2009年12月9日水曜日

本能の選考

ある3月の日の夕方、都内のマンスリーマンションで仙台の私立大学に通う大学3年生のマキコの携帯がなった
「こんにちは、私はホンノウ新聞の富田という者ですが、石原マキコさんの携帯電話でまちがいなかったでしょうか」
マキコが第一志望にしているスポーツ新聞社からの電話だった
「はい、まちがいないです」
「本日は弊社の次の選考のご案内についてお電話させていただいたのですがお時間宜しかったでしょうか」
「はい大丈夫です、ありがとうございます」
マキコは嬉しさの混じった声で電話に答えた
マキコは学内の友人達と共に春休みの間に地方から東京まで出てきて就職活動を続けてきたのだが
これまでホンノウ新聞のほかいくつかの企業の選考に参加してきたのだが
ホンノウ新聞を覗いては立て続けに落ち続け
春休み終了間際にしてもはやホンノウ新聞しか手持ちがなく後がない状態だったのだ
かくしてマキコは連絡事項をメモし電話を終え、選考の日になり、選考の集合場所に向かった
集合場所の待ち合わせ場所の地下鉄の駅には就活生らしきスーツ姿の女子学生が7人いた
そのうちの一人に話しかけてみた
「あのすいませんホンノウ新聞の選考ですか?」
「はいそうですが、あなたもですか?」
とかえってきた
他の6人もどうやらホンノウ新聞をうけにきたようだった
こうして8人は情報交換などで盛り上がっていたところ
駅のロータリーに1台のマイクロバスが滑り込んできた
バスからは人事の女性社員がおりてきて受付確認を行い8人はバスに乗り込んだ

もうあとがない
今日はどんなことをするんだろう
そんなマキコのきもちをよそに
バスは体育館のような施設に入っていった

そして
体育館のような施設のなかに案内されるままに入って行くとそこには土俵があり
長机がおかれていた
相撲部屋の相撲場ようになっていた今日はこれ見て模擬記事かなと真紀子が思っていると
人事の女性社員3人がおおきなカゴのような箱を部屋に入ってきた

そして今日の選考事項の連絡が始まった
「本日は皆様お忙しい中、弊社の4次選考にお集まりいただきありがとうございます
本日の選考に関しましてですが、本日は皆様が志望しておられる記者に必要な資質をみるための研修です
本日は相撲に取組んでいただきます」
と告げ
白くて長い布が手渡された。

0 件のコメント:

コメントを投稿