2022年12月31日土曜日

澤田リカコ34歳 子供3人

リカコは国の専業主婦を対象とした給付金政策で
仕事を辞め
専業主婦になった

そして
ある日

裸にまわし1枚の女たちが
取っ組み合って相撲をとり
 
勝った女が
賞金の封筒をわが子に手渡し
子供と喜び合う

ママさん相撲のプロモーション動画が
YouTubeが目に止まった

さらには
その日
入賞した女性たちが
その日賞金としてもらったお金を
自慢げに
扇のように広げてはためかせるシーンなどが映っていた
 



特に相撲が好きとかでは
無かったのだが

その他にも

ママさん相撲の選手に密着した
動画なども見て

なんとなくママさん相撲をやりたいと思った

学生時代に打ち込んだバスケットボールで

ボールの奪い合いに強く

相手をボールの奪い合い最中になぎ倒したことも何度もあったので


フィジカル面の強さにはどことなく自信があった 


車で30分ほどのとこに練習場がある 
山城クラブが
新入部員募集しているということなので
ホームページから応募した

応募したからと言って入部ではなく

入部テストを経ての入部となるということのようだ



りかこは
通っているジムのエクササイズの
相撲の講座を受講し始めた

講座は平日の昼間だったので
主婦ばかりの講座だった

男性の講師が指導し
普段トレーニングで着用している
Tシャツに短パンなどの上から
ママさん相撲専用のまわしを着用し


まず最初に相撲健康体操を行い
そのあと四股を踏み

すり足を行ない

希望者のみ
取り組みの時間に入る

取り組みの時間
様々な女性と
組合ながらかけひきをし 
様々な技をかわし

また
自分も掛けてみて
という時間は
りかこには非常に刺激的で
りかこは相撲の奥深さに魅了されて行った

何人かは
りかこと同じく
ママさん相撲クラブの
入部テストを受けるという人も居た

ジムの関係者や男性講師に
専用の講座を作ってもらうように

掛け合った

ママさん相撲ということで
女性が裸にまわしで相撲を取るということで

最初は男性講師などから渋られたが

りかこたちの熱意にほだされ

次第に
熱の篭った指導をしてくれるようになった

この講座が始まる前からも
りかこは夫に頼み込んで
練習相手になってもらったりしているが

女性同士で直に肌を合わせて相撲をとると
組み合った時に肌の温度を通して伝わってくる
互いの気持ちの昂りや緊張感など

裸の女性同士ならでは強い感じ方をする


そしてそれが
子宮と子宮から発せられる闘争心をぶつけあう
女同士の勝負を楽しむ感じ

着衣の相撲とはまた違った熱いものに感じられ

りかこを相撲に対してさらに惹きこんでいった


このジムでの特別な練習を通して
若草クラブへの入部を目指す稲森さゆり

梅小路クラブに加入を目指す岩橋まさこ

夫の転勤により宮津クラブへの入部を志望する
石毛みつこ
とはその後も連絡を取り合う仲になっていった








そして
山城クラブの入部テストの日を迎えた

「澤田リカコ 27歳  学生時代はバスケットボールをやってました。
フィジカルコンタクトには自信があります」

「山本レオナ 27歳  2年前までキックボクシングやってました
首相撲に自信があるので
次はお相撲をやってみたいと思い
今回、挑戦させていただきました。
よろしくお願いいたします。」

日を同じくして入部テストを受ける
山本レオナと初めて顔を合わせた。

さすがに元々キックボクシングをしていた
だけあって
細身ながらも筋肉ののった体つきをしていて

バストもしっかりつきだしている体つきをしていた



クラブのエース格の戸坂さとみの指導をうけながら
四股や股割りやすり足などの練習をこなし

鉄砲で張り手の練習などをしながら先輩たちの申し合いを見学した


そして
テストも大詰めで
レオナとりかこの
取り組みになった

まわし姿で向こうの仕切り線に居る
レオナ

さっきまでは
和気藹々と談笑しながら
練習メニューを、共にこなして来たが
恐らく勝った方が
このクラブへの入部の権利を勝ち取るのだろう

そう感じて
りかこは燃えた

立ち会い

審判役のさとみの合図とともに

りかこはレオナに組み付いた

レオナの張り手を封じたかった狙いもあったが
組み合った時の力比べに自信のあるりかこは
レオナと力を競いたいと思い
りかこはレオナの懐に飛び込み互いにまわしを掴み合い組み合った
組み合った時に
レオナの筋肉質な割にしっかりと突き出た
お尻や胸の感触を感じ
こんなモデル体型の女には
相撲で負けたくないと
りかこはレオナの廻しの
両腰の当たりを掴み

レオナもそれに答えて
りかこの廻しをしっかり掴み
力比べを受けてたった

3分程にも及ぶ力比べは
りかこが意地でレオナを押し出して

大一番を制した

ふと
りかこが安堵したのも束の間
「さあ、次よ
トーナメントは何番もお相撲をとるし
団体戦は勝つと矢継ぎ早に次の1番なのよ
さとみの激とともに
次の1番を促された

