2023年7月16日日曜日

玉川さくら 27さい 子供2人

玉川さくらは
メイク机に座り
鏡に向かって
金髪の短い髪の髪型を整えてから
そのショートヘアの前髪を
ゴムひもで
ちょんまげのように縛り上げた

それをみた長男から
「ママ、今日はお相撲いくの? 」

「そうよ、よく分かったわね」

子供にとっても
さくらがこの髪型にすると

今日はその日だとわかるようだ

今日はさくらのママさん相撲の大会の日だ

ママさん相撲
子を持つ母親にのみ
許された土俵で

その裸体と裸体をぶつかり合わせて競い合う
スポーツ

参加する子持ちの女性たちは
政府の少子化対策の補助金政策で
専業主婦になった子持ちの女性たちが
参加を許される

格好は女子相撲のように
着衣の上から廻しではなく

裸に廻し姿で土俵に上がる

また
ママさん相撲クラブへの入会や
大会への参加など

ママさん相撲競技に参加していると
政府から認定をされると

その専業主婦への給付金が割増され
全国大会への出場などによっても
さらに上乗せされる

また
大会では
取り組みひとつひとつに懸賞金がつく

これらのお金で
子供の養育費などに充てる女性も多い

また
大会での活躍は
周囲からの名声の高まり

子供の有名私立小学校の入学試験の面接などが有利になることもある

それ故に

この子を持つ母親たちにのみ許された
「相撲」の土俵では

ある時期に解禁された
張り手などを交えた
激しい取り組みが多く繰り広げられ

時折 ボクシングなどのような
張り手の応酬で失神KOのような
決着を迎える取り組みも見られる

この土俵には
女たちの
お金
地位
名誉

女たちの望む様々なものが
その相撲の勝者には与えられる

 さくらは夫の運転する車で会場に入り
午前から団体戦に入ってママさん相撲クラブの仲間たちと
合流し
観覧席を確保すると


専用の廻しを抱えて支度部屋に入り
着ていた服を全て脱ぎ
専用の廻しを締め混み

女たちの体温で発散された体臭と日焼け止めの混ざりあった香りが渦巻く部屋の臭いで
これから相撲に望む気持ちを高め

紫外線から肌を守るための日焼け止めを塗りこんだ




着替え終わると

子供たちと相撲場のコンコースを散策した

コンコースを歩き回って
売店などを廻っていると

何人か

裸に廻し姿で
子供を連れた女性に出会う


さくらは
内心気まずい気持ちになる 

これから
こういう自分と同じように
子供を連れた女性と
対戦することになるからだ

それと同時に
様々な大きさや
若々しいピンク色から経験豊富そうな茶色まで色々な色合いが様々なの胸の女性たちを見て

さくらは
何故か闘志を掻き立てられるような
ワクワク感を覚える

もし あの女性たちと土俵で出会った時

どちらかが勝ち
どちらかが負ける

そういう間柄になる

そして
自分とあの女性で
どちらが上なのか

そう考えると胸の奥に沸き立つものを感じる

しかし
また一方
土俵の上は勝負の世界

勝った方の母親の子供たちは勝ちを喜び
嬉しい表情をするが
負けた方の子供たちは悲しい表情を見せる

その女性と土俵で相対した時に

その女性とその子供たちとはそういった間柄になる

自分はあの女性に勝てるのか負けるのか
そういった不安感に苛まれもする

そうこうしてるうちに
取り組みの時間が近づき
とさくらは
子供たちを夫や仲間たちに預け

土俵際の控えの席に座り向こうに座る女性を観察した

この次の取り組みでさくらと対戦する女性だ

そして見ていた取り組みが終わり

さくらは土俵に入った

対戦相手の女性も
長い髪ゴムひもでキリりと束ねあげて

中央に背を向けて1度だけ四股を踏み

土俵の仕切り線の位置で

相手と視線を交わらせつつ

両腕を広げ
相手とタイミングを合わせるように柏手を
打ち

仕切り線に両手をつき

審判の合図で

相手の女と組み合った

手で相手の廻しに手を防ぎ合うように

手と手で押し合い

その後

レスリングのように
低い体制で
組み合った後々

胸と胸を合わせる形で

廻しを掴みあって組み合った


相手の女の身体の臭い
化粧や日焼け止めの香りを
感じながら

自分の体の圧力を相手に掛けながら
相手の身体の圧力を
自分の体で
受け止める力比べをして

して
膠着するかに

思われたが
どうにか
持久力の差で
相手を押し出して

さくらが
勝利を納め

審判の女性から

懸賞金の入った封筒を受け取り

観覧席の家族や仲間たちがいる一角へと戻り

夫に懸賞金の封筒を渡し

スポーツドリンクの入ったペットボトルと
タオルを受け取り

