて
一勝一敗やったけどな
なあ、直ちゃん、
もしこのお相撲始めるんなら生駒でやらへんか
横におる亮子も
直ちゃんと是非もっとお相撲したい言うてるねん」
「私も亮子さんともっと勝負したいと思ってました。」
「なら!うちきいや。
練習でも大会の個人戦でもいっぱい
亮子と勝負できるで
あと、うち、直子ちゃん入ってくれたらちょうど5人になるから
いきなり団体戦に出れるで
あんたのお母さんとこやとこうは行かれんやろ?
な、入ってや」

直子は
山城クラブ内での団体戦メンバー争いの厳しさを思い出した。

「それはすごく魅力的ですね。
是非、もう少し考えて決めさせてください」

それから
いろいろ考えながら
直子はさおりに
陸上競技との掛け持ちのことなど
いろいろ相談した末に
生駒クラブへの加入を決めた。

初めての土俵で激しく火花を散らした 
薬師寺りょうことは
土俵では無二の親友のように仲良くなり
それからも土俵にあがると
ライバルとして
練習や個人戦では激しく火花を散らして競い合い高め合う間柄となり

亮子とふたりで練習や個人戦での激しい取り組みなどで鍛えあった結果
生駒クラブは奈良県内では
時折
団体戦で一強状態だった
若草クラブに勝って 
全国大会に出ることが起き始め

個人戦でも
亮子と直子が決勝戦などで優勝を争ったりするようになり 
焼津クラブや二色浜クラブや大阪古市クラブなど
全国の強豪クラブとも
互角以上にたたかえるまでになり

大阪に近い事で人数
を揃える事も苦労していた
生駒クラブを一躍、全国区に押し上げる存在になって行った。

そして
今まで
姉のように慕っていた山本レオナや
山城クラブの面々とも
とある大会の個人戦で直子がレオナに勝ってから
ライバルとして激しく意識し合うようになっていった

そして
いろんなところで
母である戸坂さとみの話をされ

母の偉大さに驚いていくことになるのだった

さとみは
国の少子化対策の専業主婦であることを
条件とした給付金政策が始まると
仕事を辞め、専業主婦になった
やがて、ストレス発散や美容目的などで相撲を始め
京都を代表する
ママさん相撲の選手になった。

そして直子が小学校高学年になる頃には
ママさん相撲の競技参加者の出生率の良さを喜んだ国や自治体が競技参加者への給付金の割増や
各一番の勝利者への懸賞金の配布を始めるようになった。
これでお金目的の参加者が増えるに比例して
組み合って力比べや押し合いが主流だった
ママさん相撲でも張り手やぶちかましが増えるようになり
より格闘技のようなな雰囲気が時に
土俵のまわりに流れることも増え
取組後のさとみの身体も
赤く腫れることが多くなった

さとみは
高学年になっても
時折
大会の日には
会場に顔を出した

さとみは調子よく
相撲に買っていると
景気よく懸賞金の封筒を何個か一度に直子にくれた
そのお金は直子のすごくイイお小遣いになった

まわりにも
母親の相撲を見に行く理由を
表立っては
お小遣い欲しさと
話していたが 

本当は
ママさん相撲の土俵に臨む母親の姿が
大好きで
高校生にあがって、さとみがママさん相撲を
引退するまで
部活がない日などは時折
さとみの相撲を見に行き続けた。

直子は相撲に励む母を見て
女子相撲を始めようか考えたが

母親への照れなどもあって
結局
中学からは陸上の短距離種目を始めた

たまに家で母親と相撲をとっていたり
したこともあり
出だしなどのスピードに強くなり
高校生で国体に出たこともあった。

そのときは
同じくママさん相撲で国体に出たこともある母親との親子鷹として
新聞の記事になったこともある。

そして

大学を卒業し社会人になっても
学生時代から続けてきた陸上の200メートルは続けてきた
たまに開催される社会人のアマチュアの大会にエントリーし
これに向けてトレーニングに励む

そのトレーニングの一環として
母親のツテでママさん相撲の練習にも
大会のない時期に参加している。

母は山城クラブでかつては全国大会の常連選手で監督も勤めた、ママさん相撲の名選手で
一時期は低迷したクラブを総監督として建て直した
ママさん相撲の名指導者としても
界隈では名を轟かせた

そして
その母親の愛弟子で
姉のように慕う山本レオナらと
相撲の練習に励み
相撲の実力も
クラブのエース格のレオナやきみかと互角に渡り合えるまでになり
「直子に子供がいてたら
エントリーさせて
大会に出させられるのになあ」
レオナから

こぼされるほどに実力をつけた

でも
直子からすると

相撲の立ち会いの瞬発力や闘争心などが
陸上競技のスタートなどに活きるので
そのために練習に参加している 

そんな程度のつもりだった

未婚ではあるが 
直子も周りの既婚女性たちと同じく
裸にまわし姿で相撲をとる

そんなあるとき
直子は兼ねてより交際してきた会社の男性と結婚し
奈良の生駒市に移り住むことになった。

結婚後もしばらくは
同じように
陸上競技の傍ら
山城クラブの練習にも参加していたのだが

やがて子供ができると
給付金政策により仕事を辞め
専業主婦となった

そして
陸上競技の大会にも折を見て参加し続ける傍ら

たまたま
家にあった
廻しを久々に締めこんでみて思い立ち
生駒市の小さな大会に参加したのをきっかけに
直子も母と同じくママさん相撲の世界に身を投じていくことになった。

最初に練習相手になってくれた夫のケンヤは
そんな直子に最初は戸惑ったが 
次第に直子の相撲に理解を示して応援してくれるようになった
また
妻と共に裸にまわし1枚の姿で練習相手として直子と相撲をとる時男である自分が女の直子に相撲で負けて悔しくて
本気で直子との相撲を取るようになり
普段の日々の営みとはまた違う形で
妻と肌を合わせてから 
日々の営みに入る流れに
性的な快感を覚えるようになり

また、相撲の美容効果で
日に日に美しくなる直子の虜になり

また、人間として互いに信頼関係がより深まり

倉野家は
永く夫婦円満を築いていくことになった。



2022年10月23日日曜日

井川しおり30歳 子供2人

わたしのおかあさんはママさん相撲の選手です。
わたしが幼稚園のころ
まほちゃんやさとしくんのお母さんと
温泉に行くと
よく
お母さん同士でお風呂用のエプロンを腰に巻いてお相撲をとって遊んでいました。

いっぱい勝った日はなんだかうれしそうで
いっぱい負けた日は
なんだか悲ししそうでした。

ある日から水曜日と金曜日は
お母さんはお稽古事があると行って
家に居なくなりました。

日曜日もたまに
私をお父さんやおじいちゃん、おばあちゃんの家に預けてお出かけするようになりました。
 
たまに日曜日に
お父さんと車で大きな公園にお出かけするようになりました。

大きな公園に行くと
お母さんやまほちゃんやさとしくんのお母さんが
はだかにお相撲用の大きなパンツを履いて居ました。


他にもはだかの女の人達が
お相撲の大きなパンツをはいて
土俵の周りの椅子に何人も座っていました。

お母さんたちのお相撲大会のようでした。


着いてしばらくすると
お母さんたちの出番がくると
お母さんはまほちゃんのお母さんとさとしくんのお母さんたちと
一緒に並んで座り

勝つと
一緒に喜んで

応援していた
お父さんもさとしくんやまほちゃんのお父さんと喜んで


負けると
悔しがったりしていました。

そして
終わると
買った時にもらった封筒からお金を出して
ジュースとかを買ってくれました。

負けると封筒はないので
お相撲のあとはなにも買ってくれません。

そして
お昼ご飯のお弁当を
まほちゃんたちやさとしくんたちとそのお母さんたちとみんなで食べたあとも

またお相撲が始まりました。

お母さんは
私をギューッと抱きしめてから
土俵に行きました。

最初はお母さんたち同士やお父さんたち同士で
話していたのですが

私のお母さんはまほちゃんやさとしくんのお母さんと順番こでお相撲を取らなくなりました。

そしてお母さんたちがお相撲を
何回か取りました。

さとしくんのお母さんがお相撲に負けると

とても悔しそうなさとしくんのお母さんをさとしくんのお父さんがなぐさめて
さとしくんのお家の人だけ帰っていきました。

それから
わたしのお母さんとまほちゃんのお母さんの
お相撲になりました。

お父さんたち同士がさっきより全然、話さなくなりました。

わたしのお母さんとまほちゃんのお母さんは
「まったなし、はっけよい、のこった」
合図される
パチパチとケンカみたいに激しく叩き合い
そして
2人の自慢の大きなお乳を潰し合うような勢いで抱き合い