次の1番は

組みつこうと下ところ

突っ張り1つで間合いを外され

突っ張りを何発も繰り出し会う
始まりになり

最後は手押し相撲のように

バランスを崩したりかこが地面に転がされる形となって
レオナに軍配が上がった

さとみはまた次の1番を促してきた

次の1番はしばらく張り合いつつ
組合に持ち込み

わずかのスキをついて
りかこが大外でレオナを投げ飛ばし
りかこが勝った

また
さとみが次の1番を
促し

今度は最初組み合っていたところを
レオナがりかこの右足を掴みあげ
りかこの踏ん張りも虚しく
りかこを地面に転がした

こうして
10番ほど続けて
りかことレオナは
一進一退で
対戦し続け

ようやく
さとみから

この三番稽古の終わりが告げられた

そして
監督の平野レミから
「2人とも合格よ
この段階で何番もお相撲とれるスタミナがまず素晴らしいわ 
手数の豊富さも感動したわ 」
労いの言葉と共に合格を告げられた
そして
「でも、来週の団体戦に出てみたい人にこれから特別の練習あるんだけど
2人ともどう?」

と尋ねられた

りかことレオナは
高揚感のまま
その練習を志願した

すると
廻しを脱いで
全裸になり
手渡された下着のパンツ1枚の姿になることを指示された

「うちのクラブではたまに練習にMMAを取り入れているの
闘争心を養うというのもあるんだけど
女子相撲もそうだけど
女同士のお相撲って
男性のお相撲よりいろんな技がでてく るから
いろんな闘い方に柔軟に対応できるようにって
意味を込めたの」
そうさとみから説明された

「もちろん、これに勝った方が
来週の団体戦のメンバーよ
MMAとは言うけど打撃はビンタだけにしてね
その渡したパンツを脱がした方が勝ちよ」


と  
ルール説明のもと
レオナとりかこの取っ組み合いのような特別練習が始まった

りかことレオナは互いに頬をビンタしあい
闘い始めた

そして
組かかろうとするりかこの手を
レオナが強く叩いて
止め
 懐に潜り込んで片足を取りに来るレオナを組み止め

得意の組合に持ち込み
レオナを押し倒して
レオナの上に乗り


上から怒涛のビンタで体力を消耗させて
パンツを取ろうと考えていると
すかさず
レオナは上下入れ替えてきて

レオナとりかこは転がりながら
上に下にと
体制を入れ替えながら組み合い

最後は
一瞬の隙をついたレオナが
りかこのパンツをぬがし

来週の団体戦メンバーを勝ち取った


下の子とお風呂に入ると
子供には
なんでお母さんの体
そんなに赤いん?
驚かれた

それでも個人戦で当たった時
この雪辱晴らそうと
りかこは心に近い
自宅でのトレーニングや
ジムでの練習に熱が入るのだった


そして
迎えた初めての大会

個人戦では
相手の気迫に圧倒され
1回戦で敗れ

団体戦は最初
メンバーの負傷などに備えて
廻しはつけつつ
サポートについた

レオナは
先方として起用され

いきなり
最初の試合で2勝をあげ
クラブの勝利に貢献した

そして

次の試合の若草クラブ戦では

中堅に入ったメンバーを温存するため
りかこが次鋒で起用された

まさかこんなにも早くと
正直
困惑している自分もいた

この若草クラブ戦では
メンバー構成が変更され
れおなは副将の位置で起用されていた

そして
りかこの初めての
団体戦の土俵を務める時がやってきた
向かい側からは
共にジムで練習する稲森さゆりが
入ってきた

若草のゼッケン入った廻しをつけた
さゆりを見て

言わば同期同士なのでより負けたくない気持ちが強くなった


さゆりとのこの対戦では

何発か張り手を
肩や頬や胸に当て合い
互いに踏み込みながらバランスを崩し合い
そして組み合い

一時は拮抗し
互いに負けたくない意地をぶつけ合い
膠着した状態に入ったが

寸での差で
さゆりが
りかこを土俵際で押し出した

りかこは負けた悔しさで涙した


そして
それから、しばらく
りかことレオナは
団体戦の前などは
ほぼ必ず三番稽古で対戦するようになった


たまにりかこが、勝って

メンバーに入ったりはするも
れおなの活躍は輝かしく

個人戦などでは

頻繁に全国大会に顔を出したり
するようなり

京都府のママさん相撲の若手の有望株として
名を上げて言った

りかこは
レオナが貰った優勝商品の真新しい車をみて
悔しさで唇を噛み締めるなど

そんなライバルの存在に刺激を貰いつつ
強く嫉妬心を抱きながら
りかこも実力をつけ

常に団体戦メンバーに入るまでになっていった

それでも
個人戦では勝ちきれず

あと1歩のところでれおなと個人戦で対戦し
全国大会を逃すということもあった

それでもいつかはと
強い気持ちを持ちつつ練習した

そして
りかこは新たに
子供を身ごもり出産し

その年を子供を産んだ母親達だけのママさん相撲の大会では
無類の強さを魅せて優勝を飾った

それでも

府内屈指の実力を身につけたレオナにはなかなか歯が立たない日々が続いていた

それから
監督としてもチームの役割をこなしていたさとみの引退が決まり
レオナがその後任に決まった

そこでもやはりレオナなのか
という悔しさで
頭をもたげたが

久しぶりのクラブとしての団体戦の全国大会前のメンバー選考で
れおなに勝利し大将の座を勝ち取り


また
この、大会で
団体戦としても久々に
全国で上まで勝ち上がり

自信をつけ

ここから
りかこの大ブレークが始まり

京都府大会での決勝などでの
れおなとの同門対決に勝つことも増え

りかこの名は
京都が誇る
遅咲きの大横綱として
全国に知れ渡るようになった



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