2013年1月31日木曜日

闘婚

 とある山奥の村では古からの慣例に倣い、村の盟主の家の跡取りの嫁選びには、『闘婚』というやり方を用い、より秀逸な子孫を残そうと努めてきた
『闘婚』とは婚礼を希望する家々の女たちを集め
机上での試験や、生け花や
弓矢の腕などで
知性を教養競わせ
相撲で
体力を競わせ
代々の跡取りの嫁を決めていた

女たちは家々の命運を背負い
定められた着流しの衣装で集まった

今日もその闘婚の儀式が催されていた
今回も着流し姿の8人の女たちが集まり
机上での試験や弓矢などで
4人に絞られた女たちは着ていた浴衣を脱ぎ捨て
真裸にふんどし一枚の姿になり庭の土俵での相撲でこの日のために鍛え上げてきた体をぶつけ合い相撲を取り合った

すべての日程が終わり
盟主の家の者たちが話し合いを始めた
代々の慣例ではその日のうちに嫁を選び
翌日には婚礼というものであったが
今回は2人の女の間で決めきれず
試験の用意もままならないので
2人の女を大浴場に呼び出し
浴槽内での組み打ちにて決めることとなった
2人の女はなにもつけず生まれたままの姿で顔に平手を打ち合い
力比べの後、お湯のはられた浴槽内で組み合い、転がり回り
戦いあった
片方の女が組み勝ち
相手の女を浴槽に沈め
翌日の婚礼を勝ち取り
女たちとその家の未来をかけた代理戦争は終わった

2013年1月6日日曜日

ライオネスハート

 ここはとある都市にあるビルの地下の1室 昼間はだれもいない、ひっそりとした開かずの間だが、なぜか部屋の真ん中に柵がある 夜になると100人近くの男たちが集まり、柵の中の2人の女の動向を見守るのだ 2人の女が何をやるのかというと、賭け勝負だ 女たちは柵の中でふんどし以外なにも纏わず、己の身体のみで戦いあい、相手をねじ伏せ戦いあうのだ そのさきにある多額の賞金、そして未来をかけて この女たちを、この戦いの場に誘うのが私の仕事だ 私はこの会のメインスポンサーであるとある大手の飲料会社など大会社の社長たちに雇われ 彼らからの資金を基に活動を行う ここで拳を交える女は既婚の女性が多い そして例外なく子持ちである これらの個人情報はスポンサーとのかかわりが深い役人からの生活保護受給者、国勢調査などの資料を基に 選定を行い、交渉を行っていく 子持ちということで託児所の手配もスポンサーの一人である民間保育所会社の社長の協力の元盛り込み 契約を行っていくことも多い 連れてくる女は、農村部の主婦から、都心のシングルマザー、低所得者世帯の妻などが大多数を占める 募集のやり方としては その特定の家にだけ、新聞の求人チラシの内容を一部差し替え この会の記事を盛り込んだ内容のものを入るように スポンサーの新聞社の重役などと結託し準備をすすめるのだ これにより、5人に2人の女が応募してくる それを私が面接を行い、日取りや対戦相手などを決めていくのである そんな今日も2人の女が面接にやってきた 2人とも農村の女だった ちょうどいいのでこの2人の女を2週間後にぶつけてみることにした 2週間後 2人の女はそれぞれ電車を乗り継ぎ、別々の入口から会場にやってきた 女たちはそれぞれに割り当てられた控えし室で、着てきた衣服を脱ぎ 今日の戦いで身につけるふんどしをまとい ガウンに身を包み 部屋に用意された資料に目を通し、過去の試合のビデオを見ながら時を待つ 資料には、適宜、女の闘争心を煽るような情報を選んで掲載してある 時が来て2人の女は男たちが詰めかける会場に姿を現し ガウンを脱ぎ捨て、ゴングの合図とともに 裸一貫にふんどしだけの姿でもう一人の女に挑みかかっていくの 二人の農村から来た女は豊満でたくましい肢体を揺らしながら 組み合い、ころがりまわってマウントを奪い合い力を比べあいながら 主導権を奪い合った

