2024年3月2日土曜日

裸の部活動

とある高校に設けられた
大浴場

そこでその部活動に属する女子たちは
身体を洗い清めてから

部の練習が始まる

湯治場交流会である

ウレタンマットが敷きつめられた大広間の中心の
縄で四角く区切られた区画の中に

2人の少女が
着ていた浴衣を脱ぎ置いて
中に入った

周りには
全裸の少女たちが
自分の出番を待ちつつ見守る

2人の少女は
一糸まとわぬ姿で正座して
正面から向き合い

輪の外の審判本部の
叩く鐘の音を合図に

互いに組み付き合った

2人の少女は
剥き出しの肌と肌をぶつけ合って
取っ組み合い

上に下にと
転がり回って

その闘志をぶつけ合う

部内の闘いを勝ち抜き

湯治場の四皇や
大湯主になることを
目指し

少女たちは
日夜
一糸まとわぬ姿で

身体をぶつけ合う

そして
他校との対抗戦形式のリーグ戦では

各学校から選ばれたそれぞれ7人が
団体戦を闘い

各学校の湯治場の優劣を争い合う
 
また  

年に1回の個人戦を全国優勝したものは
全国チャンピオンを意味する化粧まわしの着用が許され
その少女の所属校に
その着た姿の大きなパネル写真と
化粧まわしが展示される



2024年2月24日土曜日

対決企画モノAV 母乳人妻 vs 母乳人妻   下  

リカコとひよりはそれぞれの部屋で
用意された昼食を食べ終え

資料映像を見終わり

それぞれに
担当スタッフから
廻しを締めこんでもらい

スタッフ相手に練習などをしたあと

スタジオ内の相撲場に移動して
相撲9番勝負が始まった

相対する2人の母親は
仕切り線の上に立ち
廻しのみを身につけた姿で向かいった


そのそそり立つ乳房を向き合わせ
愛想笑いのような表情の瞳の奥に
勝負への執念を宿し
眼差しを交わした

最初の取り組み
立ち会いから前に進み出た2人は
身体をぶつけ合ってから
リカコが両手を突き上げて誘いかけるのに
ひよりが応じる形で
手を合わせ

「ふんっ」
「ぐぁあぁ」
お互いの両手に渾身の力を込めて押し合い


腕力の力比べから入った


右に左に上へ下へ揺さぶりあい

右に左に動き回り

体重で上回るリカコが押し込むもひよりも切り返して
リカコを土俵外に転げ落とそうとし

また
正面からの組合に持ち込み

なんとかりかこがひよりを押し出し

この1番はりかこが勝ち名乗りを受け

賞金の封筒を受け取った

そして
第2番目

2人は廻しを掴みあって正面から組み合った

胸を合わせ力強く組み合ううちに2人の乳房から
母乳が滴り出し

2人の身体は
所々
お互いの母乳の滴が白く点々とまとわりつき

2人は張る乳房の痛みに耐えながら
母として女としての
意地を比べ合うかのように押し合い

またしても
りかこが押し出して勝利を収めた

そして
3番目
ここまで2番連続して敗れた
ひよりが
正面から組み合うと見せかけて
りかこの身体の下に潜り込み

りかこの
足をとって
りかこを転がし

ようやくの一勝目をあげた

そして
何番か取り組みをかさね
力で圧倒していたりかこの優位は
揺らぎ
ひよりが変化や足取りや張り手などで
何番かものにし
4勝4敗の5分で迎えた

最後の9番目

2人は
これまでの取り組みで
疲労を隠しきれなくなりつつも

女としての目の前の好敵手たるこの女に負けたくないという意地と

母として我が子に
少しでも良い環境を与えるためのお金が欲しい

その2つの強い気持ちが

2人を土俵に向かわせていた

そして
最後の取り組み

立ち会いから進みでるがいなや
ひよりがりかこの胸を張り

りかこもひよりの、頬を張り

しばらく顔や頬や胸を互いに張り合い

ひよりがエルボーのように肘をりかこの脇にあてて
組合に持ち込み
りかこもエルボーの痛みを堪えながら組合うが

ひよりが汗と母乳で身体を滑らてバランスを崩した所へ
お返しとばかりに

りかこはひよりの口元に張り手を食らわして

さらに張り手を返してくる
ひよりを土俵に押さえ込んで

りかこが
最後の一番の勝利を収めた

取組後
2人は大浴場の洗い場で並んで座り
シャワーとソープで土俵の土と互いの体液で汚れた体を流した

対戦相手である2人が隣同士の洗い場を使うというのは
撮影スタッフからの指定だ
このシーンも本編に収録されるためだ

さっきの
相撲対決が荒く激しい相撲内容になったからか
2人とも目を背けあい

一言も言葉を交わさず

黙々と

身体を洗う

そんな重く静かな時間の後

2人はこの大浴場の
いちばん大きな湯船に呼ばれた

どちらが今日の勝利者に相応しいか
話し合う
「話し合い」
というコーナーの撮影だ

話し合いで比較的
多くの場合
その日の勝利者が決まることが多いが
話し合いでどちらも譲らない時は……





カメラの後ろの分厚い賞金の札束をチラつかせるインタビュアー役のスタッフ
から質問される形でコーナーは進んで行く

-お相撲お疲れ様でした
「お疲れ様でした」
「お疲れ様でした」
-お相撲という初めての身体をぶつけ合ってのたいけつになりましたが
対決してみてどうでしたか
「私の方が少し歳上なので、ひよりさんに経験の差を見せれたかなと思います」
「それはどうですかねリカコさんが張り手やエルボーを何回もやってきたのはどうなのかなと思いますね」
「ひよりさんも張り返してきてましたよね」
「にしたって、それまでの対決の勝ち数は私の方がリカコさんより多いじゃないですか」
「ひとつ多いだけでしょ 」
「お相撲だってリカコさんがひとつ多く私より
勝っただけじゃない
それも反則つかってね」
「ひよりさん あんただって
母乳とばし前になんか飲んで仕込んでたじゃない」
「あら エナジードリンクは反則だったかしら」
「エナジードリンクも飲んだダメなんて聞いてないわ
歳いってるのがそんなに偉いのかしら」

