2013年1月31日木曜日

闘婚

 とある山奥の村では古からの慣例に倣い、村の盟主の家の跡取りの嫁選びには、『闘婚』というやり方を用い、より秀逸な子孫を残そうと努めてきた
『闘婚』とは婚礼を希望する家々の女たちを集め
机上での試験や、生け花や
弓矢の腕などで
知性を教養競わせ
相撲で
体力を競わせ
代々の跡取りの嫁を決めていた

女たちは家々の命運を背負い
定められた着流しの衣装で集まった

今日もその闘婚の儀式が催されていた
今回も着流し姿の8人の女たちが集まり
机上での試験や弓矢などで
4人に絞られた女たちは着ていた浴衣を脱ぎ捨て
真裸にふんどし一枚の姿になり庭の土俵での相撲でこの日のために鍛え上げてきた体をぶつけ合い相撲を取り合った

すべての日程が終わり
盟主の家の者たちが話し合いを始めた
代々の慣例ではその日のうちに嫁を選び
翌日には婚礼というものであったが
今回は2人の女の間で決めきれず
試験の用意もままならないので
2人の女を大浴場に呼び出し
浴槽内での組み打ちにて決めることとなった
2人の女はなにもつけず生まれたままの姿で顔に平手を打ち合い
力比べの後、お湯のはられた浴槽内で組み合い、転がり回り
戦いあった
片方の女が組み勝ち
相手の女を浴槽に沈め
翌日の婚礼を勝ち取り
女たちとその家の未来をかけた代理戦争は終わった

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