お母さんがまほちゃんのお母さんに土俵の外に押し出されて負けてしまいました。

勝ったまほちゃんのお母さんは
とてもうれしそうで

負けた私のお母さんは悔しくて泣いてしまい
お父さんになぐさめて貰ってました。

それから
お母さんが1人でやっていた腕立て伏せや腹筋や背筋の運動を
お父さんともやるようになり

お家でもたまに
お母さんとお父さんが
はだかでお相撲のパンツを履いて
お相撲の練習をするようになりました。

お父さんが勝ったり、お母さんが勝ったり
なんだかとても楽しそうでした

そんな日が何回か続くと
お母さんやお父さんから
「りさ、まわしとってきて」
と頼まれると
家の庭に干してるお相撲のパンツを取ってくるのがわたしの仕事になりました。

それから

しばらくして

また
お父さんとお母さんのお相撲を見に行きました。

最初のお相撲では
勝つとさとしくんのお母さんとお父さんやまほちゃんお母さんと、お父さんとみんなで大喜びしました。

特に最後のお相撲で
さとしくんのお母さんがお相撲に勝つと
お母さんの相撲クラブのひとたちみんなで
大きな声をだして大喜びしました。


そして
そのあと
さとしくんのお母さんが呼ばれて
金色の大きなコップを
白い服の人達から貰っていました。

それから
それを持ってみんなで
写真を取りました。

そして
お弁当を食べると
お昼からのお相撲になりました。

お相撲が何回か取り終わると
負けたお母さんの家の人たちは
帰っていきました。
そして
それぞれの家のお父さんたちは
さとしくんやまほちゃんを連れて

朝よりバラバラに離れて
お相撲を応援します

そして
私のお母さんとさとしくんのお母さんのお相撲になりました。

お母さんとさとしくんのお母さんは
お相撲が始まると
身体をぶつけ合ったあと
2人の自慢の大きなおっぱいがぎゅーっと当たり会う感じで抱きしめ合い

右に左にグイグイと動き回り

お母さんがさとしくんのお母さんを投げ飛ばしました。

勝った私のお母さんはお父さんとすごく喜び

負けたさとしくんのお母さんほさとしくんのお父さんとすごく悔しがっているのが見えました。

そしてそのあと
さとしくんのお母さんのお相撲が始まりました。

さとしくんのお母さんが勝つと

お父さんたちが
さとしくんのお父さんお母さんのとこに行ってみんなで喜びました。

それから
わたしのお父さんとまほちゃんのお父さんがまた
話さなくなりました。

私のお母さんとまほちゃんのお母さんのお相撲になりました。
お相撲が始まると
私のお母さんとまほちゃんのお母さんは
方や顔や胸を叩いたり押したりしながらお相撲を取り始め

2人の自慢の大きなおっぱいのしたで腕の力比べになり
いつもわたしが用意してる
まわしを
掴んで抱きしめ合いながらグイグイと
動き回り
私のお母さんがまほちゃんのお母さんを投げ飛ばしました。

投げ飛ばされて泣いてるまほちゃんのお母さんに私のお母さんが手を出して上げて
起こして上げて
お母さんがいつもお相撲前に私にしてくれているように
まほちゃんのお母さんを優しく抱きしめてあげて
なぐさめて
上げてまほちゃんのお母さんは土俵を降りていき

そのあとお母さんは
東京タワーのようなものを白い服の人達から貰いました。

そのあと
わたしのお母さんとまほちゃんのお母さんとさとしくんのお母さんは
違う高さの台に乗り
それぞれ違う色のメダルを白い服の人達に首から掛けてもらっていました。

負けた時に泣いていたまほちゃんのお母さんも
さとしくんのお母さんも

みんな嬉しそうでした。

それから

家に帰ると
いつもお母さんのお相撲大会の日は
ご飯がすき焼きになったり
なんか豪華になるのですが
今日は大きなお肉を焼いて食べました。




そして
ある時から
お母さんのお腹が大きくなり

お母さんはお相撲に行かなくなり

弟の龍太が産まれました。

それから
りさはお姉ちゃんなんだから言われるようになり

お母さんは龍太の世話に付きっきりになりました。

そんなある日

「りさ、まわし取ってきて」
と久しぶりに頼まれました。

お母さんはまたお相撲の練習に行くようになりました。



ある日
お父さんとお母さんと龍太と
お父さんの車で大きなホールに来ました
周りには赤ちゃんを連れた女の人がいっぱい居ました。

お母さんや女の人達ははだかになり
まわしに大きな幕を付けた姿で
連れてきた赤ちゃん抱いて写真を撮り、

豪華な食べ放題のお昼ご飯を食べたあと

お母さんたちはまわしから幕を外して
かわり
細い暖簾のようなものを外して
お相撲をとる時間になりました。

お母さんは何回かお相撲に勝ってから
相手の人に投げ飛ばされて負けました。

お母さんは対戦相手の女の人に起こしてもらって
泣きながら帰ってきて
お父さんに優しく抱きしめられてなぐさめて貰ってました。


お母さんがお相撲をはじめてから
お父さんとお母さんがなんだか
楽しそうで
前より仲良くなりました。

私は
お相撲のときはなんだか怖いけど
お相撲を撮り終わって帰ってきて
所々赤くなった身体で抱きしめられてる時が
なんだか好きです。

そして
お相撲のときは
なんか怖いけど
力強くて優しいお母さんが大好きです。

私も結婚して子供ができたら
お母さんみたいにお相撲を始めてみたいと
最近、思います。

                                                                      井川りさ

2022年10月17日月曜日

とあるカップリングパーティー

石堂たみこは金曜日の仕事を終え
帰り着くと
大きめのリュック
着替えなどを詰め込んだ

明日は月に1度のとあるサークルの旅行イベントに参加する日だ
そして起きると入念にメイクをし
集合場所に向かった

集合場所には男女8人ずつの参加者
と旅行会社の数名が泊まり程度の荷物を手に待ち構えていた

ここでツアー会社の用意したバスに乗り込むと

バスの中は
全員の顔が見えるように真ん中を囲んで座るタイプのシートになっており
移動中の車中では
まずは参加者の自己紹介などが行われる

参加した
男女はここで今日のおめあての人の品定めをはじめ
バスの行き着いた先のイベントで
おめあての相手を決めていき

イベントを楽しんだ後の
入浴と食事会後の
「告白の時間」
と呼ばれるイベントになる
 
このイベントでその日の夜のパートナーを決めるマッチングが行われる。

たみこは、キャリアウーマンとして
1人で生きると決めては居るものの
やはり、どうしても異性との交わりを
欲する欲求が年を経るごとに高まり、
それを埋め合わせるために
インターネットで
そういったツアーがあるのをみつけ
旅行会社のホームページで申し込んで参加するようになった。