「なんですってもう一度言ってみなさい」

「何度でも言ってやるわよ
この年増女」

「言うて2つだけでしょ」

風呂場のなかで
りかことひよりは
エキサイトし
取っ組み合いに
なりかけた所を


スタッフに引き剥がされ
  

10分ほど休憩を挟み



また「話し合い」を
再開した

休憩の時間にソフトドリンクやお菓子、アイスクリームなどを供され
小休止で頭を冷やして話し合いを続けても

お互い
自分が勝った
と譲らない
議論が続き

タイムアップのブザーが鳴り響いた

司会者より
-話し合いでは埒が開かないようですので
私共からこのようなご提案がございます

「組み打ち」
と書かれたボードとマーカーペンが

スタッフから渡された

そして
「組み打ち」という対決方法の
内容が説明された



キャットファイトのようなスタイル
実力で相手を組み伏せて

勝利を決めて欲しいというものだった


2人はそれぞれに
了承を意味する署名をし

それぞれ
別室に引き上げた

それぞれ
用意された控え室で

「ひよりさんに分からせてあげようと思います」
「リカコさんを懲らしめないと気が済まないです」
「ひよりさんにはこの対決を私とやることになったことを後悔してもらおうと思います」
「リカコさん
それはこっちのセリフです」
というような
闘志を剥き出しにした言葉を並べたて