下の子の長女を膝に乗せて
夫が懸賞金で買ってきた
彼女の大好きなりんごジュースを飲ませて上げながら次の取組に向け
心を整えていると

さっきの対戦相手の女性とその家族の様子が
目に入った
下の子が泣き叫んでいる

どうやら
懸賞金で買ってもらう約束をしていた
アイスを買って貰えずに
泣いているのだろう

それを見てさくらは勝負の世界の厳しさ
を思った


そして
次の取組の時間になり

さくらは
控えの間に向かった

次の対戦相手は
さくらより少し若そうで
いかにも
動きの早そうな
ショートヘアの赤髪の女だった

取組の番が来て
土俵際に立ち

目を合わせて
目礼して
土俵に入ろうとしたが

相手の若い赤髪の女は
目を逸らして来た

さくらは
少しムッとした

そして
所作を終えて
取り組みに入る

組み付いてまわしを取ろうとするさくらに
相手の女は両腕を畳んで
ぶつかって来た

さくらの身体は少し後ろに弾け飛んだが
弾けざまに
相手の頬に
張り手を打ち込み

相手の赤い髪の女も

さくらのみぞおちに強烈な張り手を打ち込んできて
しばらく

まるで
殴り合うかのように
張り手の欧州になったところで
相手が
さくらの胸元に額を押し付けて
前みつと
後ろのまわしを掴んできた

さくらも
相手の後ろ廻し両手で掴み

右に左に回転しながら
押し合う形になったが
最後はさくらが

どうに相手の足を浮かせて
土俵の外に投げて

どうにか
2つ目の星をものにした

そして
クラブの仲間たちの元へ戻ると

少し
重苦しい空気に包まれていた

次の対戦が
さくらと
その同じクラブの
石綿 さゆり
との
同じクラブのメンバー同士の対決に
決まったのだった


同じクラブとメンバー同士の対決
初戦などでは
主催者の配慮などにより
早々には起こらないが

同じ個人戦トーナメントにエントリーし
何人か勝ち上がって行けば時折起きる

同じクラブ内のメンバー同士と
気まずくはなるのだが

さくらは内心燃えていた

さゆりは団体戦にメンバーに入って
今日の午前もそれなりに活躍し

さくらは
その団体戦メンバーの5人に入れないことが
多いからだ

ここで
さゆりに勝てば
次は自分もメンバーに入れるかもしれない

そんな気持ちで
さくらは燃えていた

また
さゆりも
逆に
ここで勢いに乗るさくらに負けるようなことがあれば
団体戦メンバーが危うくなるかもしれない
危機感を募らせていた

同門対決は
クラブの練習から
続く
クラブ内の
団体戦メンバー争いや
その他様々なパワーバランスに
影響する
 それ故に

より
火花散る対決になることがある

そして
迎えた
さゆりとの
対戦

さゆりは
彼女の娘に
髪を三つ編みにしてもらって
勝てるようにおまじないを
してもらったようだった

さゆりの
大きく美しい胸元へ
猛然と突っ込むさくらへ

さゆりは
左手を突き出して
のどわを
張り

さくらも
それに応えて
張り手を交換して

何回か張り手を
交えたあとに

さくらは
さゆりの両腰の廻しをつかみ

さゆりもさくらの廻しを掴んで

吊り上げ合いなどで
意地の張り合いを展開し

それから
互いに意地でも廻しから手を離さず
胸と胸を合わせて組み合うなどし


最後は
さゆりが
経験の違いを
見せつるかのように
さくらを土俵に叩きつけるかのように
投げを打ち


さくらは
同門対決に敗れた

そして
席に戻り

悔しさでさくらが泣いてると
子供たちから慰められ

さっき
闘ったさゆりから
「あんた やるじゃないの」
ペットボトルのコーラを手渡された

さくらは泣きながらそれを受け取り
「さゆりさん、次は負けませんからね」

「あたしだって負けないよ
次はあんたに格の違いを見せつけてやるわ」


それから

さゆりは
さくらから力をもらったかのように勢いづき
最後は敗れはしたものの
決勝まで勝ち進み

同クラブ初の
全国大会出場を手にした

そして
その
取り組みから
あの
クラブの先輩をあと一歩まで追い詰めることが
できたことでさくらは自信をもち

団体戦メンバーは

頻繁に個人戦でも優勝争いを繰り広げられるまでになり

さゆりとさくらは
より
お互いを認め合うようになり
クラブの練習の3番稽古などで
頻繁に腕を磨き合う間柄になり

個人戦の決勝戦で
さくらとさゆりの対決が繰り広げられることも
増え

2人の居るクラブも
その
相乗効果で
時折、団体戦でも
全国大会に顔を出すまでに成長した。





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