とある山間の谷に位置する村々では、女の赤ん坊が生まれると
おしめの次に締めるのは必ずマワシと言われるほど、
女たちの間で相撲が盛んな地域がある。
合戦や出稼ぎに男手が取られることも多く、
また古来より交通の要衝となっていたこの地域は
男たちの留守中は通りがかりの軍勢からの略奪などの危険に晒されやすく。
また古くは村同士でも戦が多発していたため
自分たちの土地は女が守るという意識が深く根付いていた。
だから女たちは山仕事や畑仕事の合間にも盛んに鍛錬に勤しみ
ちょっとした集まりがあると盛んに女たちの間で相撲が取られてきた
だから女の子が3歳頃になると母親や近所の女性たちからまわしの締め方や
相撲の所作が教え込まれ
4歳になると土俵に上がり始め
周りの同世代の女性たちと相撲の技や力を競い合いながら大きくなっていく
女たちの大きな相撲は夏と冬にあり
そこで行われる村対抗の団体戦に出て
村の勝利に貢献することが大きな名誉とされており
この夏この夏と冬の大きな相撲で団体の一員(各年代8~10人)
に選ばれるために
村内などの小規模な相撲の集まりで
女たちは幼少の頃から裸にマワシ一枚の姿で土俵に上がり続け
周りの女たちと強さを競い合う
年頃になるとその発育の状況も肌を合わせながら比べ合い
自分は胸が大きいとかも確かめる機会となっていた。
家同士が縁談を決める結婚が多かった時代は
その強さも縁談のとりまとめに大きく影響していた。
その名残からか
相撲の稽古は時折は村や集落毎で行うものの
主に家の中で行われ
また村内の小さな相撲の集まりなどでも
取り組みの結果などは厳密に記録され
管理され
団体戦の村を代表する顔ぶれは
それらの結果を基に
村の役員の歴代の横綱たちによって
決められる
また、団体戦に選ばれれなくても
大きな相撲の個人戦で最後まで勝ち残り
個人優勝を目指すということも
団体戦ほどの注目はないものの
女たちの目標の一つになっている
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