「告白の時間」


参加者たちは
一糸まとわぬ全裸で
男女に別れて向き合って座り

最後の品定めを行い
意中の相手を定める


たみこはツアーに複数回参加するうちに
1人の男性に魅了されるようになった

高見沢かずひで
彼が同じツアーに参加していると
胸を高鳴らせて
彼に様々なアピールを行い、
「告白の時間」に向けて
ライバルとなる他の女たちを牽制し
意中の男を自分に振り向かせる様々な努力をし

「告白の時間」を迎える

この時間は
基本的に女性にのみパートナーの選択権が許される。

そして
女性参加者同士の希望するパートナーがかち合った場合

女性参加者同士の全裸での相撲対決により、かち合った男性のパートナーを決める


そして
女性の志望がかち合った男性がこの相撲の行司役を務める

つまり
際どい決着になった場合は
男性の意向が大いに反映された 
判定になる

だから
女性たちは
昼間のイベントで
意中の男性を見定めると
他の女性に牽制しつつ
自分をアピールして
際どい時は自分を選んで貰えるように
その男性のそばにべったりと張り付いたり
身の回りのお世話をしたりするのがよくある光景で
そんな男性に
自分と同じように張り付いてくる女性が
その夜の「告白の時間 」の対戦相手になることが多い

たみこは
かずひでを求めて挑んできた
様々な女の挑戦を退けてきた

かずひでもまた
次第に際どい判定には
たみこに軍配を上げてくれるようになった。

他の女と争った末に勝ち取った
かずひでとの夜は格別な快感に溢れていた

かずひでと交わる快感が大多数を占めるのはたしかだが

自分が勝ち取った男との1夜という
快感が
その夜の交わりの快感を最上に高めてくれた。

人は心を純粋にすると、目的のために殺し合うことさえ厭わないまでに闘い争い会うようになることがある。
それが異性との交じわい求めるものである場合
そのことはより顕著になる。

それはその女性たちの子宮がより良い遺伝子をもつ男性を求め、
そしてその男性を我が子のより良い父親とし独占しようとする欲求から来ているのかもしれない


そういった
女性特有の闘争欲求
独占欲求を満たした

最高の夜を
毎月の糧にたみこはキャリアウーマンとしての日々を過ごしていた。

しかし
とある夏の始まりの
6~7月に
たみこは仕事が多忙を極め
ツアーに参加できない
時期があった

そして久々に参加した8月
この日のツアーの行先は
海辺での海水浴とバーベキューだった

たみこは新しく買ったビキニを身につけ
ツアーに参加した

5月まで
それとなく
どちらからともなく
かずひでと一緒にこの時間を過ごすことが
多かった
かずひでと居合わせたこのツアーだったが

今日は
かずひでは
別の女の方に足がむくことが多い

石嶺りょうこ
という女に気がいっているようだった

たみこは
かずひでの気を引くために
わざと
ほかの男と
仲良く
いろんなことをするが

それでも
かずひでは
りょうことべったりだった

そして
迎えた「告白の時間」

たみことりょうこは
かずひでを巡ってかち合い

たみことりょうこは
ホテルの宴会場の土俵で向き合った。

スタッフの合図で取り組みは始まった

たみことりょうこは
手と手をあわせ
上腕と前腕に力を込めて押し合う
2人の自慢のFカップはあろうかと言う
巨乳の乳房を硬直させ

憎き恋敵と力を競いあう

その嫉妬心と怒りに任せた昂りから
くる高揚感に身を任せ

押し合う腕を軸に右に左に
前に後ろに力を掛け合うなかで動き

腕をぐねらせる

それでも勝負はつかず

自慢の大きな胸と胸を付き合わせて
組合

相手の女の荒い息遣いを感じながら
投げを打つタイミングをさぐり合う

そして
投げを打ち
掛け投げで相手もろとも
土俵に倒れ込み

軍配はかずひでの土俵に委ねられた

かずひでは
重く苦々しい顔で
りょうこを選んだ

りょうこは
かすひでの今夜のパートナーとして
かすひでの横で
恍惚の表情を浮かべて

その他の告白の時間の終わりを待ち

たみこは
その他の男と
自暴自棄になりながら夜を過ごした。
そのフラストレーションをぶつけるかのように燃えるような激しい夜を過ごした。
ほかの女を選んだかすひでへの怒り

そしてりょうこへの嫉妬心

たみこは
他の男に激しく憑かれてピストンされ
快感に揺られながらも
これらの感情に心揺すられる夜を過ごした。

それから
パーべキューや
秋の梨狩り

でも
かすひでやりょうこと一緒になったが
りょうことかずひでは
あの日のたみことりょうこの対決を経て
更に絆を深めたかのようにべったり
仲睦まじくくっつき

たみこもそんな2人の様子を見て
ほかの男を選ぶようになった

そして

冬の相撲大会の日

たみこは
男性の部を眺めていた

1人の魅力的な男性の存在に目を奪われた
その男性は
たみこより一回り近く若く
年上が好みで
たみこが好むような筋肉質な体つきをしていた

決勝戦で
その男性はかずひでと対戦し
僅差の相撲で勝利した。

その石崎ひろやのまわし姿に
心惹かれるものを感じ

女子の部が始まる前に
ひろやに
たまたまなフリをして

まわしの締め込みを手伝って貰うなど
積極的なお近づきをはかり

女性の部が始まった

1回戦の対戦相手は
かずひでを巡って
火花を散らした
りょうことの対戦になった

たがいにあの時の怨念を晴らし合うかのように激しく張り手を打ち込み合い

組み合いに持ち込むと

たみこはりょうこの足をひっかけ
力強く
りょうこを土俵に叩きつけた。

そして

たみこの他にひろやにまわしの締め込みをしてもらった
自分よりやや若いひろよと対戦し
激しく組みあった末に引き落としで下し

決勝戦では
いつも決まった相手と一緒にいる
ゆりかと対戦した

男を取り合ったことはないが
いつかかち合ったときのために
牽制する気持ちが互いにある2人の相撲も

激しい張り手の打ち合いから始まり

大きな胸と胸を合わせて組み合う形になり
投げの打ち合いをどうにか
たみこが制して

プレゼンターの男性の部の優勝者ひろやから
優勝景品を受け取ると
勢いよくひろやに抱きついて
ひろやにアピールをした。

そして
まわしを外して
「告白の時間」
になり

たみこは迷わずひろやを選ぶと
2人の女とかちあった

たみこ
1人目の女を張り手合戦のすえ
土俵にくずれ落とさせて破り

もう1人の女とは
張り手合戦から腕を絡めあっての長い相撲になったが
経験の差でなんとか振り切って土俵に沈め

ひろやとの夜の権利を勝ち取った。

ひろやとたみこは
その夜ベッドで
この上なく
激しく求め合い
激しく満ち足りた一夜を共にした。


2022年10月8日土曜日

宅和かえで 24歳 子供1人

高校卒業してしばらくファミレスで働き
そこで仲良くなった常連の工場作業員と付き合うようになり
それが結婚して早5年になる今の夫だ
子供は4歳になる
国の子育て給付金制度と夫の収入で
確かに働かなくても生活はできるが
それほど余裕のある暮らしでは無い
かと言って
前のようにファミレスでまた働き始めると
パート雇用なので
給付金からの給付要件からは外れ収入は減る

