2012年6月2日土曜日

町の女相撲大会

いよいよ小枝子や町の女たちが目標としてきた四地区対抗戦の日がやってきた
四地区対抗戦は20代の部、30代の部、40代の部がそれぞれ別の日に町一番の大きな相撲場で開催される
この大会では4地区が総当たりで5人1チームの団体戦を戦い、それぞれの地区の名誉をかけて戦った後
勝ち数が一番多かった女たちが総当たり戦を行い、この大会の個人優勝を争うのである
個人戦は地区に関係なく、勝ち数の多い女が出場するので西地区で次鋒として出場する小枝子が西地区対象の座を射止めたのりこに雪辱を期す機会ともなりうるのだ
ゆりこは同じ西地区ののりこへの雪辱への思いを秘めながら、あの日とは違う白回しを締め込み、西地区と刻印された前掛けをつけ、鍛え上げてきた肢体を揺らしてウォーミングアップを行っていた

以前、銭湯でわが子たちの前での一戦を交えて以来、懇意にしていた石塚ゆり子と出会った
「私も次鋒なの、確実に当るわね。
小枝子さんとここで戦えるのを楽しみにしているわ」
「ええ、負けないわよ。私のあの日から成長ぶりとくと見せてあげるわ」
この日、会場となった町の大きな武道場は女たちの熱気と秘めたる闘志に満ち満ちていた

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