2022年7月26日火曜日

山形あきこ 36歳 こども2人

あきこはコールセンターに勤務していた。
そのときの仕事のストレスで太りはじめたのをきっかけに
ダイエットや美容に関するYOUTUBEを投稿していた。
それから、やがて知り合いの紹介で知り合った男性と結婚して
一人目の子供が生まれてしばらくしたところで

国の子持ち女性に対する
給付金政策が始まり
それまでのコールセンターの収入とほぼ同額の収入が貰えることになり
コールセンターの仕事を辞めた。

この給付制度は
フルタイムの仕事に対しての条件付きの支給制度であり
YouTuberのような時間の縛りのない仕事は
支給対象からはずれる条件にないことがわかり
YouTubeへの投稿は続けた

なんとか
収益化の条件の登録者数と再生時間数は
突破した
でも、なにか
盛り上がりが足りない

そんなとき
かつてあきこが所属した大学のゼミの教授の姫野ユキが
相撲やレスリングなどの格闘技を介した肌のふれあいが、女性のホルモンを刺激し
ダイエットや美容に絶大な効果があるのではないかとの仮説の論文を学会に出したいので
協力して欲しいという依頼をされた

また、なるべく何も着ない裸に近い格好での動画をつくって欲しいということも頼まれた。

格闘技の動画となると対戦相手が必要だ
その当時、30代前半のあきこと50代半ばの姫野教授がやるにしても
年齢が離れすぎていて、身体的にもいろいろとかけ離れていて
よい検証結果が得られそうにない。

どうせなら、戦う上で負けたくない気持ちが燃え上がる相手が良いとあきこは思った。

そして、あきこと年も近く、同じ主婦で、あきこと似通ったジャンルのエクササイズ動画を投稿している
YOUTUBERの中原ひろえに声をかけてみることにした。

全裸での動画撮影と言うことで
最初は渋られたが、裸でやることの科学的な意義を丁寧に姫野教授とともに説明し

ひろえの動画には2人でやる体操の相手役として出演することで話の折り合いがつき
動画撮影が始まった。

まず、撮影前に血液検査を行ない
なにかしらの格闘技を行ない
そのあと
また、血液検査をして
そのあと検査の数値内容を元に姫野教授が経過説明や解説を行なう
という内容で

これを撮り終えてから
ひろえのエクササイズ動画にあきこが出演して
振り返りトークも交えて撮影するということを
週一回ずつ行なっていくという
流れで撮影は行なわれた。

毎週、姫野教授が用意した
大学の一室に集り
血液等の検査の後
全裸レスリングや全裸相撲など
を行い
そしてまた検査を行い

ひろえの動画で
身体をケアする目的のエクササイズを行ない

後日、姫野教授の解説動画も添えて編集して投稿するというYOUTUBERとしての一週間を過ごした。

このシリーズ
一回目は全裸相撲

いつものように
「三十路過ぎてもどんどんキレイになっちゃうぞ~  あきこLABO」
とあきこの動画のいつもの前フリで始まった

そして
あきことひろよが全裸姿で登場し
「今週からしばらくは
ひろよエクササイズのひろよさんとコラボで対決企画をやっていきたいと思います。」
パチパチ

この頃のYouTubeは
女性の裸に関する規制が緩和され
美容目的の動画なら
女性の裸姿は規制されなくなった

「今週は全裸でお相撲します」
「あきこさん負けませんよ 」
「わたしも前々からひろよさんとやってみたかったです 
ひろよさん、ぶっ倒します」

威勢よくノリよく冒頭が始まり
姫野教授の解説が流れる

そして
2人は
お笑い系のYouTubeの対決企画のようなノリで
2人は相撲を取り始めた
最初はぎこちなく組み合い

徐々にどっちかが勝ったとか
負けたとかして行くうちに

燻っていた互いへのライバル心に火がつき

徐々に激しく
組みつきあい

互いに
相撲好きとあって
今までテレビの大相撲で見てきた技を
いろいろ試すように出し合ったり

して
負けた方は
その技で負けた時の変な体勢になったりするので内心、腹を立て

また、互いに組み合いながら
相手の体つきの美しさ
胸の豊満さ
クビレラインの美しさや
お尻のこしつきの綺麗さなどに
嫉妬しあい

時間内に何番も激しい取り組みを行い

撮影を終え

表面上は
爽やかに

「楽しかったですね」
「気持ちよかったね 」
本編を終え
後日、前後の検査の結果を踏まえて送られてきた
姫野教授の解析動画を最後に組入れて
あきこの動画は終わり

ひろよの動画では
ひろよが考案してきたり
大学内の教授がさらに助言、監修してきたエクササイズを行って
表面上、朗らかに明るく
振り返りトークをしながら
2人でリカバリー系エクササイズを行い
という内容の撮影を行った。

それから
数日後

脱衣所の洗面台の鏡に
ひろよから
つけられた爪痕が
背中の腰の辺りなどにあるのを
みつけ

あの女·····
ひろよに対する嫉妬心も相まった怒りが立ち込めた

そして
2回目の全裸レスリングの撮影

あきこもひろよも
前回の撮影で互いに
腕や背中に残った
爪などの傷について
文句を言い合い
少し険悪なムードで撮影に入った


しかし撮影は
互いのプロ意識もあって前回、同様
陽気な雰囲気で始まった。 

しかし
対決は
互いへの憎悪や嫉妬やライバル心から
冒頭から激しく組付き合い
押し合い
組み合い
転がし合い

冒頭から
鬼気迫る激しい内容になった

あきことひろよは
身体をぶつけ合うように激しく組み付き合い

どちらかが地面に倒れると
すかさずのしかかり
のしかかられた方も組み止めつつ上を奪い返し

あきことひろよの
YouTuberとしての
女としての
同じ子を持つ母としての
意地がぶつかり合う

激しい展開で
時間内に決着がつかず
撮影を終えた

それから何日か後の
風呂場で
やっぱり
前の相撲より
傷が多いな

とあきこは思った

そして
全裸相撲の回のコメント欄に
相撲は廻し絞めないと
などのコメントが寄せられていた


そして
やっぱり
レスリングより相撲のほうが
短い時間でやれたりするなどの理由で
視聴者からのウケはよかった

そして次の撮影では
大学内の相撲部の廻しを借りてきて
締めてみて相撲を取ったり

やっぱり
締め方が面倒なので
褌などしめて見て相撲を取ってみたり

腰にタオルやハチマキのようなものを巻いてみて
相撲を取ってみたり

主婦向けのエクササイズとして
相撲を広めるための検証に主眼を置いた
撮影になった

そして
その中の
企画の1部として
大学内の大浴場に
ウレタンの土俵を置いて

相撲を取ってみることもやってみた

この動画と
姫野教授の
格闘技の運動による美容効果を実証した
論文は
大きな反響を呼び

動画のコメント欄には

自分たちも主婦仲間と
相撲を取り始めたとか

相撲を始めたくなった

といった内容が多く寄せられ
あきことひろよも
それぞれに
YouTubeで
相撲の企画を頻繁に行うようになり
あきことひろよの主婦たちの相撲の団体対抗戦は恒例イベントとなり

こういったムーブメントが
のちに
給付金がもらえるからと仕事を辞めて家庭に入った主婦たちの間で

「ママさん相撲」
が盛んになる流れの始まりになった。
そして
あきこもひろよも
フォロワー数40万人を超える有名YouTuberになり

ママさん相撲専用廻しや
女性が裸で相撲を取りやすい相撲の施設の監修などの仕事にも携わるようになって行った。

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