そんな悩みをかかえる日々
子供の児童園の参観日に向かった
いつものように少し早く来て
いつものコインパーキングに車を停め
いつものお気に入りのコンビニのミニストップ
に立ち寄った
コンビニでありながら大きなイートインスペースがあり
食べ物もハロハロやそのほかのスイーツ
そして安価なのに美味しいコーヒーなど
充実し
保育園に用事があるときには
ここに寄り道するのをルーティーンのようにしている
母親は多く
かえでの子供の幼稚園の親達のたまり場にもなっていた
そうして
店内で今日のおやつを選んでいると
いつも懇意にしている
川端よしえと偶然会ったので
そのまま一緒にお茶をすることにした
川端よしえは子供が保育園の同じクラスなことで
参観日などで会うとよく一緒にいるのだが
よしえには
来年、高校にあがる息子や
小学生の娘などが居て
子育てなどの経験が豊富で
なにかと相談に乗ってもらっている

そうして
今日もなりゆきで
子供を私学の小学校に行かせた場合の養育費の話になり

そんななかで


「かえでちゃん、ママさん相撲って
興味あらへん? 」

という話が飛び出した
養育費の話をしてたのに
レジャーの話かとかえでは内心思った

でも、実はかえでより一回り以上年上なのに 見た目は20代に見えて
体型がモデルのように
美しいよしえには
すごく憧れていて
そのヒントになる話かもしれないと思い
かえでは付き合うつもりで話に乗ってみた
「うーーーん、えーーなーーとは思うねんけど
いろいろ物買ったりするお金余裕がなかなかないねんな
よしえさん
こないだ家行った時に
飾ってあったまわし姿で優勝トロフィー持ってる姿凛々しくてかっこええなおもいながらみててんけど
その美しい体型維持するトレーニングしたり
遠征したり
結構、お金かかるんちゃうん」
よしえは
素直に疑問をぶつけてみた

「お金はそんなにかからへんよ。
ママさん相撲は少子化給付のスポーツ上乗せの対象やから
国や自治体から相撲してるって認識されたら
お金月5万ぐらい上乗せして貰えるねん
なら大きな大会で勝てば主催してる県からの御祝儀が1試合ごとに貰えて
優勝したりしたら10万とか貰えるから
むしろ儲かんで
最初はうちもほんまに
お金貰える思ってなくて
美容のためのエクササイズで
ママ友と始めてんけど
少子化にエラい効果があるってことで
国とかが喜んでな
ママさん相撲やろいう人増やしたい思たんかして
ママさん相撲クラブに所属してたり
国や県の大きい大会に参加したら
うわのせでお金くれるようになってん
ほんで、うちのあの車、相撲大会で優勝した副賞でもろてん。
強い人に車乗ってもろたら
インタビューコラムとかの話題にもなって
車に疎い主婦たち宣伝になるいうことで
何個かの車会社がスポンサーになってくれてるねん」
その話を聞いて衝撃が走った。
よしえのクラウンには何度か乗せてもらったりしたことあったが、
よしえが車体の大きなクラウンに乗っていることをかえでは少し不思議に思っていたのだ
家に行った限り
よしえもその旦那もVIPカー好きそうでないし
それまでは型の古い軽自動車に乗ってきた
よしえがなんで、ある日突然クラウンに乗りだしたのかと
疑問に思ってきたがそれを聞いて
腑に落ちた
「なんやったらうちのクラブのメンバーに登録してるだけでも
スポーツ上乗せいう形で
給付金に上乗せあるねん」

いつも頼りにしてるよしえからとはいえ
急に降って湧いたような話に疑いの心がわき
かえでは尋ねてみた
「そらすごいなあ
で、なんで
急にうちを
そんなお相撲に誘ってくれよ思たん?」

「うちらのママさん相撲クラブ、最近は5人で活動しててんけど
1人辞めたから
団体戦の人数が揃わへんようになってしもてん
若くて元気なかえでちゃん入ってくれたら
ええ感じになるんちゃうか思て
誘ってみてん」

「そうなん
廻しとか要るもんはどないするん  ?」
「クラブに新品で余ってるのあるで」
「そうなん、お相撲かおもしろそうやな
そういうことやったら、是非とも行きたいわ」

「じゃあ次の水曜日来れる?」
「うん、行けるで」
「じゃあ、かえでの家まで迎えに行くわな」
「うん、たのむわ」

あの人 ああ見えて30後半やし
まわりおばちゃんばっかりなんやろな

かえでは
内心げんなりしつつも
お金欲しさ
そして
よしえが30後半になってもあんな美人な秘密を知れるチャンスと思い
参加するということは決めた

子供の養育費も稼げて
自分も美人になれて
一石二鳥かもしれないと思った。







その前に下調べということで

YouTubeでいろいろ見てみることにした
まずは
大きな大会の動画から見た
おばちゃん同士がぬめぬめととっ組み合うだけかとおもってたら

意外と美人で若い人が多い
いかにもギャルって感じのガングロの人も
ハダカに廻し1枚で相撲とってる
しかも強い

どつきあいの様な張り手の打ち合いで決着ついてる相撲もあった

ていうか
参加選手全員の集合写真
人数めっちゃ多い

100人ぐらいは居るわ
とな
知らなかったことに対する驚きがたくさんあった

それから
ふと
二色浜相撲クラブチャンネルという
youtubeの動画をみたら

あのめちゃ強いガングロの女の人が
練習とかいろいろ仕切ってるじゃん
と驚いた









そして、体験入部の当日を迎えた
よしえが実はママさん相撲大会の優勝商品だと言っていた
TOYOTAのクラウンで家まで迎えに来てくれた

かえではその車中でよしえに
インターネットでいろいろ調べて疑問に思ったりしたことなどを
聞いてみた

あのめちゃ強いガングロの女の人は
じつはあのチャンネルを作ってる二色浜相撲クラブの最年長で
年齢38歳ということに驚かされた
これが相撲の美容効果らしい

ママさん相撲がとある学者とyoutuberによってはじまったころは
これが目的で相撲を始める主婦が爆発的に増えていき

その主婦たちは
相撲を始めてから
どういうわけか子供をさらに1人2人出産することがおおく
それも安産で生まれることが多いということで

お役所などの公認になり

自治体公認のママさん相撲クラブ所属者には毎月
相撲クラブに所属していなくても
都道府県などが開催する大きな大会に一般参加する主婦には
その参加した月に
給付金を上乗せして支払うことなどを通して

国はママさん相撲をほかになんこかあるママさんスポーツとともに奨励することをはじめたらしい

これが少子化給付のスポーツ上乗せと呼ばれている

今回 よしえがかえでを誘い文句にしたのは
スポーツ上乗せのお金はこれの事だった

そして大きな大会では
取り組みごとに  勝ち名乗りを受けた勝者に
勝ち目録と呼ばれる封筒が審判から渡され
これを大相撲でもよくある蹲踞をともなった所作で受け取るのだが
そのなかには
主催する自治体からの賞金が入れられている

このお金の額が
周辺の大阪と京都が1律千円で
大都市部の付近ではこの金額が主流なのだが

懐事情が芳しくない奈良では 決勝などでこそ千円なのだが
一回戦や二回戦は300円や500円などであることが多く

これが原因で、
何人かが大阪のママさん相撲クラブに移籍するなどして
葛城相撲クラブを離れ

最近、解禁された張り手やカチ上げを怖がって
2人ほどが辞めていった。

一時期は10人以上のメンバーが居た
葛城相撲クラブは
かえでを除くとメンバー4人で
団体戦の人数すら足りないという窮地に追い込まれたといういきさつを
よしえから聞かされた。