2人の女はそれぞれの部屋に引き上げて
最後の決闘の支度をし

用意された対決の部屋に入室した

締め切った暗闇のは部屋を松明のような灯りに四方から照らし出す演出が施された20畳ほどの部屋で

2人は
身を包んできた浴衣を脱ぎ向かい合って睨み合った

あのお金を我が子の養育費にしたい

目の前の好敵手たる女より自分が
女として
母親として勝っていたい

様々な思いから来る闘志をたぎらせて

生まれたままの裸体を向き合わせて

相対する

まずは
ひよりがリカコの頬を渾身の力で平手打ちし

リカコもひよりの頬を全力でビンタし

腕四つで互いに組み合わせて押し合い

力比べのように組み合い

豊かな脂肪を称える乳房と
少し浮き出たお腹の脂肪を揺らしながら

ぐるぐると動き回りながら
主導権をつかんだリカコがひよりを投げ飛ばし

投げ飛ばしたリカコが
ひよりを挑発するように

手招きし

ムッとしたようにひよりは
更にリカコに組み掛かり

ひよりが額をつけてリカコを押し

それをリカコが組み止めるような形になり

リカコは堪らず

「あんたな これ 相撲ちゃうねんで」
叫んでひよりを投げ飛ばし

また
ひよりはリカコに組み付き

今度は身体を密着させる形になり

2人の体は互いの汗と母乳

の滴があちらこちらに付着した

今度はリカコがボクシングの首相撲のように

ひよりにひざ蹴りを入れたところを
ひよりが足を掴んで

リカコを転がし

リカこの
顔面を両手で何発か平手打ちし


リカコも負けじと下からひよりを転がし

お返しとばかりに

顔面は何発か引っぱたき

しばらく

どちらかが上になったり下になったりして

転がり回ったあと

また正面から膝立ちで組み合い

りかこは

ひよりの後ろに回り込み

ひよりはそれから逃げようとするが

ヘッドロックで締め上げ
 ひよりは

気を失い


リカコは念願の賞金を受け取り

その美しい肢体に

勝利の月桂樹を首から
掛けられ

誇らしげにインタビューを受けた

その受け答えの内容には

ひよりの根性やファイトを称える言葉や

どうしても子どもの養育費を得るために

同じ母親同士で戦わねばならず内申複雑だったことも

話していた

その
リカコの表情は
母としての強さと自覚に満ち溢れていた

2024年2月6日火曜日

対決企画モノAV 母乳人妻 vs 母乳人妻  上

刺激とお金を求める女性2人が様々な対決を繰り広げるCSの
人気番組の収録が行なわれた

2人の女性が
それぞれにスタッフに連れられて
テーブルの席に着いた

武田ひより 30歳
昨年に次女を出産した

中肉中背のふくよかな身体で
大きな胸が自慢の
身長157センチ

神奈川県の川崎市で暮らす専業主婦である

そして

向いに座るのは

山田りかこ33歳
ひよりと同じような
中肉中背の
大きな胸を揺らす159センチ

彼女は
普段は大阪の吹田市で暮らす
専業主婦で
ひよりと同じように
昨年の2月に長男を出産した

2人とも
一通り今日の内容の説明を受けており
内心
今日の対戦相手と
意識しあうが故に

少し気まずい
薄ら笑いを浮かべながら

スタッフが出すボードを元にトークを始めた

まずは
互いに自己紹介から
よそよそしく会話を始め

子供のことや
育児のこと

などについて話が

およんだところで
新たなボードが出た

『上半身だけ裸になってお互いの体の
感想を言い合ってください』

2人は恥じらいながらも
それぞれにカーディガンを脱ぎ
ブラウスのボタンをはずし
ブラジャーを
はずし


2人の豊満なバストがあらわになった

お互いを

大きいですね

綺麗な形ですね
など
褒め合い


『お互いの母乳を飲み比べあってください 』
ボードが出て

日本の哺乳瓶が渡されると
2人は
それぞれに慣れた手つきで
フタを開け
自分の乳房から母乳を
絞り入れ

互いに交換して
それぞれの哺乳瓶を食わえて飲み比べあった

「りかこさんのは甘いですね」
「ひよりさんのはコクが効いてますね」

2人は味見しながら感想を言い合っていると

スタッフから
『母乳とばし競争 勝った方にお小遣い』
ボードか出て

母乳とばしが始まった

りかこ
1m23cm

ひより
1m15cm

勝ったりかこが見せつけるかのよう
大袈裟に賞金の封筒を振りかざしてて
喜んだ
それを

ひよりが唇を噛むような表情で見つめた


そして

全裸になって
ぞうきんがけ対決を前に
ひよりがりかこに
「りかこさん経験豊富そうな身体されてますね
でもお腹のお肉が」
と感想を述べると

りかこがムッとなった顔をして
ひよりを見つめ

ぞうきんがけ対決は

ひよりが
若さを見せつけるかのように勝利して

りかこに
賞金袋を見せつけて喜んだ

そして
カルタ取り対決
になり
2人は
胸を揺らしながら
読まれた札を取り合った

取り合う中で何度か
身体がぶつかり合い

何度か

取る札に手が重なると

「わたしの方が早かったですひよりさん後でしたよね」

「いえいえ わたしの方がはやかったです
りかこさん手が触れる前に 札の反対側に触れてました」

百人一首の
ルールに則り

2人の話し合いで
どちらの取札か
話し合った

このカルタは
取れた札の枚数に応じて賞金を受け取る方式だが

この
揉めの時間

ぶつかった度に
2人の間に

互いに負けたくない気持ちがより強く芽生えていた

最後に
2人の取った枚数の集計が
発表され
りかこ20枚
ひより28枚

ひよりが大差をつけ勝利し

りかこを見下すような顔で見つめ

りかこはムッとした顔で睨み返した


そして昼食の時間
2人はそれぞれの部屋に別れて
昼食後の相撲対決に備えて
取り組みなどの資料映像を見ながら
インタビューを受け

それぞれに
「やっぱり、年下のひよりさんには負けたくないですね
なんか、あの人
年下なのに偉そうじゃないですか」

「りかこさんのあの、手が重なった時の
モノの言い方にプツンと来てました。
次のお相撲では
あのおばさんがもう嫌だ、ってなるぐらい
虐めてあげたいです

お互いへの負けん気を爆発させ午後の撮影にに臨むのであった

2023年11月19日日曜日

日下ともよ 30歳 こども2人

神奈川の湘南の砂浜に建てられた小屋の中の相撲場

毎週 火曜日と木曜日は女たちの殺気と活気が
満ち溢れる
ここはママさん相撲の強豪クラブ
湘南相撲クラブの練習場だ

女たちが見つめる土俵の片隅で
ともよは
相手の女と裸に白い廻し1枚の姿で組み合う
相手の女の身体からくる
女の体温と肢体の感触と圧力を感じながら

右手は相手の女の廻しをつかみ
左手は相手の女の右手
廻しの後ろ側を掴みあって力を込めて

身体と身体を密着させて押し合う


その前の日の昼過ぎ
ともよがママさん相撲クラブの練習のために
カバンの中に練習用のふんどしなどを詰めていた

カバンの中を見ると
先週までの大きな大会の神奈川県大会のことが
頭に浮かんだ

クラブ内の選考大会や
選考のための個人大会の結果で今回も
Aチームには入れずBチームだったという
悔しさ
そして
Bチームなので
明日はAチームのサポートが主になるだろうと
思うところもあるが

それでも
Bチームの主将として副将の
犬塚くみこと協力し
5人制団体戦に4人で挑んで準々決勝まで勝ち上がったこと
くみこと面倒を見た若い2人も順調に成長し

みんな
個人戦成績も
自己最高を更新したこと

そんな充実した思い出が頭の中に浮かんだ

なにより
Aチームのライバルチームと目される
川崎クラブを
あと一歩まで追い詰めたのは
良い思い出だ

きっと
あの健闘のお陰で
次の対戦で当たったAチームは
川崎クラブに勝てたのだと思う。

それでも
Aチームに対する下克上の思いを
個人戦でも団体戦でも果たせなかったことは
心残りに思い

Aチームが優勝チームとして表彰される表彰式を
内心悔しく思いながら見ていた

そして
一通り荷物を組み終わると

スマートフォンが鳴った
クラブの監督も兼ねる石黒富子から
明日はふんどしの他に廻しも用意して来て欲しいという
LINEが来ていた

こんな全国大会前に
選考試合?
たぶん
全国大会前の実践的な予行練習なのかな
不思議に思いながらも

廻しもカバンに詰めて

迎えた翌日

ふんどしではなく
廻しを締めこんで

集合時間頃に
富子のところにむかった


こないだ神奈川県大会で優勝を決めた
団体戦Aチームメンバーの場合全国大会の実践練習のために
廻しを指定されたのかと
ともよは思っていた

Aチームメンバーは全国大会で着用する神奈川県代表専用の青まわし姿で
Bチームメンバーはひとみとわかなの若い2人だけがふんどし姿

先週までBチームで共に力を合わせて戦った
いぬつか犬塚くみこだけが白い廻し姿だった

そして
小屋の中の長いベンチの
青まわし姿の石黒富子の座る横には
神奈川県代表だけに着用が許される
青い廻しが真新しい状態で置いてあった

すぐに
富子から
くみこと一緒に呼ばれた

ともよもくみこも
内容は勘づいていた

「Aチームのね、たかこが
妊娠してることがわかってね
、ここから1年ほど
おやすみすることになったの
代わりのAチームメンバーを
くみこかともよかどちらかということで
選考試合をやらせてもらおうと思ったんだけど
2人ともどうかなと思って」
富子は
探るように煽るように2人に言った

2人はすこし考え

「やります」
「やりたいです」

くみことともよは
ほぼ同じタイミングで答えた

それから
練習の始めに富子が全員を集め
「先日Aチームの優勝に貢献してくれた久根たかこさんがめでたくご懐妊されました。
それに伴い、国からクラブに補助金が入ることになりました。
でもAチームは全国大会前にメンバーが1人足りなくなるので
Bチームで頑張ってくれていた
犬塚さんと日下さんに
Aチーム入りを掛けた試合をしてもらおうと思います
勝った人がAチームに入るということで
皆さん、異議ありませんでしょうか」
問いかけると
クラブメンバーは承認を意味する
拍手で
賛成の意志を示した

そして
取り組みが始まった
主審役にでAチームキャプテンの
山崎はるみが就き
富子はベンチで見守る

はるみの合図で
ともよとくるみは土俵中央で
互いにぶちかましあって

ともよは
共にBチームを担った
くるみとの対決を悲しむかのように


はげしく張り手を撃ち合い始めた

本当はBチームが優勝して
くるみとは
一緒に喜びあって
全国大会に行きたかった

それでも
1か月前のAチームBチーム振り分けのクラブ内の練習や選考試合では
ライバル同士だった

限りなく全国への確率の高いAチームに入って
全国に出場し
より実力を磨いて
より高みを目指したいと
この9人の中で競い合ってきた

そして
チームの振り分けが終わってからは
Aチームが優先される、
限られた練度環境の中で
知恵を出し合い
力を合わせて4人で支え合いながら
練習を詰んできた

そんな盟友とも呼べる存在になっていた
くみこと
再び、こんな形で相まみえることになるとは

それでも
同じクラブの仲間でも
たとえ、どんなに仲のいい
親友同士でも同じ土俵にあがれば敵同士
そんな
湘南クラブの歴代の先輩たちの教えが
ともよの脳裏に浮かんだときに

くみこの張り手がともよの顎に炸裂した


ともよもくみこの頬をはり
ともよとくみこは
互いに互いに張り手を胸やみぞおちや肩などに
打ち合った

レオタード着用の女子相撲と
裸に廻し1枚のママさん相撲のスタイルの違いとして
ママさん相撲の張り手の激しさが
挙げられるが

この発祥は
湘南相撲クラブで
元々ボクシングやK-1などに精通していた
富子達が
取り組みのなかで
多用することになったことから

全国のママさん相撲愛好者の女性たちに普及して行った
という経緯がある

ママさん相撲は
元々
国が少子化を抑制するための給付金政策で
専業主婦になった主婦たちの間で
YouTubeがきっかけでブームになり
それで
出生率があがるなどしたことに
国が目をつけ
奨励金のような
競技登録者の給付金割増
さらには
公式大会での優勝祝い金
はたまた取り組みごとの勝利者への報奨金
として
お金をだすようになり

