やがて勝負は互いの手と手を組み合い
胸を揺らめかせながら
互いのバランスを奪いあう手押し相撲に移っていた
二人の女は背中を固く強ばらせ
その豊かな胸を揺らめかせながら
互いを右に左に上に下に
揺すりあいながら腕力を比べあい
腕力で僅かに優勢にたった正妻が夫の元恋人の女を自らの身体の下に引き込んで浴びせ倒し
正妻に軍配があがったのだった
かつて
この土俵は男を奪った女と奪われた女がその決着をつけるためにも使用されてきたが
今回はその戦いが再現され正妻に軍配があがったという形で幕を閉じた
正妻は元の女に見下ろすかのような優越感に満ちた眼差し眼差しで元の女を見
敗れた元の女は
悔しさで唇を噛みしめながら土俵をあとにした
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