そしてよしえからは
特に
張り手やかちあげなどを
心配されたのだが

かえでは男兄弟で揉まれて育ってきており
殴り合いみたいな事には慣れていた
その上
K-1やボクシングといった
打撃系の格闘技もだいすきで
家でよく見ており
むしろ
張り手の打ち合いなどは楽しみにしていた

そして
田園地帯の中の
体育館やグラウンドなどがある運動公園に到着すると
少し古い武道場に連れていかれた

そこには
少し黄ばんで年季の入り始めたウレタンの土俵が置かれていて
まわりにはパイプいすなどが雑多に置かれている感じだった

意外と、ワイルドな雰囲気なんだなとかえでは思った。

そして着替える場所に着くとよしえから大きな紙袋が手渡された

なかを見るとママさん相撲用の簡易廻しが
入っていたが
二色浜相撲クラブの人達が
練習のときに締めこんでいた
ふんどしの布は入っていなかった
「なあ、よしえさん二色浜の人が練習でつけてるようなふんどしは入ってないん?」
「あれはそれぞれの家で練習したり
海辺で練習したりする人らだけやな
関西圏では宮津とか和歌山の白浜の人らしかあんまりつけへんな
廻しをあんまり潮風に晒したくない時とか
だれかの家とかで自主練習する時とかに使うねんけど
ここの人ら
そんな相撲取れるほど大きい家に住んでへんし
いらんからここいらでは持って変人が多いし
楓ちゃん庭つぃたふくろにも入れてへん
私は個人的にお呼ばれして練習行くとき用にもってるけどな」

二色浜の人達みたいな
色とりどりのカラフルなふんどしをつけるのも楽しみにしてたかえでは内心少しがっかりした

「さっそく、廻しつけて準備運動でもしよか」
よしえは

来ていたTシャツと短パンと下着を脱ぎ

手慣れた感じで緩めた状態の廻しを履いて
廻しを腰の位置まで持ち上げると
まずは腰回りをしめあげて
マジックテープで固定し
お尻から股間にかけて通っている
たてみつを
グイっと
引っ張りこんで
引きしだき
マジックテープでパリッと固定して

腰回りをパンパンたたいて
細かい位置を整えて
ものの2分で裸に回し姿に着替え終わった

いままでよしえを
30代半ばのはずなのに
20代そこそこの自分と変わらないぐらいに若々しく見え
なおかつ30代相応のしっかりした行動や判断できるよしえを尊敬してきたが
二の腕の筋肉が隆起した腕周りや
しっかり6つに割れた腹筋など
スリムでありながらも
均整の取れた
アスリートのような体つき
そして美巨乳と呼べるほど美しく張り出した胸を目の当たりにして
その尊敬と憧れ気持ちはより強まった。

そして
よしえに促されるままに
かえでも服を脱ぎ
よしえに手ほどきを受けながら
廻しに着替え始めた

あまり銭湯などにいかないかえでにとって

家族以外の前で裸になるのは
やはりまだ少し恥ずかしい
そしてなにより
見すぼらしい身体への恥ずかしさ

そんな恥じらいを乗り越えて
かえではまっ裸になり
地面に置いた廻しにまたがり
胴回りのベルトのような部分を自分の腰の位置に合わせた

ここからマジックテープを外すのがかなり硬い
よしえにマジックテープをバリっとはがしてもらい
胴回りを締めこんだ

そして次は縦に走った部分
かえでの腕の力だけでは
引き込めなかったので
よしえに引っ張り込んでもらい
どうにかまわしを着ることはできた

「やっぱり、最近買った初心者用のもっと着るのが簡単なまわしにしたらよかったかな
でもかえでちゃんはすごいな
何人かはこの段階で
裸になんの嫌がって帰っていってんで」

たいしたことではないのだが
度胸を誉められ
かえではひそかにうれしかった

そして
がっちりと強く硬いもので締めこまれてる感じ
それでありながら
お尻まわりや股間の横を風が通る感じ

すごく新鮮なドキドキ感にかえではフワフワした気持ちなっていた

それを見ていたよしえは
「なあ、かえでちゃん
せっかく廻ししめたんやし
私と相撲とろや」
意味深な含み笑いを浮かべながら言った

土俵で相対するよしえを
見て30過ぎたおばさんのはずなのに
明らかに私より美人だ
 以前、代わりにこどもを迎えに行った旦那が
見蕩れたような顔をして
「あのお前の友達の奥さんと今日少し話したけど綺麗な人やったな 」
話していたのを思い出した。
そして
心の奥で嫉妬したあの感情を思い出し
土俵上で手をついた時
よしえをグッと睨みつけた

そして
心の底から
勝ちたいと思って
よしえに組み付いた

よしえもグイッと土俵中央で
かえでを組み止めた

2人は土俵中央で廻しを掴みあった状態で組み合った

この力比べは意外と拮抗して
いたが
少しだけ
よしえを土俵際に押し込めたきがしたが
よしえはかえでの気付かぬ間に体勢を入れ替えた
かえでの左足をはね上げて
土俵上に転がした。

そして
土俵に倒れたままのかえでを見下ろすように
「あんたの旦那ええ男やな
付き合わしてもらってもええか?」
かえでは何を言い出すんだこの人はと
言いながら
体を起こして座ったままよしえを見つめた
「まあ、今のは冗談やけどな
モデルみたい整った身体付きでしかも乳デカイ女がうじゃうじゃ裸に廻し1枚で彷徨いてるママさん相撲クラブでは
たまにあるねん
既婚者同士とはいえな
年頃の男女が
出会ってしまう場やから
女の方も旦那に愛想尽きてたとこにええ男きたら
抱かれたい思て
誘惑してしまうことも時にはあるやろ

男の方もその誘惑にコロッと負けて
ということもない話では無い

女の闘争心はそのまま性欲やから
尚更、そういうことが起こりやすいわな
クラブ内で浮気された女は
その時のアレやけど
相手の女に相撲なり殴り合い掴み合いのケンカなりで
勝負吹っ掛けて
勝てたら
関係を切らしたりできるけど

負けてしもたら
旦那はとられたままやし
陰でほかのメンバーから
甲斐性なくて弱いから旦那を取り返せへんと
影で言われることもあるやろ

ママさん相撲はそういうところもあるねん
でも強くなったら
よほどな女やないと略奪とかしにこうへん
あと
お金も名誉も車とかの欲しいもんも
いろいろ手に入る
ママさん相撲って
専業主婦のおばさんらのレクリエーションに見えて
結構  実力が全てなとこもあるから
そこを忘れんときや

土俵の上で会うたら
誰であろうと敵や
わたしでも
普段、仲良く和気藹々と楽しく練習して
団体戦では力合わせて戦っていく
同じクラブの仲間同士でも
普段、どんな仲良い親友でも

相手殺してでも勝つぐらいの気持ちでいかなあかん


勝った時の奈良県の懸賞金が気に入らんから
大阪とか京都のクラブに移っていった子らも
その子らがある程度強いから
次入るクラブがあってんや 
そんな人間性で
相撲も弱かったら
どこも入らしてくれるかいな
ママさん相撲やるからには
常にどうやったら強くなれるかを
考えて1日1日やっていかなあかん 
まあ
いきなり脅かしてしもたけど
ママさん相撲も暇を持て余した
ママさん連中の遊びみたいに見られ勝ちやけど
そのぐらいの気持ちで土俵あがらんと
ええ思いはでけへんし
お金稼ぐためにやってる人でも
ほんま必死でやったはる」