その結果
特に格闘技好きの主婦の参加も増えてきた
という流れがあった

そして
張り手も様々に多用されるようになった


くみことともよの
熱を帯びた
張り手の欧州は

くみこがともよの腕を捕まえてから
収束し

廻しを掴み合いながらくみこがともよの胸に顔を埋めての押し合いに
移行し

くみこが右に左にぐねりこみながら
ともよを押し込み
ともよは意地で組み止め
住んでのところで隙をつき
投げを打とうとしたところで

くみこは踏ん張り持ち直し

再び
互いの頬に張り手を打ち合い
張り手を交わしあったあと

今度は
正面から
胸と胸を合わせる形での組み合いになった

そして
経験の差で僅かな隙を
ともよがものにし
くみこを
土俵に沈めた


敗れて崩れ落ちた
くみこをともよは
抱き上げて立ち上がらせ
そして
2人は
健闘を称え合うように
抱擁を交わし合い

土俵の左右に分かれて
例を交わしあった

そして
それらを見届けた
富子は
「それでは
日下さんはAチームに入ってもらいますので
青まわしに着替えてください
犬塚さんはふんどしに履き替えて
ほかのBチームメンバーと一緒に
これから
全国大会までの
サポートも含めてお願いします」
と述べたあと
口調を変え
息を飲んで
この死闘とも言える取り組み
「いい?
わかったでしょ
おなじ仲間内でも
親友同士でも土俵にあがれば
敵同士
どちらかが負け
どちらかが勝つの
そして
Aチームのあなたたち
うかうかしてたら
そのうち
Bチームの子達に
抜かれちゃうわよ
肝に銘じなさい


では
これから
青まわしのみんなは
記念撮影したあと
申しあいよ
これで
団体戦の使い方決めるからね」

そして
練習場の空気は
張り詰め

湘南クラブの
全国大会制覇をめざす道のりが
また始まった。

2023年8月15日火曜日

久米さゆり 25歳

さゆりは

ママ友仲間で

ママさん相撲クラブの仲間でもある
岩田かすみの家に「出稽古」に訪れた

かすみの家では
どうにか相撲が取れるかくらいの広さのリビングで

さゆりも手伝って
テーブルなどの家具を隅にどかし

それから

服を脱ぎ、真っ裸になると
練習用のオレンジのふんどしを締め混んだ

クラブの練習や大会では廻しをつけるが
自分たちの家などで練習する時は

廻しでぶつかって家具などを壊してしまわないようにということと
生地が薄くて
洗濯してもすぐ乾くということで

ふんどしを着用することが一般的だ

かすみも水色のふんどし姿になった 

まずは2人で柔軟などの準備運動を行い
それから

ふたりは部屋の真ん中の大体の位置で蹲踞して向き合い

「それじゃ、遠慮なく行かせてもらうわね」
「ええ 、どこからでもかかっていらっしゃい」
そう軽口をたたきあうと

両手を着いて目で合図し合って

互いの元へ突進し合い

1度身体と身体をぶつけ会うと


さゆりは頬へ
かすみは喉輪に張り手を打ち込み

猛烈な張り手の撃ち合いになった

同じ日に今のママさん相撲クラブに入会して
相撲を始めた
さゆりとかすみ

土俵をおりれば
とても仲が良いが

相撲という1対1で
戦い競い合う競技に興じ

クラブの練習の申し合いだけでなく

同じクラブ同士でも個人戦で
トーナメントを勝ち上がっていくと

さゆりはかすみと対戦することがあるなかで
互いを意識し合うようになり

土俵で出会うと

お互いに
どうしても負けたくない相手と意識し合う間柄になった

個人戦や練習の内容によって
どちらかが団体戦メンバーに選ばれたり
どちらかが外れるということも出てきたので
その思いはひとしおだ

そんな思いをぶつけ合うようにして

張り手を防ぎ合ううちに
組み合う形になった

身体を上下左右に揺さぶりあいながら
組み合っていくうちに

僅かなすきをついてかすみがさゆりを転がし

この取り組みはかすみが勝った


何番も取り組みを行った




そして

あずさを保育園に迎えに行く時間が近づいてきたので

2人は部屋を元に戻し

麦茶を1杯ずつ飲んでから
さゆりはかすみの家を出た

そして
娘を車に乗せ
さゆりは

我が家に帰った

こういう
自主練習は

かすみと
何回かそれぞれの家でやっているが
 今日も

かすみに勝ち越すことができなかった
かすみは
このところ
初めて個人戦上位にくい込んで
徳島県代表の藍色のさがりつきの廻しを着けるようになるなど

最近
かすみに水をあけられている感じがする

家の物干しにワイシャツや下着やくつ下
と並んで
縦と横
2つにバラした
廻しが干されている光景は

ママさん相撲に関わる主婦の家の
物干し場の馴染みの光景になった

ママさん相撲の廻しは
当初期は
縦横一体型のものが主流だったが

参加する主婦たちの超えや
販売するスポーツメーカーの技術革新で
開発研究がすすみ

分厚さの割に風通しがよく
乾燥しやすい素材が
開発され

持ち運びや選択の容易さで

縦横分割タイプの廻しが
主流になった

つける時は縦からつけるか
横からつけるか
様々に付け方の意見が別れる


こうすることにより

よりコンパクトな荷物で
移動できるようになった

さゆりが
子供とお風呂に入っていると

「ママ、今日はお相撲だったの」
娘のあずさがさゆりの
相撲で赤くなった胸や頬やおでこなどを
みて聞いてくるのが
お風呂でのよくある会話になった
「そうよ、お相撲してきたのよ」
と、ゆかりは
子供でもわかるようになったのだなと
感心しながら答え
「ねえ 今日はかずきくんのママには勝てたの?」
などと
子供も聞いてくるようになった