2013年1月2日水曜日

女たちの新人社員研修

あけましておめでとうございます 今年も文章等拙い部分は相変わらずではありますが 今年も気ままに更新いしていきますが このブログにお付き合いいただけたら幸いです というわけで今日は新しいのはじめます 今回のは新入社員研修という設定でいきます 今日はアクシブ生命の入社式の日 先月、大学の卒業式を終えた恵子は何か月かぶりのスーツ1週間分の泊りの荷物を持ち 西日本支社の入社式の会場に集まっていた ただ恵子はなにかおかしいと感じた たしかに女子が採用人数の大多数を占めるとは聞かされていたが それはそうとしても男子の同期の姿が一人もみあたらないのだ 説明会や選考試験ではいたはずなのに そして会場で席に着き式が始まった 「うちの会社の営業では精神力の醸成を育成の中心とさせていただいております そこで本日は営業部の皆様だけ、そのまま研修合宿に出発していただくということもあり 営業部の20名に向けたものを別会場で行うこととしました 同期20人でこれから一週間力を合わせ時に競い合いながら、希望の配属先めざしてがんばってください 配属先は今回の成績で決まります。」 式典での西日本営業本部長の言葉で恵子のこの疑問は解決した そして資料を渡された恵子たち20人の今年の新入社員は 合宿所に向かうバスに乗り込んだ バスはまだ雪の残る岐阜の山奥の有名なホテルに向かった そのなかで配布された資料の中にあった日程表に目を通した 最初の四日間は法令や、PCの基本操作、接遇等よくきく内容ばかりであったが あとの3日間は体育とだけ書いてあった ホテルに着くとすぐ上の階では東日本支社も同様に研修を受けているようだった そして最初の3日間は講義形式の講習を受け 1日は講義の成績を決める試験を終え 5日目を迎えた 今日は東日本支社の20人も同じ部屋に集まっていた なにをするのだろうと恵子たち西日本支社の20人もいつものようにスーツ姿で部屋に集まって 席に着いた そして女性主任講師の女がいつものように入ってきた 「今日からの体育は東日本支社と合同で研修を進めていきます今日の午前は親睦会を兼ねて 各支社代表5人による腕相撲の対抗戦を、午後はサッカーの対抗戦をやります 尚、勝った支社には、ポテトチップス一箱、コーラ一箱を進呈します」 対抗戦はこうして和気藹々とはじまった 恵子は腕相撲の選手に選ばれたが関東の佐藤ユキコに負けた 和気藹々とした空気の中でも 恵子は負けた悔しさを心ににじませていた そして 昼のサッカーはなんと13時から16時までぶっ通しで試合を続けるというものだった 和気藹々としていた空気も殺気立ったものに変わっていた 対抗戦は疲労と殺気に満ちた中で東日本支社の勝利に終わった 「くそー、悔しいな 何なんあの子ら、サッカーしてる時むっちゃむかついてんけど」 「うちもムカついた。関東のほうが偉いとでも思てんの」 「ほんまやほんまや」 「あの子ら酔っぱらって、風呂場入ってきてだいぶさわいどったわ、調子のんなっつうの」 勤務時間後の西日本支社の各部屋では 東日本支社の悪口が響いていた 山奥でホテルの周囲にコンビニなどなにもない環境、きつい研修内容、そして何より禁酒 酒豪ぞろいの20人はストレスがたまっていた そして事件は起きた 「ちょっとあんたら、関東の子やろ、なにやってんの」 「何って、自販機でジュース買おうとしてるだけでしょ」 「ここ、うちらのフロア!! あんたら上の階やろ、そんな初日言われたルールも守れへんの?」 「なんですって! そういうあんたたちはわたしたちに負けたじゃない」 「なんやて!」 フロアの自販機で西日本支社と東日本支社の数人が小競り合いになったのだ 翌日、けいこたち西日本支社の20人は東日本支社の20人とともにホテルのプールのプールサイドに集められた プールの水はひざぐらいの高さまで抜かれていた そしていつもの女講師が出てきた 「あんたたち、昨日ケンカしたんだってね。 