よしえの話を聞いてるうちに

ほかの3人のメンバーが廻し姿で武道場に入ってきた

その中にメガネを掛けたままの人もいた

それを見たよしえは
「まきこ、相撲するときはメガネとってきい
前も言うたやろ」
大きな声で注意した

「今日は
新しく来てくれた人の自己紹介あるから
まだつけてていいわ
しっかり顔を覚えるねんで
あんたと同い年らしいわ」
そう聞いて
かえでの目線はその若いメガネの女の方に向いた

そのメガネの人はかえでと同じく
150センチそこそこの身長で
カエデとおなじく
産後太りなどでのった脂肪が落としきれておらず

といった体型の
若い女
ショートヘアの黒髪にメガネ


顔だけ見てると
体育会系の部活の女子高生にも見えそうだが
周りの人達が
引き締まったアスリートやモデルのような体型をしているのに

その人だけ洋梨のように緩んですこしお腹が出た体型をしていて
浮いて見えた

よしえには今のところ歯が立たないが
この人となら互角に戦えるかもしれない
そんなことも考えながら

見ているとメガネの女と視線が合った

   



かえでが初めての日ということもあって
監督を務めるよしえに紹介されて
それか自己紹介からかえでの自己紹介からみんなの自己紹介が始まった

「はじめまして宅和かえでです
よしえさんから誘ってもらって
今日ここに来ました。
大相撲とかお相撲のことはまだよく分からなくて
まだお相撲にはそんなに興味はないんですが
ボクシングやK-1は大好きで
家でよく見てます
最推しは武尊選手です
子供の養育費を稼ぎたいので頑張ります
よろしくお願いします。」

率直に素直に自己紹介を終えると
メガネの女からシラケたような
冷たい目線を感じた

そして
何人かの自己紹介が終わり
自己紹介がそのメガネの女の番になった

「山岸あおいです
出身は大分県ですが
結婚を機に奈良県に来ました。
私は子供の頃から大相撲を見るのが好きで
この春に子供が保育園に入ったのを機に
自分でも相撲を取ってみたくなり
始めました。
好きな相撲部屋は九重部屋で
尊敬する人は、同じ大分県出身でもあり
現役時代につき押し相撲で
相撲の魅力を私に教えてくれた九重親方です。
はじめてまだ3ヶ月で
弱いですが、つき押し相撲を磨いて強くなっていきたいのでよろしくお願いします。」


そして練習が始まった
まずはみんなで土俵を囲んで
柔軟運動から始まり
腕立て伏せを行ない
そのあと四股をふみ
土俵を横切るようにすり足を行い
それから YOUTUBEでみてたほかの相撲クラブの練習のように
先輩の胸を借りてぶつかり稽古でもするのかと思ったら

「じゃあ、かえでちゃん 相撲取ってみよか
あおいちゃん、相手してあげて」

よしえの指示が飛ぶ
相撲クラブの練習はもっといろいろ基礎的な練習を
積んでから初めて取り組みをやると思っていたので
かえでは内心戸惑った

それでも
今一番戦いたい相手といきなり戦えることに
かえではわくわくした


そして
かえでが土俵に入ると
あおいもメガネをパイプイスにおいて
土俵に入ってきた

入るといきなりにらみつけてきたので
カエデもよしえに言われたことを思い出しにらみ返した

そして立ち会い

かえでは組かかろうと前に飛び出すと
あおいは
身体だけ当たってきて
カエデを跳ね飛ばし
それから
胸に肩に頬に
こきざみに張り手を繰り出してきた
かえでも負けじと
あおいの頬や肩に張り手を打ち返すも
打ち負けるかたちで
土俵の外に押し出された

そして
2番目の取り組みでは
組かかってきたカエデに対して
あおいも応えるように組み止めて応えて
マワシをつかみ合って組み合う格好に
なったが

それでも
あきらめずに
また、かえでは
挑んで行ったが


そこは二ヶ月の経験の差なのか
組み勝ったあおいがカエデを投げ飛ばし
土俵にたたきつけた

それでも挫けずにまた
かえでは土俵に上り
こんどは
女子相撲の軽量級の選手がやっていたように
低く潜り込んで
片足を取りに行こうとしたが
肩を両手でつかれ
また潜り込もうとするも
両手を引かれて
地面に送り込まれる形で
土俵に倒れた

そして
またかえでは
挫けずにあおいに挑む

こんどは普通に組合になると思われたが
胸と胸を合わせた状態で
力比べを仕掛けてきたとかえでは思ったが
あおいはかえでの廻しから両手を離し
押し合いながらしゃがみこむように少し体勢を低くし
かえでの右足をつかんで引き上げ
かえでを地面に叩きつけた

そして
倒れたかえでに手を差し出し引き起こすと
「宅和さん!
さっきやろうとしたのあれよね?」
したり顔で話しかけてきた


そして見ていたよしえから
「2人はここからは休憩しながら
先輩らの相撲を見学しとき 」
と 声が掛かった

それから2人の取り組みの講評を始めた
「あおいちゃん  いろんな技試すのはえぇけど
今日、お相撲始めたばっかりの人やから  
もうちょっと考えたり」

「かえでちゃん、いきなり先輩と相撲するの
怖かったやろけど  4番も良く取りきったな
でも
身体の外側からの張り手は大相撲以外は反則や
張り手は体の内側から
肩より外に手が出えへんようにやり 」

そして
よしえを含めた3人の古参の先輩たちの申しあいが始まった

かえでとあおいの取り組みを見ながら談笑していたのとは打って代わり
真剣な表情で土俵に入った
効果的にはげしく組み合い

代わる代わる
激しい取り組みが行われ
張り手の効果的な使い方や
駆け引きなど
身内の試合とはいえ
かえでには
すごく学ぶことの多い時間となった。

「あおい、いつのまにかいろんな技覚えてきよったな
何回か、他のクラブとかと
入ったばっかりのメンバー集めて
合同練習やってるねんけど
そこで仲良くなったいう
やよいちゃんの影響かな
あの子は舞の海とか宇良とか
技の種類多い力士好きらしくて
最初は互いに気に食わんかったらしいねんけど
何回かバチバチに対戦して
知らん間に偉い仲良~なりよったわ
かえでちゃんもそんな仲間ができたらええな」
帰りの車中で
よしえからそんな話を聞いた


千代大海が好きなのに
あんなに色々技を使ってきたのは
そういう事だったのかと
納得がいった

そうして 
それから計5回の練習を経て
迎えた 大会前
最後の練習

かえでも少しずつ相撲に慣れ始めるにつれ
昔、ソフトボールの1番バッターとして鳴らした脚力を活かした相撲を身につけ始め

あおいとは少しずつ互角に相撲が取れるようになり
そのほかの先輩たちにもたまに勝つようにもなってきていた。
かえでとあおいは共に団体戦では先鋒を希望し
それを巡って練習中、激しく火花を散らし合う間柄になっていた
まだ勝ち星ではあおいが専攻していたが
日に日に力をつけるかえでに
あおいも競争心を掻き立てられながら練習に励んでいる
よしえたちもそんな2人の競争を大いに歓迎しながらも
どちらを先鋒に据えるのかを
大いに頭を悩ませていた

そして
練習の最後に
かえでとあおいによる一騎打ちのような
三番稽古が組まれた

1番目は立ち会いからあおいの得意の突きを封じるように勢いよくあおいの懐に飛び込み
自慢の脚力であおいを押し出したかえでが
勝ち
 
2番目は
立ち会いで肩をつき
かえでのバランスをくずしたところて
小刻みに張り手を打ち込み
かえでを押し出して
あおいが勝ち

3番目は
かえでもあおいもぶちかまし浴びせあって
から
激しく突っ張りを撃ち合い
かえでの張り手が
あおいの鼻に当たった反動で
あおいが土俵に手をつき
あおいが制し