それにしても
始めてみるまでは
張り手の打ち合いがこんなに
痛くて後が残るものとは
さゆりも思っても見なかった




土俵も
土のものから

安全性や
土が着かないということで

専用のウレタンマットが主流になった

最初は美容のためのエクササイズとして
始まったママさん相撲も

政府や自治体が
その美容効果から来る
夫婦間の営みの増加と
それに伴う出生率の増加に目をつけ

ママさん相撲に関わるようになった専業主婦への給付金の上乗せや
公式の大会での優勝賞金や
各取組毎の懸賞金などで


取り組みの内容は全面的に激しくなり

また
張り手の解禁などが

それに拍車をかけた


多くの取り組みでは
対戦相手のバランスを崩すのに用いられるが

ごく稀に
まるで

殴り合うかのように

激しく張り合い

片方が失神して崩れ落ちて決着する
取り組みも出てきた


翌日
かすみとの差を少しでも縮めたいさゆりは
県内の大きなスーパー銭湯に車を走らせた


洗い場で身体を軽く洗い
お風呂セットをカゴに入れて携えると
プレイスペースのウレタンの土俵に向かった

そこでは既に何人かの女性たちが
集まって
相撲に興じていた

周りのベンチに
お風呂せっとを置いて

まずは土俵のまわりで
摺り足や四股やストレッチなどの準備運動を行い

前掛けエプロンのようになった
大浴場の土俵専用のタオル素材のマワシを
締めこんだ

これは

対戦相手募集のサインを意味する

そうしていると

取り組みを終えて
勝った女性が
右手を上げてくれた

そして
さゆりは
右手を上げた

これで
対戦しましょうという約束が成立し

さゆりは
土俵に入った



さゆりは
招いてくれた
若い女性と

土俵中央をはさんで向き合った

廻しやふんどしにはない
股の間の開放感が

ワクワクを呼び覚ましてくれる
 
大浴場では
さゆりは
取り口を組四つに変える

大浴場の土俵では
競技としてママさん相撲をやっている人もいれば


完全なエクササイズやレジャー目的で
ママさん相撲に興じている人もいる

なので
張り手は控えめにするのが
エチケットになっている

もっとも
ママさん相撲クラブ参加者同士とお互い分かった上での取り組みでは

互いに申し合わせた上で張り手などを解禁にすることはあるが

ここでは基本的に
初心に帰って
胸と胸を合わせて組み合い
力比べや揺さぶりあいでの駆け引きに
終始する

時折
レスリングの様な潜り込む技を仕掛けられることもある

肌を合わせて組み合った時に感じる

裸の女同士の肌と肌が合わさって

押し合う感じ
堪らないと

さゆりは感じ
ママさん相撲をはじめたころの気持ちをおもいだすのであった
 

2023年7月16日日曜日

玉川さくら 27さい 子供2人

玉川さくらは
メイク机に座り
鏡に向かって
金髪の短い髪の髪型を整えてから
そのショートヘアの前髪を
ゴムひもで
ちょんまげのように縛り上げた

それをみた長男から
「ママ、今日はお相撲いくの? 」

「そうよ、よく分かったわね」

子供にとっても
さくらがこの髪型にすると

今日はその日だとわかるようだ

今日はさくらのママさん相撲の大会の日だ

ママさん相撲
子を持つ母親にのみ
許された土俵で

その裸体と裸体をぶつかり合わせて競い合う
スポーツ

参加する子持ちの女性たちは
政府の少子化対策の補助金政策で
専業主婦になった子持ちの女性たちが
参加を許される

格好は女子相撲のように
着衣の上から廻しではなく

裸に廻し姿で土俵に上がる

また
ママさん相撲クラブへの入会や
大会への参加など

ママさん相撲競技に参加していると
政府から認定をされると

その専業主婦への給付金が割増され
全国大会への出場などによっても
さらに上乗せされる

また
大会では
取り組みひとつひとつに懸賞金がつく

これらのお金で
子供の養育費などに充てる女性も多い

また
大会での活躍は
周囲からの名声の高まり

子供の有名私立小学校の入学試験の面接などが有利になることもある

それ故に

この子を持つ母親たちにのみ許された
「相撲」の土俵では

ある時期に解禁された
張り手などを交えた
激しい取り組みが多く繰り広げられ

時折 ボクシングなどのような
張り手の応酬で失神KOのような
決着を迎える取り組みも見られる

この土俵には
女たちの
お金
地位
名誉

女たちの望む様々なものが
その相撲の勝者には与えられる

 さくらは夫の運転する車で会場に入り
午前から団体戦に入ってママさん相撲クラブの仲間たちと
合流し
観覧席を確保すると


専用の廻しを抱えて支度部屋に入り
着ていた服を全て脱ぎ
専用の廻しを締め混み

女たちの体温で発散された体臭と日焼け止めの混ざりあった香りが渦巻く部屋の臭いで
これから相撲に望む気持ちを高め

紫外線から肌を守るための日焼け止めを塗りこんだ




着替え終わると

子供たちと相撲場のコンコースを散策した

コンコースを歩き回って
売店などを廻っていると

何人か

裸に廻し姿で
子供を連れた女性に出会う


さくらは
内心気まずい気持ちになる 

これから
こういう自分と同じように
子供を連れた女性と
対戦することになるからだ

それと同時に
様々な大きさや
若々しいピンク色から経験豊富そうな茶色まで色々な色合いが様々なの胸の女性たちを見て

さくらは
何故か闘志を掻き立てられるような
ワクワク感を覚える

もし あの女性たちと土俵で出会った時

どちらかが勝ち
どちらかが負ける

そういう間柄になる

そして
自分とあの女性で
どちらが上なのか

そう考えると胸の奥に沸き立つものを感じる

しかし
また一方
土俵の上は勝負の世界

勝った方の母親の子供たちは勝ちを喜び
嬉しい表情をするが
負けた方の子供たちは悲しい表情を見せる

その女性と土俵で相対した時に

その女性とその子供たちとはそういった間柄になる

自分はあの女性に勝てるのか負けるのか
そういった不安感に苛まれもする

そうこうしてるうちに
取り組みの時間が近づき
とさくらは
子供たちを夫や仲間たちに預け

土俵際の控えの席に座り向こうに座る女性を観察した