いいわ今日はあんたたち思いっきり決着つけなさい 今日は、プールの中で思いっきりなぐり合ってもらうわ ただし、顔はダメよ、顔を打撃した人はクビ それ以外ないならなにしてもいいわ 顔が水につけられた人は負けだからプールサイドに出なさい でもなんか隠し持ってちゃ危ないわね あんたたち、着てるもん全部脱ぎなさい 下着もよ 負けた支社がプール掃除ね 10分後始めるわよ」 こうして、ストレスと対抗心で血の気のたぎった40人の女たちは 勢いよくスーツを脱ぎ捨て生まれたままの姿になり 東と西に分かれてプールに入った。 女の合図で戦いが始まると 全裸の40人はそれぞれに思い思いに見つけた相手と組み合った 恵子は昨日の腕相撲で負けた因縁の相手ユキコに挑みかかった 「昨日はよくも」 「今日も負かしてあげるわ」 恵子とユキコは腕四つで組み合い 力比べを始め 投げの打ち合いに移り 今日は恵子が勝った 負けたユキコの脳裏にも恵子に対するライバル心が抱かれた 勝った恵子は仲間の援護に周り 仲間と組み合ってる関東の女を後ろから水に引きずり込むなどしていった 40人の女たちは生まれたままの姿で 育った胸をゆらし、水しぶきを上げながら 1対1で戦うもの、2人がかりで1人を沈めにかかるもの 思い思いの戦いに興じ 今日は関西支社の勝利で終わった 「いえーい、いえーい 関東やっぱ弱いな」 「あんたらちゃんと掃除しーやー」 「うちら昼から思いっきり名古屋楽しんでくるわ」 勝った西日本支社の面々は昼からの特別な休みを許され 特別に手配されたバスで名古屋の街で久々の酒を楽しんだ そして 負けた東日本支社の女たちは 昼から また服を着ることを許されずに プールを泣きながら掃除した そして迎えた最終日 40人はバスに乗せられ車内で 長くて白い布が一人一人に配られた 「今日の研修は相撲ね、 うちの会社ではたまに大会やるからしっかりやるようにね」 相撲場に到着した いつもの女が裸にまわし姿で待っていた 「バスで説明受けたと思うけどうちの会社は女子も相撲が盛んなの 年一回全社あげて大会やったりするわ 今日は40人で総当たり戦するからしっかり戦いなさい 優勝者の支社の新入社員は配属まで1週間休み! 優勝者は賞金10万円これでスーツでも買い足しなさい あと希望配属先確約 じゃ、頑張ってね」 そうしていつものみんなと手伝いあってふんどしを締めた けいこはみんな敵同士という実感がわかなかったが 総当たり戦で何番かとって 特に仲のよかった近藤裕実との対戦になったとき ようやく実感がわいた 「西、西日本支社、佐藤恵子さん、東、同じく西日本支社、近藤宏美さん」 呼び出され 土俵に入って向かい合ったとき 最初は戦いたくなかった気持ちが負けたくない気持ちに変わってきた 戦いが終わったとき土俵に残ってられるのは一人だけなのでから勝ちたいと 恵子と裕実は組み合って 胸と胸を密着させ投げを打ち合った 最後は裕実を押し出した恵子が勝った こうして女たちはだれが同期で一番なのか決める戦いを進めていった そして総当たり戦は全試合終わり 優勝決定戦が行われることになった 「勝ち数最多の人は4人います 西日本支社赤松良子さん、同じく西日本支社佐藤恵子さん、関東支社、佐藤ユキコさん、同じく関東支社今村エリさん この四人でトーナメント戦をやります まず、西日本支社佐藤恵子さん、同じく西日本支社赤松良子さん土俵に入ってください」 恵子は同期でリーダー的存在だった良子と当った 「恵子、負けへんで」 「うちも負けない」 言葉を交わし 土俵で向かい合った リーダーで目立つ存在だった良子に恵子はいつもどこか嫉妬心を感じていた それを土俵の上でぶつけようと恵子は思った 恵子と良子は合図とともに土俵の上で猛烈な勢いで張り手を打ち合いぶつかった 恵子は良子に力負けし、際まで追い込まれたが渾身の力を込めて、良子をなぎ倒した 決勝はお互いにライバル意識し合っていたユキコとの対戦になった ユキコとは一進一退の攻防になったが 最後は 恵子がユキコを押したおす形で勝った 「ユキコさん、また配属後にやりましょ」 「恵子さん今度は負けないわ」 言葉をかわし 相撲大会は終わった 恵子たちはバスに乗り 研修終わりの式を終え 部屋を引き上げ帰路についた 恵子たちは1週間の休みを楽しんだ後 それぞれの配属先での新しい生活を始めていった