4番目は
レスリングように肩を前にして組み合う格好で
右左に
上に下に
揺さぶり合う格好になり
最後は
先輩の意地を見せるかのように
あおいが
かえでを押し出して制し

5番目は
かえでもあおいも息絶え絶えになりながら
胸と胸を合わせてくみあい

組合ながら
押し出すかに思われたが
ここでもあおいが意地の掛け投げで
かえでを土俵に転がして
勝負をものにした

「はいみんな
大会前、最後の練習お疲れ様
団体戦メンバー発表するわね

この一言で
ここまでのあおいとの先鋒争いが
一先ず閉幕した

「先鋒  山岸あおい
 次鋒  宅和かえで
中堅  曽我  ゆき
副将   山田かずこ
大将   川端よしえ
この形でいくからよろしくね」







迎えた大会当日
まずは団体戦
中学の頃やっていたソフトボールで1番を打っていたこともあり
先鋒を希望していたが
同じく先鋒を希望していた山岸あおいに僅差で競り負けける形になり  
団体戦には次鋒として出場することになった
今日も言えまで迎えに来てくれた

家に着くなり

「かえでちゃん、忘れ物してへんかカバン見さして」
と強い調子で迫ってきた

初めての参加ということもあり
廻し、ゼッケン、選手証明カードなど
入念に忘れ物検査をされた
5人しかいないから1人でも欠けたらという
思いがヒシヒシ伝わってきた

前にも
初めての人が葛城相撲クラブのゼッケンを忘れてきて
そのまま団体戦が不戦敗になったことがあったらしい

それから車の中で団体戦のメンバー決めの話になった

よしえ曰く
「前までは個人戦のあとに団体戦だったから
個人戦の成績次第では
かえでちゃんに先鋒お願いする可能性もあったんやけど
最近、ママさん相撲する人増えたから
人数多くて時間のかかる個人戦があとになってもうた」
との
ことだった
さらに詳しく聞くと

団体戦は奈良県なら4つとか
神奈川なら10とか11とか
だいたい決まった数のチームが
5人と決まった人数で参加していて
その分
時間が読みやすいというのもあるが

個人戦は
各クラブの
団体戦メンバーから漏れたメンバーも含めて
基本的にクラブに所属してる人は全員がエントリーし、
相撲クラブには所属しておらず
個人戦だけ参加する
一般参加の人もエントリーしてくることから

大人数になり
時間がかかることも多いので
団体戦を午前にして
個人戦を午後にする
都道府県が多いのだという

また
静岡や鹿児島など
相撲が盛んで
参加人数や参加チームが
共に多い地域では
団体戦と個人戦を別の日に開催する地域もある
とのことだった

あれこれ話したり聞いたりしているうちに
車は奈良市内の大きな公園の駐車場に到着し

会場である体育館に入ると
まわし姿の女たちの熱気で溢れていた

ウレタンの土俵が本土表を中心に5つ敷かれ

まわりに役員用の長つくえ等が置かれた本土表と

そのほかの4つの土俵は
個人戦の予選で使われるものだが
午前中の団体戦まではウォーミングアップ用に
各クラブに1つずつ割り当てられた練習スペースのようになっていた

かえでもよしえに連れられてマワシ姿になり
葛城クラブの面々のいる土俵周りでウォーミングアップを始めた。
いつものマワシに「葛城」という文字の入ったゼッケンをつけると
なんか特別な感じになりいつもより気分が高揚しているのを感じた。

周りの女性たちを見渡してみると
裸にマワシ姿の女性たちに
むしろ、おっぱいやお尻が大きくせり出して
くびれもしっかりあり
そのくせ無駄な贅肉も目立たない
モデルのような女性がたくさん目についた。
かえでは相撲は太った人のスポーツと思い込んでいたが
女性の相撲の美容効果のすごさに驚いた。


またいろいろ会場を見渡してみると、上下スラックスの女性が何人か会場を歩き回ったり
役員席で座ってるのを見つけ
よしえにきいてみた
「あれは今日の試合の審判さんやな
よその県の相撲クラブの人でもあるんやけど
心証悪くすると不利な判定されてもうたりもすることあるから
あったら挨拶したりして
愛想よく接してね。
わたしもたまに他の県の審判にいくねん」

「相撲連盟のおじさんたちちゃうねんな」
「ママさん相撲はじまった最初のときはそうやってんけど
やっぱり、あんまり私らの相撲を男性にまじまじ見られるの恥ずかしいわ
いうことで
女性の審判欲しいな言うことになってんけど
素人はやりたがらへんけど
こういうふうに相撲やってる女性は
他の県の大会を見に行く目的とかでやりたがる人は多かってん
それに審判も
ええ値段の手当は入るねんで」

よしえは手でお金の丸をつくって説明してくれた

審判も
パートみたいな感じになっていたのを知り、かえでは驚いた。

このママさん相撲は
主婦たちの単なる享楽に見えて
いろんなところでいろんなお金が動いてるようだ




そして
団体戦1回戦が始まった
相手は生駒クラブ
葛城クラブと同じくメンバーは5人ギリギリしかいない
大阪にほど近いベッドタウンの町に本拠地を構え
人が集りやすい立地に位置していて
人口が多めの地域なので
一時は20人以上で活動して
団体戦には4チームに別れて参加したりもしていたのだが

最近、勝ち目録の金額の改定で自治体毎の格差ができたことにより
多くの選手が大阪などのクラブに移っていくなどして流出し
今日は5人ギリギリでの参加となったようだ

そして相手側の控え席を見てみると
一際、胸が大きくて
お腹の贅肉もで目立つ女性が
選手たちをあつめて指示を出しているのが見えた
よしえよりもかなり若いがどうやら監督も務めているようだ

先鋒のあおいが土俵前でまわしをパンパンたたいて土俵にはいり
オレンジの布地に生駒というゼッケンのはいった廻しを身に着けた相手の先鋒と
向き合った
相手の先鋒も
まだ体ができきっていない
小太りの体型で所作のぎこちなさから
入って日が浅いことが
感じ取れた

そして
取り組みが始まると
あおいはいつもの張り手から入るつき押しスタイルではなく

相手と組み合うスタイルで
相手と胸を合わせて押し合った
太った女性同士の相撲って
こんなに胸やお腹が押し潰しあって脂ギッシュなのかと
脂ギッシュなのかとかえでは見入った

力比べの最中に何かを見切ったように
相手の足を
引っ掛け
相手を土俵に転がし1勝目

続く
スリムというより
かなりやせ細った相手の次鋒との試合では
相手を真っ直ぐに押し出し
2勝目

そして
相手の中堅との試合も難なく寄り切り
3勝目

迎えた
4戦目
相手は
これまでの3人より少し筋肉質で
いかにもかえでが始めるまでに
抱いてた相撲の人のイメージに近い体つきをしていた

「あおい、こないだの初心者相撲でなかなか
勝てなかった相手ね
どうやって行くのか考えて」
よしえの声が飛ぶ

「分かってます
考えがあります 」
とあおいが返す

そして始まった取り組み
あおいは
相手の中堅にぶちかましを仕掛け
相手の体制をくずし
相手の顔や肩や胸に張り指しを加え

相手もこれに応戦して張り手を
顔や肩などに当ててくる

そして
しばらく打ち合ったところで
あおいはボクシングなどのKOのように土俵に崩れ落ち

抱き上げて助けに来たよしえに
「やれるだけのことはやりましたよ  」
と話し
よしえも
「よく、がんばった、よくがんばった」
抱きしめてから
土俵を降り

いよいよ
かえでの出番が巡ってきた
かえでは

いきなり強そうな相手だけど
どうしよう 


思ったが
組み合いを挑んで

左右に揺さぶり回して
動き回り
相手がバランス崩したところを
片足を捕まえて

奇跡とも言える勝利を上げて
相手の大将との試合にこまを進めた

やっぱり
さっきの胸の大きな女性がでてきた
「かえでちゃんいつもどおりね」
よしえからも声がかかる

かえで正面から組みかかって挑むも
相手の大将のそこはかとない
気迫の前に押し出され

相手大将は鬼気迫る勢いで
中堅、副将と
なぎ倒し

よしえとの大将同士の対決に持ち込んだ
相手大将と土俵中央であたると
アッパーパンチのように下から回し込むつき押しを
相手の肩や頬などに
激しく張り手を打ち込み
相手の大将の渾身の張り手を打ち込み
打ち合うような形になってから
相手大将の女がバテ始めたのを感じ取り
相手の女の廻しを
掴みに掛かり
土俵外に投げ飛ばして
よしえが大将同士の1番を制した