この次の取り組みでさくらと対戦する女性だ

そして見ていた取り組みが終わり

さくらは土俵に入った

対戦相手の女性も
長い髪ゴムひもでキリりと束ねあげて

中央に背を向けて1度だけ四股を踏み

土俵の仕切り線の位置で

相手と視線を交わらせつつ

両腕を広げ
相手とタイミングを合わせるように柏手を
打ち

仕切り線に両手をつき

審判の合図で

相手の女と組み合った

手で相手の廻しに手を防ぎ合うように

手と手で押し合い

その後

レスリングのように
低い体制で
組み合った後々

胸と胸を合わせる形で

廻しを掴みあって組み合った


相手の女の身体の臭い
化粧や日焼け止めの香りを
感じながら

自分の体の圧力を相手に掛けながら
相手の身体の圧力を
自分の体で
受け止める力比べをして

して
膠着するかに

思われたが
どうにか
持久力の差で
相手を押し出して

さくらが
勝利を納め

審判の女性から

懸賞金の入った封筒を受け取り

観覧席の家族や仲間たちがいる一角へと戻り

夫に懸賞金の封筒を渡し

スポーツドリンクの入ったペットボトルと
タオルを受け取り

下の子の長女を膝に乗せて
夫が懸賞金で買ってきた
彼女の大好きなりんごジュースを飲ませて上げながら次の取組に向け
心を整えていると

さっきの対戦相手の女性とその家族の様子が
目に入った
下の子が泣き叫んでいる

どうやら
懸賞金で買ってもらう約束をしていた
アイスを買って貰えずに
泣いているのだろう

それを見てさくらは勝負の世界の厳しさ
を思った


そして
次の取組の時間になり

さくらは
控えの間に向かった

次の対戦相手は
さくらより少し若そうで
いかにも
動きの早そうな
ショートヘアの赤髪の女だった

取組の番が来て
土俵際に立ち

目を合わせて
目礼して
土俵に入ろうとしたが

相手の若い赤髪の女は
目を逸らして来た

さくらは
少しムッとした

そして
所作を終えて
取り組みに入る

組み付いてまわしを取ろうとするさくらに
相手の女は両腕を畳んで
ぶつかって来た

さくらの身体は少し後ろに弾け飛んだが
弾けざまに
相手の頬に
張り手を打ち込み

相手の赤い髪の女も

さくらのみぞおちに強烈な張り手を打ち込んできて
しばらく

まるで
殴り合うかのように
張り手の欧州になったところで
相手が
さくらの胸元に額を押し付けて
前みつと
後ろのまわしを掴んできた

さくらも
相手の後ろ廻し両手で掴み

右に左に回転しながら
押し合う形になったが
最後はさくらが

どうに相手の足を浮かせて
土俵の外に投げて

どうにか
2つ目の星をものにした

そして
クラブの仲間たちの元へ戻ると

少し
重苦しい空気に包まれていた

次の対戦が
さくらと
その同じクラブの
石綿 さゆり
との
同じクラブのメンバー同士の対決に
決まったのだった


同じクラブとメンバー同士の対決
初戦などでは
主催者の配慮などにより
早々には起こらないが

同じ個人戦トーナメントにエントリーし
何人か勝ち上がって行けば時折起きる

同じクラブ内のメンバー同士と
気まずくはなるのだが

さくらは内心燃えていた

さゆりは団体戦にメンバーに入って
今日の午前もそれなりに活躍し

さくらは
その団体戦メンバーの5人に入れないことが
多いからだ

ここで
さゆりに勝てば
次は自分もメンバーに入れるかもしれない

そんな気持ちで
さくらは燃えていた

また
さゆりも
逆に
ここで勢いに乗るさくらに負けるようなことがあれば
団体戦メンバーが危うくなるかもしれない
危機感を募らせていた

同門対決は
クラブの練習から
続く
クラブ内の
団体戦メンバー争いや
その他様々なパワーバランスに
影響する
 それ故に

より
火花散る対決になることがある

そして
迎えた
さゆりとの
対戦

さゆりは
彼女の娘に
髪を三つ編みにしてもらって
勝てるようにおまじないを
してもらったようだった

さゆりの
大きく美しい胸元へ
猛然と突っ込むさくらへ

さゆりは
左手を突き出して
のどわを
張り

さくらも
それに応えて
張り手を交換して

何回か張り手を
交えたあとに

さくらは
さゆりの両腰の廻しをつかみ

さゆりもさくらの廻しを掴んで

吊り上げ合いなどで
意地の張り合いを展開し

それから
互いに意地でも廻しから手を離さず
胸と胸を合わせて組み合うなどし


最後は
さゆりが
経験の違いを
見せつるかのように
さくらを土俵に叩きつけるかのように
投げを打ち


さくらは
同門対決に敗れた

そして
席に戻り

悔しさでさくらが泣いてると
子供たちから慰められ

さっき
闘ったさゆりから
「あんた やるじゃないの」
ペットボトルのコーラを手渡された

さくらは泣きながらそれを受け取り
「さゆりさん、次は負けませんからね」

「あたしだって負けないよ
次はあんたに格の違いを見せつけてやるわ」


それから

さゆりは
さくらから力をもらったかのように勢いづき
最後は敗れはしたものの
決勝まで勝ち進み

同クラブ初の
全国大会出場を手にした

そして
その
取り組みから
あの
クラブの先輩をあと一歩まで追い詰めることが
できたことでさくらは自信をもち

団体戦メンバーは

頻繁に個人戦でも優勝争いを繰り広げられるまでになり

さゆりとさくらは
より
お互いを認め合うようになり
クラブの練習の3番稽古などで
頻繁に腕を磨き合う間柄になり

個人戦の決勝戦で
さくらとさゆりの対決が繰り広げられることも
増え

2人の居るクラブも
その
相乗効果で
時折、団体戦でも
全国大会に顔を出すまでに成長した。





2023年5月29日月曜日

野田あきな 26歳 子供1人

とある週末の朝 あきなは夫と子供と共に 伊豆温泉に向かう特急列車サフィール踊り子の
グリーン席に腰掛け つかの間の団欒の中に居た

とは、いっても普通の温泉旅行ではない

招待されての旅行なので、普段の家族旅行とは少し 勝手が違う

あきなは 会社員として勤務していたときに、今の夫と結婚し
出産し
国の専業主婦に対するそれまでの収入と同等額以上の金額を給付し少子化を抑制しようとする国策を
利用する形で仕事を辞めて専業主婦になり、

