2009年3月27日金曜日

夜の祭り 11

張り手を2分近く激しく打ち合いともことのりこの身体は真っ赤に腫れ上がっていた

やがて勝負は互いの手と手を組み合い

胸を揺らめかせながら
互いのバランスを奪いあう手押し相撲に移っていた

二人の女は背中を固く強ばらせ

その豊かな胸を揺らめかせながら

互いを右に左に上に下に

揺すりあいながら腕力を比べあい

腕力で僅かに優勢にたった正妻が夫の元恋人の女を自らの身体の下に引き込んで浴びせ倒し

正妻に軍配があがったのだった

かつて
この土俵は男を奪った女と奪われた女がその決着をつけるためにも使用されてきたが

今回はその戦いが再現され正妻に軍配があがったという形で幕を閉じた

正妻は元の女に見下ろすかのような優越感に満ちた眼差し眼差しで元の女を見

敗れた元の女は
悔しさで唇を噛みしめながら土俵をあとにした

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