敗れて涙する相手の大将を抱き起こして
労うような声を掛けて 
抱擁を交わしてから


よしえは審判の前に蹲踞し勝ち名乗りを受けた

こんな人が率いるクラブに入れて
よかったと
なんとなくかえでは思った

そして
迎えた決勝戦
優勝常連の若草相撲クラブとの対戦になった。

深緑の布に若草と入ったゼッケンの女性たちからはいかにもというようなオーラが漂っていた

Tシャツ短パン姿の若いメンバー4人が
水やタオルを持っていったり
廻し姿の選手のアップを手伝ったり
甲斐甲斐しく動き回る姿が見えた

きっと
団体戦メンバーに入れなかった人たちだと
思った。
あれを見ると試合に出れている自分は恵まれているし
あの人たちのぶんも頑張ろうと思った。


さっきの生駒クラブとの試合で4番もとった
あおいは休ませるというよしえの考えで副将に
まわり
副将だった曽我さんが先鋒にという
登録変更を行った

副将から下ろされる形になった
曽我さんは

「ママ~次は勝ってね」

かえでより4歳年上の28歳
小学校3年生の息子さんと保育園児の娘さんの声援を受けながら土俵に入った

「ゆき、落ち着いて」
よしえから声が上がる


ゆきは
相手の先鋒の女をぐるぐる引きずり回して
なぎ倒して
まずは
一勝をあげた

どうにか勝ってほっとした表情で
まわし1枚だけ身にまとった胸に滴る落ちるのを見て
母親ならではの美しい裸を見た気がした

そして
副将を外された意地を見せるかのように次鋒の若い相手も激しい突き押しで押し出すも

つぎの中堅との試合で力尽き

かえでも果敢に挑んで行ったが
全く歯が立たずに
土俵の外に運ばれ  

中堅も敗れ

副将に大抜擢された
あおいが
あと一歩のところまで
追い詰めるも敗れ

早くも大将のよしえの出番になった

よしえが意地の押し出しで中堅との戦いに勝利を納めるも

次の副将戦にやぶれ


葛城クラブは敗退となった


「あーーーーー))ーー
悔しーーーーー
負けたーー)ーーー
これが全国の壁なんやな」
とよしえが悔しそうに言った







そして
昼食を挟んでの個人戦が始まった
今回は
個人戦は
一般参加に団体戦のメンバー外だったメンバー
含めて約50人が
参加するようだ

奈良県大会は
各クラブの監督たちの話し合いで
トーナメントの最初の方は
初めて1年以内の若いメンバーと
何年も相撲をやっているメンバーは
対戦が当たらないように
工夫されている

くじ引きのはこを分けているのだ
かえでは53番 あおいは39番を引き
あおいとの対戦は3つほど勝ってからに
なりそうだ

あおいと一緒に初心者ゲームと呼ばれる
右側の土俵に行くと
さっきTシャツ姿で団体戦に出るメンバーを手伝っていた
若草相撲クラブの若いメンバーも廻し姿で
集まっているのが見えた

まずはあおいが御所クラブのメンバーとの試合になんとか勝ち

取り組みが進んでいくと
若草クラブのメンバーのうちの2人はは
それぞれに生駒クラブのメンバーと対戦し
貫禄の勝利を収め

かえでは
一般参加の
いかにも選手証をもらったばかりの女性を優しく押し出して勝利し

2回戦進めていくと
早くも若草相撲クラブ同士の個人戦が
始まった
さっきまでは
一緒に水やタオルを持ってきたり
仲良さそうに手伝っていた2人なのに
土俵に入るとライバル同士で
敵同士という事なのか
立ち会いから激しく睨み合い

始まるやいなや
まるでケンカかのように
激しく顎元や頬や
胸などを張り合い

廻しを掴み合い組みあいに移行してからも
組合ながら相手のとくいな技に持ち込まれるのを
組み替えたりしながら防ぎ合い

さいごは
土俵のウレタンにカカトををひっかけたほうがバランスを崩したすきに
相手に押し込まれて
意地と意地がぶつかり合う長い相撲に決着が着いた

同じクラブ同士でもこんなに激しくなるとはと感じ入ると同時に
同じクラブだからこそ
団体戦メンバーをあらそつたりするようになると
敵以上に敵になるのかと

その同門対決は
かえでの心に強烈ななにかを残した


かえでは生駒クラブの中堅だった若いメンバーと対戦し
胸を合わせて組み合った末
掛け投げを決めてどうにか勝利し

3回戦
あおいは
以前、初心者練習会で仲良くなった
若草クラブの佐久間やよいとの対戦になった
2回戦が始まるまでは仲良く話し込んでいたのに
対戦が決まるとたがいプツリ話さなくなった

そして
土俵外からたがいに激しく睨み合い

意地と意地をぶつかり合わせた

試合はレスリングのように肩を前にして組み合う形で進み
あおいがやよいの後ろ回しを掴んで引き落としで勝利した

かえではさっきの若草クラブ同士の対決で勝利した女に気迫で圧倒され
この大会の取り組みを終えた。

そして初心者リーグの決勝戦は
あおいと
若草クラブの片岡はるなに決まった

あおいとはるなは
ぶちかましあってから
張り手の打ち合いに始まり
ふいのかち上げなどでバランスを崩されかけたりするも
あおいも意地で踏ん張り
崩れかけたところで掴んだ相手の女の廻しをはなさずに持ち続け
その廻しをから 
相手に打った投げが決まり
辛くも勝利した。    

そして
本土表に戻ると

さっき副将を外された
曽我ゆきが 
激しい組み合いの末に
よしえを下し

準決勝であおいの対戦相手として待ち構え

若草クラブの絶対的エースと目される
秋元ゆりかが
同じく優勝候補の
御所クラブ
屋久しおりを土俵に沈め


あおいとゆきによる
葛城クラブの新旧副将対決の取り組みが始まった
この勝負は激しい張り手の打ち合いから始まり
気迫の差で
ゆきが勝ち

全国常連の秋元ゆりかとの
決勝戦に臨み

張り手を掻い潜って組み合いに持ち込まれ

さいごは足取りをあざやかに決められ

ゆりかが絶対女王としての貫禄を示した1番なった。

葛城クラブは
団体戦では優勝を逃したが
ゆきとあおいがベスト4まで勝ち残ったことにより

個人としての全国大会の参加権を得た

かえでは
身体だけでなく
闘争本能をも裸にして闘う女たちの気迫に
終始ひりついた心持ちで
初めてのママさん相撲の大会を 終え
 
次はあおいと
大会本番で戦って勝てるようにと
より 本格的にこの相撲にのめり込んでいくのだった