子供が保育園に通い始めた頃から
ママさん相撲を始めて、3年がたとうとしていた。
最初はママ友から団体戦の人数が足りないからと誘われて始めてみた

最初はやはり 裸で回し姿になることに、強い恥じらいを感じたが

それに慣れると

駆け引きや肌と肌を介した気持ちのぶつけ合いなど
相撲の面白さに魅了されていき

相撲の実力も着実に伸びていき
大会での優勝こそまだ果たせていないものの
次第にママさん相撲YOUTUBEや新聞等のメディア等からも注目される存在に成長し

今回の若い有望なメンバーを関東の各都県から招いて行なう合宿イベントへ招待された。

朝の10時過ぎに温泉街に着くと
家族で街中を散策し

昼食まで済ませ

12時に会場のリゾートホテルに入って支度を済ませると
併設されたアリーナに入り
マワシを締め込んで
受付を済ませた

土俵には
関東の7都県から選ばれた14人の女性たちが集まり

そして
観客席は
普段と違い
周辺クラブメンバーなどのママさん相撲関係者
外部の観客
周辺住民

さらにはマスコミ関係者など
選手家族以外で

ほぼ埋まった状態になり

大相撲のような賑わいを見せていた。

中には
埼玉県内の大会で
何度か対戦したことがあり
1度しか勝てたことがない
垣内ちよみの姿も見つけた

そして
主催者の連盟役員の女性から
今日と明日の概要の説明がされ

そして
最後に
「今日は同じ県内の普段はライバルとして
凌ぎを削っている人とも一緒に練習などをする事になると思いますが
せっかくなので
同じ都県の人との取り組みは控えて
他の都県の人と積極的に対戦してみてください
ということをお願い申し上げて締めくくりとします」

という結びの言葉と共に
ウォーミングアップ程度に

四股やすり足などが始まった

そのあと
東西対抗形式の
西と東に分かれて
それぞれにぶつかり稽古と
申し合いが
東西交互に
始まった

東西の割り振りは
全国優勝の常連とも言える神奈川からきた2人が
東西の横綱のように左右に分かれ
あとは
いかにも
拮抗しないように
各都県の代表を割り振ったような感じだった
そして

もう1人の埼玉県代表のちよみが
東西に割り振られたうちの
神奈川代表の1人との
対戦相手に選ばれていて

自分は
千葉県代表の人との対戦になっていて

そのことに
あきなは少し嫉妬を覚えた

そしてちよみとは
「垣内さん、神奈川の人たちまるで
横綱みたいな扱われ方してますよね
あの東西の割り振り方」
「そうですよね悔しいですよね」
「やっぱり湘南クラブさんが頻繁に全国優勝してるからなんですかね」
「野田さん、見ててくださいね
私が神奈川の今迫さん倒して
埼玉は強いって、見せつけてやります」

このやりとりが
却って
あきなのちよみへの嫉妬心からくる
ライバル心に火をつけた

いつも対戦した時は
互いに負けん気の強さからか
粘り強く手数の多い相撲になり

水切り間際までの互角な内容になる

それでもあきなは
星の数こそちよみの方が先んじているが
いつか
自分があきなに勝って
全国にも行きたいと思っている

そんななかで
埼玉を代表しているのは
自分と宣言されたような気分に
あきなはなった

それで
申し合いの時は
自分のクラブの練習でよくやるように
ライバル意識を抱く
ちよみの番の時に
積極的に申し込んで行って対戦しようと思ったが
役員の
あの言葉を思い出し
踏みとどまった

この申し合は
東西対抗で
同じ
西側のチーム同士とはいえ

同じ県内同士では普段は年などが近い
ライバル同士でも応援しあい

自分の都県のプライドを掛けた
対抗戦のような空気が流れた

あきなも
普段
なかなか対戦できない東京の人の冷静な取り口や
電車道のように力強く推し続けてくる
栃木の人や
レスリング技のような動きを交えた
神奈川の人などとの
対戦を楽しんだが

それでも
応援しあいつつも
常に
ちよみの勝ち負けが気にかかっていた

結果
あきなは3勝5敗

ちよみは4勝4敗

というような内容で
申し合いを
終え
今度は
練習用の白廻しから
各都県のシンボルカラーの廻しに
化粧膜をつけた
化粧まわし姿に着替えて
子供を抱き抱えたりして
全参加者で記念撮影を行い

東西それぞれで記念撮影を行い

そのあと
それぞれの
都県毎で
2人ずつ
それぞれの都県の相撲連盟の広報担当者から
記念撮影や
座談形式でのインタビューが
行われた

2人で
子供を抱いた状態や
化粧まわしをつけて
組み合った状態や
 
笑顔で張り手など
様々なポーズで写真撮影を行い

そのあと
ちよみと対談形式でのインタビューになった

—今回は関東の各都県の若手同士の交流の機会をと期待の若手ということでお2人にこの合宿にご参加頂いたわけですが
普段とは違うメンバーで練習などして如何ですか?

ちよみ
「やっぱり
神奈川がママさん相撲界の横綱みたいになってる感じがして
それはどうかなと思うので
私が今日神奈川の人に勝って
見返そうかなと思います」

あきな
「私は
その神奈川の人との対戦相手に選ばれることは無かったので
明日の個人戦トーナメントで
垣内さんと対戦するところまで勝ち上がって
神奈川の人を倒した垣内さんに勝って
埼玉の強さを証明したいかなと思います。」

—おーー いいですね ここでも同じ県内同士で火花散らしてますね

あきな
「いつも、もうちょっとのところで垣内さんに負けてるので
今回は垣内さんの弱点を見つけて
これから勝っていくきっかけにと思ってます」

ちよみ
「私も野田さんとの対戦では、いつもかなり手こずってるので
野田さんを研究して
もっと楽に勝てるようにしたいなとも思ってます。」

—助け合いつつも
そういったしたたかな考えもお持ちなんですね
ところで

おふたりとも出産1年以内の女性同士の白相撲の大会は経験されてないということで
こういった化粧まわしや
さがりつきの色廻しをつけての相撲などは
初めてかと思うのですが
どういったことを感じられていますか?

ちよみ
「裸に色廻しつけて、化粧まわしの状態になって
いかにもお相撲さんになったなという感じがします
でも、だからこそ
1つでも多く勝って子供たちにいいとこ見せたいなと思います。」

あきな
「垣内さんの言うように
お相撲さんになったなという気分ですね
それと
やっぱり
垣内さんの言うように
かっこよくて強いお母ちゃんを子供に見せるために
勝ちたいなという気持ちが強いですね」

—ありがとうございました。
ここからの東西対抗戦や
明日の個人トーナメントのご健闘を
祈ってます

それと
ご家族の時間等も楽しんでください

あきな、ちよみ
「ありがとうございました。」



それから
あきなは
ちよみと分かれて

支度部屋に入り
まわしの垂れ幕をさがりに付け替えて
準備を整えて行った

埼玉県の連盟のチームカラーの色鮮やかな水色の廻しに
さがりがついているのを見て

なんだか大相撲の力士になった気分になった

だが
やっぱり

下がりをたくしあげての立ち会いは
普段の取り組みと感覚が違いそうに感じたので

夫に相手になってもらい
何度か
立ち会いの一連の流れを練習した。

そして
今日の東西対抗戦の取り組みが
東京の磯野ひろみと茨城の岩崎千尋の対戦で始まった。

東西両側の仕切り線にしゃがんだ2人の若い女は
子供などからの声援を受け
黒とオレンジの
さがりつきの廻しを締めこんで土俵に上り

外を向いてそれぞれに軽く四股を踏んだあと

真っ直ぐに互いを見つめ合って目礼を交わし


さがりの細い線を
左右にたくしあげて
しゃがみ

柏手を打って


背筋を伸ばして
向き合った


廻し1枚の姿で

若い女性特有のハリのある肌は
若い女性ならではの色光を帯び

大きく突きだした乳房の
膨らみは

母としての決意の強さを讃えているようだった。

そして
両者手を付き
審判の
合図で取り組みが始まり

オレンジの廻しの女は
猛然と組みかかり
それを
黒の廻しの女が
オレンジの女の顔の前に伸ばし出した左手で
オレンジの女のバランスを崩し

今度は黒の廻しの女が組みかかったところを
オレンジの廻しの女が
黒の廻しの女の頬を強く張り

黒の廻しの女もみぞおちに張り返し


何発か張り合ったあと
廻しを掴みあって組み合いに持ち込み

右に左に上に下に
乳房と乳房を密着した状態で
激しく組み合い
組み合いの激しさでサガリを落としながら

オレンジの廻しを締め混んだ
茨城の女が

黒の廻しの東京の
女を押し出し

オレンジの廻しの岩崎ちひろが
蹲踞して
目録の封筒を受け取り

子供と夫の待つ観覧席に引き上げ

敗れた黒色のまわしの女も
夫と子供たちに付き添われて
自分の席に戻った。

そう、こう、しているうちに
あきなの出番が近づいてきた

あきなは
廊下でさがりつのいた廻しを締め込み
頬を叩いて
気持ちを取り組みに向けた

いつもとは違う
水色の廻し

そして
暖簾のように垂れ下がった
さがり

いつもの相撲とは
全然違って見えた


呼び出しの声に促されて
あきなは土俵に入った

対戦相手の千葉の女もサガリの付いた赤い廻しを締めこんで土俵にはいってきた

相手の女もあきなと同じぐらい
小柄な女だった

あきなは最初
懐に潜り込んで
足を取りに行こうと
考えていたが

立ち会い

相手の女の体の大きさを見て
あきなは

正面から組み合って戦うことを決めた

あきなと相手の赤い廻しの女は
立ち会い
互いの腕や肩に張り手を打ち合い
主導権を探りあったあと

互いに互いの張り手を防ぎ合ううちに
力比べのように
手で二の腕を押し合う形になり

体格差の少ない2人の押し合いは
拮抗し

上下に揺さぶって
バランスを崩しあいを図るも決着せず





胸を合わせて
廻しをつかみあって
組み合うかたちにもつれこんだ


くみあいながらも

上下に左右に様々に
体制を入れ替え

投げに入れる体制を
奪い合うように探り合い
ながら組み合った

廻しを引き付け合い

乳房や腹などから伝わり来る互いの体温や
強い腕の動きを
感じ取り合いながら

完全な主導権は互いに渡すまいと
意地の張り合いのような
膠着が続いていたが

あきなの右手がどうにか
相手の赤い廻しを捕まえ直し

赤い廻しの女を地面にたたきつけ

蹲踞をし
審判から祝儀金の入った封筒を受け取り

子供と夫と
自室に引き上げ
シャワーで取り組みでついた砂と汗をながし
部屋のテレビモニターで自分のあとの取り組みを見ながら休んでいて
気がついたら
疲れからか眠りこんでいた。

ちよみの取り組みを見ようと
ソファに腰かけて
モニターを見ていたのに

そして
夜になり
夜の晩餐会の時間が近くなり
夫に起こされた

夫からはちよみは
負けたと聞かされた

県内で最大のライバルと意識する相手の取り組みを
この目に焼き付ける機会を逸したことをあきなは悔やんだが

同時に
千代美は負けたが
自分は勝ったということで
少し乙に浸った

急いで
化粧を直し
短パンとTシャツ姿から旅館の浴衣姿に着替えて
会食会場に向かった

ビュッフェ形式の食事会には
参加選手や
その家族

各県の相撲連盟の役員などが
一堂に会し

思い思いに談笑したり
食事を楽しんだりした。

あきなは多くの連盟役員が
ねぎらいの言葉を
かけに来た

また
対戦相手の東京の女性とも
談笑し
こどもたち共々すっかり仲良くなるなど

他県の様々な選手と談笑し
交流を深めた

同じ県のちよみとは
会食中
一度も話すことはなかったが
あちらもそれなりに楽しそうに
過ごしてる様子が見て取れた

そして
会食が終わり

ふと
そこでかいた汗を流そうと
子供たちを夫に任せて大浴場に行き
湯船の中で瞑想にふけろうとしていると

ちよみもお風呂に入ってきた
そして広い浴槽に入り黙ってあきなの横で座ると
「今日は もうちょっと 稽古したいな」

今日 本番ともいえる一番で負けた鬱憤のたまっている
ちよみはあきなを煽るように言ってきた
「あら 熱心ね」
「あなたが勝って 私が負けちゃったんですもの 尚更ね」

あきなもちよみが自分より強いメンバーとの大事な取り組みを任された
嫉妬心などからくる対抗心でこう返した
「わたしもちよみさんに勝って全国行きたいから
稽古しなくちゃね」
「ちょうど いいじゃない
いま ここで3番稽古なんてどう?」
「いいわね この広いお風呂の中でお相撲
楽しそうじゃない」

「私に負けてあなたがおぼれ死なないか心配だけど
このスリルがいいのよね きっと」
そう
互いのライバル心や嫉妬心からくる
売り言葉に買い言葉のようなやり取りの後

二人は
大きな湯船の真ん中で手をついて
から
組み合った

どちらかが投げを打って相手湯船に沈めれば
もう一方もその次で
投げ返し

貼りても激しく打ち合い

胸を合わせて激しく組合い

さらに腕四つの力比べなど
さまざまな形になって
何番も何番も対戦し

ついには
興奮した千代美の肘が
あきなの頬に強く当たったことで
あきなも
こぶしの突きを相手の
頬に見舞い

それに怒った
ちよみは蹴りを
何発も返し


ついには浴槽のそとで
喧嘩のような組み合いになり
どちらかが上になり下になる 

取っ組み合いに
なり

それぞれ息を疲れたところで

座り込み

それぞれの部屋に帰っていった

あきなは千代美には負けたくない気持ちを
より強くし

2日目の個人戦トーナメントに臨むのだった。